公開日 /-create_datetime-/
昨今、企業活動が多様化する中で、法務が担う役割の重要性は増しています。
しかし、いざ転職を考えると、「法務への転職は難しい」という意見を見かけることがあるかもしれません。
この記事では、「法務の転職は難しい」の真相について、法務経験者と未経験者に分けて解説します。
また、法務への転職で求められる知識や経験、スキルも含めて、転職成功に向けたポイントもご紹介します。
▼あわせて読みたいオススメページ
まずは、「法務への転職が難しい」と言われる理由について見ていきましょう。
法務部門は、多くの企業が少数精鋭の体制であるため、求人自体が希少です。
法務職の募集が出ても、採用人数は1~2名程度に限られる場合がほとんどで、条件の良い募集には応募が殺到し、競争が激しくなります。
特に中小企業では、必要な法務業務を外部の法律事務所に委託するケースが多く、法務専任の部門が存在しない場合もあります。
また、大企業の法務部門では、既存の担当者が長期間にわたって在籍することが一般的です。
そのため、募集が頻繁には行われず、転職希望者にとってはタイミングが重要な要素となります。
このような状況が、法務の転職を難しくしている理由の一つと言えるでしょう。
法務の業務は、契約法務やコンプライアンス対応、労働問題の解決など、高度な専門知識を必要とします。
そのため、企業側は即戦力として働ける人材を求める傾向があります。
契約書のレビューやドラフト作成の経験は、転職時に重要な評価ポイントとされます。
特に未経験者が法務に挑戦する場合、こうした専門性を持つ経験者との比較で不利になりやすいのです。
また、法務では法律知識だけでなく、倫理観や正確さ、問題解決能力も求められるため、採用のハードルが高いことも特徴です。
その結果、法務未経験者または経験が浅い求職者にとっては、転職を成功させるのが容易ではありません。
法務の業務内容は、企業の業界や事業内容に強く依存します。
例えば、製造業では知的財産権や安全基準に関する法律が重要視される一方で、金融業界では金融商品取引法や顧客情報保護に関する法律が重視されます。
法務が扱う法令は業界や事業ごとに異なるため、法務の実務経験があったとしても、応募先と異なる分野での経験しかない場合、そのギャップを埋める努力が転職への壁となるかもしれません。
法律は頻繁に改正されるため、最新の法令に対応する能力も重要です。
これまでの法律知識が活かしきれない場合、転職活動に苦戦することが考えられます。
では、実際に法務への転職は難しいものなのでしょうか。
法務の転職難易度について、転職市場を踏まえて経験者・未経験者別に取り上げます。
法務経験者にとって転職市場は比較的活発であり、需要も高い傾向です。
企業のグローバル化や法令遵守の重要性が増している現代では、法務の専門知識を持つ人材が求められています。
例えば、M&Aや海外展開に伴う複雑な契約対応、コンプライアンス強化の取り組みなどが、求人増加の背景となっています。
法務人材は、即戦力としてのスキルが重視されるため、特定の分野での専門性と実務経験が転職において有用です。
特に、英文契約の取り扱いやリスク管理の知識を備えた人材は、高い評価を受ける傾向があります。
応募先企業のニーズに見合った法務経験者であれば、転職難易度は決して高くなく、むしろキャリアアップのチャンスが広がっていると言えるでしょう。
また、司法制度改革以降、企業内で働くことを選択するインハウスローヤーが増加しています。
それに伴い、弁護士資格を持たない法務経験者でも、業界や業務に関する専門性や経験が重視される傾向が強まっています。
一方で、未経験者が法務への転職を目指す場合、ハードルは非常に高い傾向にあります。
前提として法律の専門知識が必要となる法務職は、最低でも法学部卒、昨今の主流としては法科大学院の出身者が採用されやすい状況にあります。
法律に関する実務経験がない場合、経験者と比較される際に不利になりやすいこともあります。
ただし、法務以外の管理部門で培った経験が評価されるケースも見られます。
例えば、経理・人事・総務など法務以外の業務をメインにしつつ、一部の契約関連や法的手続きを兼務していた経験があれば、その知識と実務能力が評価されることもあります。
稀なケースとして、営業や企画職として契約交渉や契約書作成、法的対応を含む業務に関わった経験が評価され、採用に至った例もあります。
法務職に対する明確な熱意や目的意識を示すことで、採用担当者の興味も引きやすくなるでしょう。
企業のニーズが多様化している昨今、法務以外の視点を持つ人材が歓迎されることも増えてきました。
法務への転職は、経験者にとっては需要の多い領域ですが、未経験者の場合は基礎力や意欲がカギとなります。
それぞれの経験やスキルに応じた準備が、転職の難易度を引き下げることにつながるでしょう。
法務への転職では、どのような知識や経験を問われるのでしょうか。
その代表的なものを以下にピックアップしました。
法務担当者として不可欠なのは、法律の基本を理解していることです。
特に、民法や会社法、労働法、独占禁止法などは業務の中心になる場面が多いでしょう。
加えて、これらの法律が改正された際、迅速に対応できる知識のアップデートも必要です。
企業活動に関連する法的側面を把握しておくことで、取引先や従業員との問題解決に役立つでしょう。
転職先となる業界特有のルールやリスクを理解することは、即戦力として求められるスキルです。
例えば、不動産業界では土地や建物の取引に関する法律、IT業界では個人情報保護法のように、業界ごとに必要な知識が異なります。
経験がない場合でも、転職先の事業モデルを事前に調べておくことが大事です。
契約書のレビューやドラフト作成は、法務の中心的な業務です。
単に形式を整えるだけでなく、企業に不利な条項を避けるための分析力が求められます。
こうした経験は、企業全体のリスクを低減させる要素として高く評価されます。
法務部門では、突発的なトラブルにも迅速かつ適切に対応する力が求められます。
例えば、従業員の不祥事やクレーム対応、訴訟リスクの管理など、多くの事例を経験していれば冷静な対処が可能です。
法的な根拠に基づく解決策を提示するためには、困難な局面を乗り越えてきた経験値がバックボーンとなります。
チームを統率してきたマネジメント経験も注目されています。
中堅以上のポジションでは、法務部門でリーダーシップを発揮し、部門全体の目標達成を推進できるか、が評価ポイントになります。
その経験を活かし、人材育成や他部門との連携、さらには経営陣への戦略的な提言も期待されるでしょう。
法務を含めて、その他の管理部門に携わった経験が評価に通じるケースも少なくありません。
特に中小企業やベンチャー企業では、人事、総務、システム管理といった多岐にわたる業務経験があれば、企業内での柔軟な役割を担えると判断されることがあります。
過去の業務内容を整理し、転職活動でアピールできるポイントを明確にしておきましょう。
グローバル展開を進める企業や外資系企業では、英語力が必須です。
英文契約書のレビューやドラフト作成が必要な業務に従事する場合、TOEICスコアは600〜800点程度が一つの目安です。
特に英語を社内公用語にしている企業では、英語での交渉やメール対応が発生する場合もあるため、実践的な英語スキルを磨いておくと有利です。
法務の転職では特定の資格が必須ではないものの、持っていると選考で有利になる場合があります。
弁護士資格は、法務分野の最高峰ともいえる国家資格です。
法律全般に関する高度な知識を有し、企業のトラブルや法務課題に対して的確な対応を行う能力があると評価されます。
企業内弁護士として働く選択肢も広がっており、今や代表的なキャリアを形成する資格の一つです。
資格取得には司法試験の合格と司法修習の修了が必要で、難易度は非常に高いものの、法務職への転職において強力な武器となるでしょう。
法務に関わる実践的な法律知識が身につく検定資格で、特に未経験者にとっては知識面でのアピールに役立ちます。
試験は3級から1級までの段階があり、2級以上を取得すると転職時に有利になる可能性もあります。
法務職だけでなく、管理部門や営業職でのキャリアアップにも役立つ資格です。
企業の健全な運営に不可欠なコンプライアンスに関する知識を証明する資格です。
初級と上級があり、特に法令遵守を重視する企業では取得者が評価される傾向があります。
学習内容には、不正防止の実践的な知識も含まれ、コンプライアンス部門や法務部門での活躍を目指す人にとって有益な資格です。
短期間の学習で取得を目指せる点も魅力と言えるでしょう。
グローバル化が進む中、前述のとおり法務職にも英語力が求められる場面が増えています。
特に国際取引や契約書の確認を行う企業では、TOEICスコアが一定の基準として設けられることが多く、700点以上を目安とする企業も見られます。
英語でのやり取りが可能であることは、国際的な法務案件に対応する際に大きな強みとなるでしょう。
参考:「【法務担当者が押さえておくべき資格一覧】求人例や転職活動で活かす方法など」
法務の転職は決して簡単ではありませんが、転職のポイントを抑えることができれば十分に可能性はあります。
ここでは、法務経験者と未経験者の両面から、法務の転職を成功させるためのポイントを紹介します。
まずは法務経験者向けの転職のポイントを紹介します。
応募する企業が求める知識・経験を理解することが成功の第一歩です。
求人情報や企業のWEBサイトを確認し、業務内容に加えて必要とされる知識を把握しましょう。
業界ニュースや市場動向に目を向けることで、応募先企業が直面している課題と成長分野を理解し、自分のスキルがどのように貢献できるかを考えることが大切です。
過去の経験をアピールする際は、具体的な事例や成果を示すことが重要です。
例えば、契約書の作成業務において、どのような契約に携わり、どの程度の件数に対応したかを明確に伝えることで実務経験の深さを示せます。
トラブル対応や訴訟における実績についても、数字や具体的なエピソードで補強すると、説得力が増すでしょう。
次に実務未経験から法務への転職を希望している方向けのポイントです。
未経験者が法務職を志望する場合、明確な動機を伝えることが不可欠です。
単なる興味ではなく、説得力のある志望理由を作成することを意識しましょう。
「大学で法律を学んだ経験を活かしたい」「インターンを通じて法務の仕事に魅力を感じた」など、具体的なエピソードを交えて説明することで、面接官に好印象を与えます。
これまでの経験や身につけたスキルを整理し、法務で活かせるポイントを洗い出しましょう。
他部門で得た契約関連の経験、業務で培った分析力、コミュニケーション能力などは、法務職でも活用可能です。
法務に関連したスキルや経験を可視化することで、自身が職務に適しているアピールにつながります。
未経験者が法務職に就くには、法務専任ではなく兼任のポジションを狙うのも有効な選択です。
特に中小企業では、人事・総務・法務を兼任するケースが多く、比較的ハードルが低いことがあります。
さらに、これまでのキャリアで経験を積んだ業界や企業をターゲットにすることで、より転職の成功率を高められるでしょう。
法務を目指した転職活動では、専門特化型の転職エージェントの活用をおすすめします。
法務の求人は専門性や実務経験が求められる一方で、求人数が限られているのが実情です。
自力で求人探しを行うだけでは、条件に合う企業を見つけることは難しいでしょう。
このような状況を打開する手立てが、法務の転職支援に強い転職エージェント「MS Agent」です。
「MS Agent」は、法務を含む管理部門や士業に特化しており、30年以上の転職支援実績を有しています。
法務の転職サポート経験豊富なキャリアアドバイザーが在籍しており、個別カウンセリングや職務経歴書の添削、面接対策など、細やかな支援を受けることが可能です。
一般には公開されていない非公開求人も取り扱っており、利用者の希望条件に合った求人を見つけやすいことが利点です。
加えて、業界や企業ごとに異なる法務業務の違いを踏まえ、的確なアドバイスが受けられるため、転職活動の戦略を立てる際にも役立つでしょう。
法務の経験・未経験にかかわらず、「MS Agent」のような専門特化型の転職エージェントの活用が、転職成功への近道です。
効率的な情報収集と専門的なサポートを受けるためにも、活用を検討してみてはいかがでしょうか。
法務の転職が難しいかどうかは、法務経験者と未経験者で異なりますが、どちらの場合でも準備次第で道は開けます。
経験者はその経験と知識を最大限に活かし、未経験者は法務以外のスキルをアピールする形で進めるとよいでしょう。
法務の転職市場を理解することも、転職活動においては重要です。
その際、専門特化型の転職エージェント「MS Agent」を活用すれば、自身にマッチした求人に出会える可能性が高まります。
経験豊富なキャリアアドバイザーから具体的なサポートを受けることで、法務へのキャリアが実現しやすくなるでしょう。
世界No.1の電子署名で業務効率化、コスト削減、セキュリティ強化を実現
これなら先方も納得!取引先と請求書電子化をスムーズに進める3つのコツとは?
消費者契約法で無効にならないキャンセルポリシーの作成方法
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~30時間かかっていた入金消込がほんの数十秒に! 伊藤忠エネクス株式会社~
Web請求書の導入にあたり費用対効果を高める方法、お伝えします!
アウトソーシングできるバックオフィス業務とは?料金相場や活用事例をご紹介
法定休日と所定休日の違いを徹底解説!企業が知っておくべき休日管理のポイント
IPOにおけるゴーイングコンサーン(継続企業の前提)の重要性と労務の視点
職場環境の改善は事業者の義務!職場環境改善のメリットや取り組み方法を解説!
多様な人材をいかす経営は企業の競争力向上につながる 経産省、「ダイバーシティレポート」を公表
契約不適合責任とは?売買契約書で 注意すべきポイントについて
食の福利厚生【OFFICE DE YASAI 】
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~入金消込の効率が飛躍的にアップ! ティーペック株式会社~
工事請負契約書とは?作成時の注意点などを解説!
よくある残念な英語研修VS成果を出した英語研修の短期計画
経費精算を正しくできていますか?税務署にチェックされやすいポイントも紹介
【弁護士執筆】交通事故・労災事故の損害賠償とは?管理部門が知っておきたい企業の責任と対応策
オンライン秘書とは?起業家におすすめする理由と依頼できる業務を解説
IT・システム業における外国人雇用|就労可能なビザ・雇用時の注意点を解説
新入社員が適応障害にならないための事前対策とは?メンタルヘルスケアの重要性
公開日 /-create_datetime-/
業界別の法務に求められる経験・スキルを知りたい方は、「法務の転職に必要なスキルは?業界別・企業規模別に徹底解説」をご確認ください。