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IPOとは「Initial Public Offering」の頭文字をとった新規株式公開、株式上場という意味です。企業はIPOすることにより、株主が同族あるいは特定の少数者のみに限られている状態から、株式市場に自社株式を流通させ、広く資本参加を求めることができます(所有と経営の分離の明確化)。また、金融商品取引法の規制のもとに株式の投資判断のための情報開示が求められます。
経営者はなぜIPOを目指すのでしょうか?
経営者が企業活動を通して、夢や目標・ビジョンを達成しようとした場合、あるときは大きな資金を必要とし、またあるときは知名度や信用力を必要とします。さらには事業を推進するための優秀な人材も必要です。言葉で言うのは簡単ですが、実際にこれらを用意するには多くの困難を伴います。ましてや未上場の企業がこれらを一度に用意することはまず不可能でしょう。
しかしIPOが実現できれば、これらを一度に準備・用意することができる可能性があります。株式市場で株式を自由に売買できるため、広く一般投資家からの資金調達が可能になります。また日本の全企業の中でも、わずか0.1%にも満たない上場企業になることで、信用力や知名度はあがり、優秀な人材を惹きつけることができます。だからこそ経営者は夢や目標・ビジョンを実現するための重要な経営戦略としてIPOを目指すのです。
具体的にIPOによって、どのようなメリットが得られるのでしょうか。会社・従業員・株主・創業者、4つの立場で確認してみましょう。
(1)会社にとってのメリット
・資金調達方法の多様化と資金調達力の向上(直接金融の恩恵を受けられる)
・知名度・信用力の向上(新たな取引先の獲得、金融機関などの信頼性向上)
・人材確保の優位性、従業員の士気向上
・社内管理体制の強化(属人的運営から組織的運営へ)
(2)
従業員にとってのメリット
・ストックオプションや従業員持株会などによる資産形成
・モチベーションの向上(上場企業に勤めているステータス)
(3)
株主にとってのメリット
・株式の流通性が拡大し、株式売買が容易になる(株式売却による投下資本の回収)
・株価の公正な価格形成による株式の資産価値向上
(4)
創業者にとってのメリット
・創業者利潤の実現
IPOを実現した場合、前述のメリットを継続的に享受できる反面、まっとうしなければならない責任(デメリット)が生まれます。
(1)有価証券報告書や四半期報告書などの適時開示義務とその体制の確立
(2)敵対的(同意なき)買収など株式買占めへの対応
(3)アクティビストなどの株主対策や円滑な株主総会運営
(4)上場維持コストの発生
創業者利潤の魅力だけに捉われ、IPOをゴールと考えているような経営者の場合、IPO後に重くのしかかるこれらの責任を果たすことはできません。
【関連コラム】
・ 株式上場のメリットとデメリット
株式市場は、全国に4か所(東京・名古屋・福岡・札幌)あります。さらに各証券取引所には企業規模や目的に応じた市場区分が用意されています。
・東京証券取引所(プライム市場・スタンダード市場・グロース市場/TOKYO PRO Market※プロ投資家向け市場)
・名古屋証券取引所(プレミア市場・メイン市場・ネクスト市場)
・福岡証券取引所(本則市場・Q-Board)
・札幌証券取引所(本則市場・アンビシャス)
IPOを目指す企業は、高い成長可能性を有する企業であるため、多くは東証の「グロース市場」を目指します。
企業がIPOするためには、証券取引所による上場審査を受け、通過する必要があります。上場審査の基準には、市場区分ごとに「形式要件」と「実質審査基準」があります。
形式要件とは、株主数や時価総額、利益の額など、上場申請をする場合に求められる要件であり、上場申請時に提出する資料やIPOファイナンスの状況により確認されます。また、実質審査基準とは、上場企業になるための適格性を審査するための実質的な基準であり、形式要件を満たすことを前提にこの実質審査基準を通過しなければなりません。
実質審査基準は、形式要件に比べ、金額や数値などの明確な尺度があるわけではありません。IPO準備企業が安定的・継続的に収益性を維持し、適切な管理体制を構築し、将来を見通した経営が適切に行われているかなどを、質的な側面から審査されます。また、書類審査だけではなくヒアリングや実地調査などで確認されます。
【関連コラム】
・ 上場審査基準とは?市場別、形式要件と実質審査基準を解説
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