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【インタビュー】「競合」から「共創」へ──GVA TECH × リセ、法務DX提携の真意と展望

公開日2025/07/04 更新日2025/07/04 ブックマーク数
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【インタビュー】「競合」から「共創」へ──GVA TECH × リセ、法務DX提携の真意と展望

取材・構成:藤江眞之(MS-Japan COO)

日経新聞でも報道:リーガルテック2社の提携に注目集まる

2025年6月20日、GVA TECHとリセの提携が日経新聞で報じられた。
タイトルは「GVAテックとリセ、契約AI審査や管理を共に売り込み」。
競合とも見られていた2社の業務提携は、業界内外から大きな注目を集めている。

GVA TECHとリセロゴ

この提携がいかにして実現したのか。
その裏側と今後の戦略、そして「法務オートメーション」という新たな構想について、法務オートメーション「OLGA(オルガ)」を提供するGVA TECH代表取締役・弁護士の山本俊氏に話を伺った。

両社にとっての提携メリットとは?

この提携により、リセは自社の強みであるAI契約審査に加え、案件管理や業務全体のDXニーズにも対応できるようになります。
一方、GVA TECHは法務オートメーション「OLGA」の提供先として新たなチャネルを得ると同時に、ユーザーにとって“選べる柔軟性”を持った提案が可能になります。

つまり、片方が他方の機能を“補完”する関係性を築いたことで、単なる提携を超えた「共創型の営業体制」が成立したのです。

“競合”を超えて、ユーザー本位の提携へ

GVA TECHとリセが手を組むというニュースに、驚いた業界関係者も少なくなかったはずだ。
これまで類似領域に見られてきた両社が、今回「販売協力」というかたちで連携に踏み切った背景には、明確な戦略がある。

「AI契約レビューは、企業ごとの契約書のクセや文化、現場の好みによって評価が分かれます。
つまり、どのツールが“刺さるか”は実際に使ってみないとわからない」と山本氏は語る。

そのためGVA TECHでは、「どちらが選ばれても、ユーザーにとってベストな選択肢を提供できる体制」をつくることを重視している。
競合として分断するのではなく、“共に並んで選ばれる”関係に移行することで、業界全体の生産性向上に寄与できるとの考えだ。

統合の時代に、中心に立てる存在を目指して

「日本のリーガルテック市場で、単独で時価総額100億円を超える企業はまだ非常に少ない。
将来的に市場の“統合”が起きるのは必然だと思っています」と山本氏。

「そのとき、我々GVA TECHは“上場企業としてその中心にいる存在でありたい”と考えています」。

その意識が、今回のリセとの連携にもつながっているという。
技術や営業の協業を通じて、エコシステムを広げる動きを先んじて実行することで、市場の信頼を勝ち取りたいという。

法務オートメーションへ──OLGAが目指す未来

リセとの連携は、GVA TECHが掲げる「法務オートメーション」という構想とも直結している。
契約書のレビューに留まらず、メール・チャット・ワークフロー・バージョン管理・電子契約・Salesforce連携といった周辺業務まで一気通貫で支えるOLGAは、いわば“法務版ERP”のような存在を目指している。

OLGA

「これまでは法務の中でも、契約審査・バージョン管理・稟議・署名といった作業がすべて別のツールで管理されていた。
それを1つの導線でつなげることで、劇的に生産性が向上します」

まさに法務の案件管理というプロダクトでクライアントの法務部、事業部双方の課題と意見を細かくヒアリングしてきた同社だからこそ気付けた視点だ。
GVA TECHは、法務のプロフェッショナルが“人にしかできない判断”に集中できる環境を整えることを目指しているという。

自動化の目的は「判断への集中」

「全部を自動化することは、目的ではありません」と山本氏。

たとえば案件のステータス管理、類似案件の検索、割り振りなどはシステムが担い、人は判断と調整に集中する──。
その設計思想が、OLGAというプロダクト全体に貫かれている。

編集後記(藤江より)

GVA TECHとリセの連携は、単なるプロダクト連携ではなく、「業務構造の再設計」としての意味合いを持っています。
選ばれやすくなることだけを目的にするのではなく、ユーザーにとって最適な選択肢を提示できる状況を、競合同士がつくる。

また、“法務オートメーション”という概念は、単なる業務効率化を超えたDXの中核となりうる。
今回の取材を通じて、法務領域がこれから迎える新たなステージと、GVA TECHが果たすべき役割の大きさを感じた。

取材対象者略歴

山本 俊様

山本 俊(Shun Yamamoto)
弁護士登録後、鳥飼総合法律事務所を経て、GVA法律事務所を創業。
2017年にGVA TECH株式会社を創業して代表取締役に就任し、2024年に東証グロース市場へ上場。
「法とすべての活動の垣根をなくす」を掲げ、LegalTech SaaS「OLGA」と法務手続クラウド「GVA 法人登記」「GVA 商標登録」を展開する。

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