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商標権侵害VS真正品がわかる:EC事業者が知っておくべき商標権のルールと安全な商品販売のチェックポイントを徹底解説!

公開日2025/07/07 更新日2025/07/04 ブックマーク数
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商標権侵害VS真正品がわかる:EC事業者が知っておくべき商標権のルールと安全な商品販売のチェックポイントを徹底解説!

通販サイトやオンラインモールなどのECサイトを運営する企業の担当者の皆様は、次のようなお悩みや課題があるのではないでしょうか。

「ECサイトでブランド物の真正品の販売を行いたいが、法律上の問題はないだろうか。」
「ECサイトにて海外ブランド品の取扱いを考えているが、正規輸入と並行輸入では何が違うのだろう。」
「他社の商標を含む商品を輸入し、販売する際に気を付けるべき点を知りたい。」

この記事では、EC事業者が、ブランド物の真正品を販売する際に知っておきたい商標法上のルールや注意点についてEC専門の弁護士が詳しく解説します。

目次本記事の内容

  1. 1 商標権侵害とは?基本的なルールと注意点
  2.  1.1 商標権の定義とその保護対象
  3.  1.2 商標権侵害の具体例と判断基準
  4.  1.3 品質保証機能と出所表示機能の関係性
  5.  1.4 違法になるケースと違法でないケース
  6. 2 真正品の販売における商標権の考え方
  7.  2.1 真正品とは?その定義と判断基準
  8.  2.2 商標権の消尽と販売の正当性
  9.  2.3 並行輸入品の取り扱いとそのリスク
  10.  2.4 再包装・再販売に伴う法的注意事項
  11. 3 模倣品・横流し品との違いと注意したい点
  12.  3.1 横流し品・模倣品・並行輸入品の違い
  13.  3.2 模倣品販売による法的リスク
  14.  3.3 真正品販売に潜む模倣品のリスク
  15. 4 商標権侵害対策と安全な商品販売方法
  16.  4.1 商品を安全に販売するための基本ルール
  17.  4.2 並行輸入や再販売の手続きと注意点
  18.  4.3 販売者が行うべき真正品の確認方法
  19. 5 真正品販売のお悩み、リスク、課題は解決できます
  20. 6 しかも、頼りになる専門家と一緒に、解決できます!

商標権侵害とは?基本的なルールと注意点

T社長
当社はECサイトにて化粧品や香水の販売を行っています。
この度、若者に人気の海外ブランドの化粧品を輸入し、サイト内にて販売することを検討しています。
仕入れについては、日本の代理店から購入するよりも、海外の製造者または輸出者から購入する方が安価であるため、並行輸入を行うことを考えています。
どのような点に注意し、ビジネスを進めていけばよいか、アドバイスを頂きたいです。

小野弁護士
なるほど。
今日は真正品を販売する際の商標法上のルールについてですね。

商標権とは、商品やサービスに付された商標を保護し、商標権者の権益を守るための権利です。
商標には商品やサービスの出所を識別する①出所表示機能、その品質を保証する②品質保証機能、その商品やサービスの購買意欲を喚起させる③広告宣伝機能があり、これらを商標の三大機能といいます。
特に、①出所表示機能、②品質保証機能は重要であるため、真正品の販売においても、商標や商品の状態について注意することが重要です。

まずは、商標の定義と注意点について解説します。

商標権の定義とその保護対象

事業者が、自社の取り扱う商品・サービスを他社のものと区別するために使用するマークのことを商標といい、商標を独占的に使用する権利のことを商標権といいます。商標には、文字・図形・記号・立体的形状・これらを組み合わせたものなど、様々なタイプがあります。また、平成27年4月から、動き商標・ホログラム商標・色彩のみからなる商標・音商標・位置商標について商標登録が可能となりました。

商標制度の趣旨目的は以下の通りです。

(商標法第1条) 「この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。」

前述した通り、商標の3大機能を守ることが、商標を信じて購入した消費者の利益の保護や、商標を会社の顔として使用している企業の信頼の保護といった、商標法の趣旨目的につながると分かります。

後述しますが、商標と商標が付された商品・サービスは基本的にセットで考えるため、商標権の侵害の判断をする際には、①商品・サービスが同一または類似であるかどうか、②商標が同一であるかどうか、の2点が重要な判断材料になる点にもご留意ください。

商標権侵害の具体例と判断基準

商標権侵害の具体的な例として、第三者が商標権者の許諾を受けずに同一または類似の商標を、当該商標が付された商品(指定商品)やサービス(指定役務)と同一または類似の商品やサービスに使用する場合が挙げられます。

たとえば、人気のブランドバッグに似たロゴを使用したバッグを販売した場合は、商標権侵害が成立する可能性があります。侵害が成立するかどうかの判断基準は、消費者がその商標を見た際に、商標権者の商品と誤認・混同する可能性があるか(出所表示機能が損なわれたか)どうかも判断ポイントの1つとなります。

品質保証機能と出所表示機能の関係性

前述した通り、商標には品質保証機能、出所表示機能、広告宣伝機能といった3つの重要な機能があります。ここでは、3大機能のうちの品質保証機能と出所表示機能の2つにフォーカスします。品質保証機能とは、その商標が付された商品やサービスが一定の品質を保っていることを消費者に示す役割です。消費者は、同じ商標を見れば、その商標を見ただけで、その商品やサービスがどのような品質であるか理解することができます。

出所表示機能は、その商標が付されている商品やサービスは、いつも同じ出所から出ていることを示す役割があります。たとえば、スーパーのプライベートブランドの商標の場合、その商標を見れば、「これは〇〇ストアの商品だ。」と消費者は理解できます。これが出所表示機能です。これらの機能が損なわれる場合、商標権侵害が成立する可能性もあります。

違法になるケースと違法でないケース

商標法における商標権の基本的な侵害要件は前述した通りですが、実務上は、他人の商品・役務・商標と同一または類似の商標を単に使用しただけでは、商標権の侵害は成立しないとされています。具体的には、商標的使用という考え方が重要で、前述した商標の三大機能を実質的に損なっていないかどうかで判断します。商標権者は、自社の商標が使用されていれば、商標権の侵害に該当するかどうかにかかわらず、警告文を送ってくることもあります。具体的な侵害の有無に関連する事項ついては、弁護士や弁理士といった専門家に相談をし、冷静に判断を行うことが重要です。

▶︎参考情報:商標権侵害、商標的使用については下記の記事でも解説していますので、ご参照ください。

◆WRITER

弁護士 小野 智博(おの ともひろ)
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士

慶應義塾大学環境情報学部卒業。企業のDXサービスについての深い理解に基づき、企業法務を提供している。国際業務を得意とし、日本語・英語の契約書をレビューする「契約審査サービス」や、「外国人雇用マネジメントサービス」「ビザ申請サービス」などを展開している。また、ECビジネス法務を強みとし、EC事業立上げ・利用規約・プライバシーポリシー・規制対応・販売促進・越境ECなどを一貫して支援する「EC・通販法務サービス」を運営している。著書「60分でわかる!ECビジネスのための法律 超入門


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