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税理士 長谷川 暢彦
TKC全国会 中堅・大企業支援研究会 幹事
TKC全国会システム委員会 電子申告システム小委員会 委員長
資本金1億円超の大法人における電子申告義務化及び情報技術の進展により、令和5年度の法人税の電子申告割合は86%を超えました。
この電子申告の普及とともに、納税者の利便性向上と税務行政の効率化を図る観点から、キャッシュレス納付の普及も進んでいくものと考えられます。
このコラムでは、国税及び地方税のキャッシュレス納付・電子納税の概要と実務対応について2回にわたり解説します。
当コラムのポイント
※2025年4月時点の国税庁・地方税共同機構HPで公表されている情報をもとに記載しています。
とある会社にて
上司:そろそろ税金の納期限だけど、準備はできてるかい?
部下:それが、電子申告をしていると法人税の納付書が来なくなってしまって・・・
上司:税務署に貰いに行かないといけないのか。
部下:地方税はもっと大変で、納付書は、市町村ごとに異なる場合があるし、手数料がかかる団体もあるんですよ~!
上司:そろそろ国が進めているキャッシュレス納付に取り込まないといけないけど、やり方が・・・!?
こんな声も最近聞かれていますが、国税庁発表資料によると令和5年度のキャッシュレス納付割合は39.0%となっており、法人税のオンライン利用率86.2%の電子申告割合と比べると低い状況となっています。
注:算定方法を見直したため前年発表の数値から異なっています。また、39.0%には個人の振替納税12.1%が含まれているため、法人のキャッシュレス納付割合はまだ低い状況です。
財務省は「オンライン利用率引上げに係る基本計画」を公表しています。納税者の利便性の向上と税務行政の効率化を図る観点から、これを令和8年度までに50%に引き上げるとの目標を掲げています。
なお、金融機関等における窓口納付は8割近くが法人による納付となっています。また税目別でみると源泉所得税が54.4%を占めています。これは徴収高計算書1つの書類につき、「申告」の作成と「納付」の手続の両方の特性があり、人事給与担当者が作成し、経理担当者等が納付をするという実態が考えられるためです。

出典:国税庁「令和5年度におけるオンライン(e-Tax)手続の利用状況等について」
ここ数年で納税者の利便性向上や社会コスト削減の観点から申告手続きや納付手続きのオンライン化が進められています。キャッシュレス納付は電子納税(インターネットバンキング、ダイレクト納付)と振替納税、クレジットカード納付、スマホ決済など非対面納付方式を指しており、納付方法とともに対象税目も増えています。
キャッシュレス納付は、国税や地方税の納付手続を自宅やオフィスからインターネットを経由して電子的に行う手続きです。
金融機関等の窓口に出向く必要がなく、e-TaxやeLTAXの利用時間内でかつ金融機関のインターネットバンキング等の利用時間内であればいつでも納付が可能です。
毎月納付が必要な源泉所得税や住民税(特別徴収)などに利用すれば、大きな事務負担の削減が期待できます。また電子証明書も不要ですので、大変便利な仕組みといえます。ただし領収書は発行されませんので、納付後の完了通知を保管する等の措置が必要になります。
注:納付完了通知は電磁的記録に該当せず、電子取引データとしての保存は不要です(電子帳簿保存法一問一答より)
このコラムでは主に法人が利用するインターネットバンキング、ダイレクト納付、クレジットカード納付について解説します。
金融機関のインターネットバンキングを利用して納付する方法です。
1) 事前準備
金融機関との間で、インターネットバンキングの利用手続きを行う必要があります。ご利用の金融機関にご確認ください。
2) 利用可能金融機関一覧
3) 手数料
なし(金融機関によってはインターネットバンキング等の利用に当たり手数料がかかる場合あり)
記事提供元

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