公開日 /-create_datetime-/
法務のノウハウと課題可決のヒントが詰まっている資料を無料プレゼント!
電子署名や契約書作成・レビューなど効率化したい法務担当者がダウンロードした資料をまとめました。全て無料でダウンロードできるおすすめの資料を使って生産性を上げませんか?
通販サイトやオンラインモールなどのECサイトを運営する企業の担当者の皆様は、次のようなお悩みや課題があるのではないでしょうか。
「ECサイトでブランド物の真正品の販売を行いたいが、法律上の問題はないだろうか。」
「ECサイトにて海外ブランド品の取扱いを考えているが、正規輸入と並行輸入では何が違うのだろう。」
「他社の商標を含む商品を輸入し、販売する際に気を付けるべき点を知りたい。」
この記事では、EC事業者が、ブランド物の真正品を販売する際に知っておきたい商標法上のルールや注意点についてEC専門の弁護士が詳しく解説します。
T社長
当社はECサイトにて化粧品や香水の販売を行っています。
この度、若者に人気の海外ブランドの化粧品を輸入し、サイト内にて販売することを検討しています。
仕入れについては、日本の代理店から購入するよりも、海外の製造者または輸出者から購入する方が安価であるため、並行輸入を行うことを考えています。
どのような点に注意し、ビジネスを進めていけばよいか、アドバイスを頂きたいです。
小野弁護士
なるほど。
今日は真正品を販売する際の商標法上のルールについてですね。
商標権とは、商品やサービスに付された商標を保護し、商標権者の権益を守るための権利です。
商標には商品やサービスの出所を識別する①出所表示機能、その品質を保証する②品質保証機能、その商品やサービスの購買意欲を喚起させる③広告宣伝機能があり、これらを商標の三大機能といいます。
特に、①出所表示機能、②品質保証機能は重要であるため、真正品の販売においても、商標や商品の状態について注意することが重要です。
まずは、商標の定義と注意点について解説します。
事業者が、自社の取り扱う商品・サービスを他社のものと区別するために使用するマークのことを商標といい、商標を独占的に使用する権利のことを商標権といいます。商標には、文字・図形・記号・立体的形状・これらを組み合わせたものなど、様々なタイプがあります。また、平成27年4月から、動き商標・ホログラム商標・色彩のみからなる商標・音商標・位置商標について商標登録が可能となりました。
商標制度の趣旨目的は以下の通りです。
(商標法第1条) 「この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。」
前述した通り、商標の3大機能を守ることが、商標を信じて購入した消費者の利益の保護や、商標を会社の顔として使用している企業の信頼の保護といった、商標法の趣旨目的につながると分かります。
後述しますが、商標と商標が付された商品・サービスは基本的にセットで考えるため、商標権の侵害の判断をする際には、①商品・サービスが同一または類似であるかどうか、②商標が同一であるかどうか、の2点が重要な判断材料になる点にもご留意ください。
商標権侵害の具体的な例として、第三者が商標権者の許諾を受けずに同一または類似の商標を、当該商標が付された商品(指定商品)やサービス(指定役務)と同一または類似の商品やサービスに使用する場合が挙げられます。
たとえば、人気のブランドバッグに似たロゴを使用したバッグを販売した場合は、商標権侵害が成立する可能性があります。侵害が成立するかどうかの判断基準は、消費者がその商標を見た際に、商標権者の商品と誤認・混同する可能性があるか(出所表示機能が損なわれたか)どうかも判断ポイントの1つとなります。
前述した通り、商標には品質保証機能、出所表示機能、広告宣伝機能といった3つの重要な機能があります。ここでは、3大機能のうちの品質保証機能と出所表示機能の2つにフォーカスします。品質保証機能とは、その商標が付された商品やサービスが一定の品質を保っていることを消費者に示す役割です。消費者は、同じ商標を見れば、その商標を見ただけで、その商品やサービスがどのような品質であるか理解することができます。
出所表示機能は、その商標が付されている商品やサービスは、いつも同じ出所から出ていることを示す役割があります。たとえば、スーパーのプライベートブランドの商標の場合、その商標を見れば、「これは〇〇ストアの商品だ。」と消費者は理解できます。これが出所表示機能です。これらの機能が損なわれる場合、商標権侵害が成立する可能性もあります。
商標法における商標権の基本的な侵害要件は前述した通りですが、実務上は、他人の商品・役務・商標と同一または類似の商標を単に使用しただけでは、商標権の侵害は成立しないとされています。具体的には、商標的使用という考え方が重要で、前述した商標の三大機能を実質的に損なっていないかどうかで判断します。商標権者は、自社の商標が使用されていれば、商標権の侵害に該当するかどうかにかかわらず、警告文を送ってくることもあります。具体的な侵害の有無に関連する事項ついては、弁護士や弁理士といった専門家に相談をし、冷静に判断を行うことが重要です。
▶︎参考情報:商標権侵害、商標的使用については下記の記事でも解説していますので、ご参照ください。
◆WRITER
弁護士 小野 智博(おの ともひろ)
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
慶應義塾大学環境情報学部卒業。企業のDXサービスについての深い理解に基づき、企業法務を提供している。国際業務を得意とし、日本語・英語の契約書をレビューする「契約審査サービス」や、「外国人雇用マネジメントサービス」「ビザ申請サービス」などを展開している。また、ECビジネス法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約・プライバシーポリシー・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門」
【郵便料金値上げ対策にも!】失敗しない!請求書電子化の3つのポイント
株式譲渡契約書とは?記載事項や作成時の注意点について解説!
Adobe Acrobatで電子署名する方法とその見え方
上場企業・IPO準備企業必見!! 内部統制・監査の妨げになるアナログな入金消込とは
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~自動消込照合率が91%まで上昇! 株式会社有隣堂~
【新入社員意識調査2025】製造業の新人「今の会社で働き続けたい」、他業種よりも10ポイント高く、75.9%が回答
簿財とは?試験内容や難易度、科目合格者の転職事情について解説!
ビジネスフォンの仕組みを徹底解説|主装置の役割や配線タイプなど
企業におけるマイナンバーの適切な管理方法とは|紙とデータのどちらで管理すべきか?
DX人材?メリットやデメリット、具体的な取り組み事例やポイントを紹介
社員と会社の両方が幸せになる生活サポートとは?
雇用契約書の記載事項を知りたい方必見!必須事項や注意点を解説
海外法人との取引を成功させる!英文契約の基礎知識
Web請求書の導入にあたり費用対効果を高める方法、お伝えします!
経理・人事・法務のスキルと年収相関の完全ガイド【MS-Japan】
【東京都足立区】事業承継を最大200万円支援 事業承継促進支援助成金
契約書の最新版がわからない…ファイル名混乱を防ぐバージョン管理と編集履歴の整え方
最適なドキュメント管理方法とは?メリットや課題とおすすめツールを徹底比較!
商標権侵害VS真正品がわかる:EC事業者が知っておくべき商標権のルールと安全な商品販売のチェックポイントを徹底解説!
大手3キャリアの法人スマホレンタルサービスを解説|ドコモ・au・ソフトバンク
公開日 /-create_datetime-/