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2022年4月、東京証券取引所は市場区分を再編し、従来の1部・2部・マザーズ・JASDAQを「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再構築しました。
この変化は見かけ上の再編にとどまらず、企業の資本市場における位置づけを根本的に見直す実質的な構造改革です。
TOPIX(東証株価指数)の構成銘柄についても見直しが進められており、流動性の低い小型株は段階的に指数から除外される方向です。
こうした動きは、特に地方企業や老舗の中堅上場企業、そしてPBR1倍を下回る「割安評価」に置かれている企業にとって深刻な影響をもたらしています。
このため、上場を維持する意義やコストの再評価が各社で進み、MBO(経営陣による買収)やTOB(株式公開買付)といった「非上場化」や他社との経営統合が、単なる経営戦略ではなく「生存の選択肢」として現実味を帯びるようになってきています。
近年、上場企業を対象としたTOBやMBOの増加傾向が見られます。
背景には、資本市場におけるアクティビスト投資家の台頭や、PBRが低位にある企業に対する市場からの構造的な圧力の高まりがあります。
こうした動きは、経営層だけでなく、管理部門の現場にも直接的な影響を与えています。
財務モデルの再構築、株価評価の説明責任、財務デューデリ対応、IFRSとJ-GAAPの整合性の確保、決算開示の早期化などが求められ、監査法人との調整や社内資料の迅速な取りまとめが不可欠です。
買収提案が出た段階で、「キーマンのリテンション設計」「従業員向けQ&A」「株式報酬の取り扱い再検討」「従業員持株会対応」など、人事制度とインセンティブの再整理が必要になります。
統合先との制度すり合わせや、経営統合後のPMI(Post Merger Integration)も視野に入れた設計が求められます。
敵対的TOBに備えた防衛策の検討、大量保有報告制度やインサイダー管理体制の強化、対外的リスク説明資料のレビュー、企業価値毀損リスクの洗い出しなど、多方面での法的支援が求められます。
顧問弁護士やFA(ファイナンシャル・アドバイザー)との契約整備も喫緊の課題です。
市場評価と企業価値向上に向けた中長期戦略の立案、自己株式取得や配当政策の見直し、IR体制の再構築、ホワイトナイト戦略の策定など、社外との交渉も含めた「戦略の軸」が担われます。
IPOを目指す企業も、この市場再編やTOPIX構成見直しの影響を無視することはできません。
東証はIPO基準に加えて、上場維持基準(時価総額・売買高・流通株式比率など)に対する要件を厳格化しており、上場後にTOPIX構成から除外される可能性を常に抱えることになります。
これは、特に機関投資家の投資対象から外れることを意味し、長期的に株価が評価されにくいという「市場の壁」とも言える構造課題を引き起こします。
したがって、IPO準備フェーズにおいては以下のような対応が求められます。
一言でいえば、「上場すること」から「上場を持続できる体制づくり」への視点の転換が重要です。
アクティビストやファンドから届く「オファーレター」は、単なる脅威ではなく“市場からの提案”とも捉えられます。
無視することはIR・ガバナンス両面でのリスクとなり、企業として真摯に対応する体制整備が不可欠です。
オファーレター受領時には、以下のような動きが即時に求められます。
企業価値の算定や、PBR・ROEといった資本市場の指標は、いまや経理部門のみならず、人事・法務・経営企画など管理部門全体に関係するテーマとなっています。
たとえば人事部門では、人的資本経営や人的リスク開示への対応が企業の透明性向上に寄与しています。
経理部門では、統合報告書や非財務情報開示を通じて、投資家との対話の質を高めています。
これからの管理部門には、「自社の株価や資本市場を理解したうえで行動する」という視点が当たり前のスキルセットとして求められています。
こうした時代の変化を受けて、Manegyでは今後も同領域における情報を整理・発信していく予定です。
「経営は経営層だけのもの」ではありません。
変化の時代だからこそ、現場スタッフからマネージャー層まで、管理部門全体で学び合い、備えることが重要です。
Manegyは、その“対話の起点”となることを目指します。
▼筆者
藤江 眞之 & Manegy編集局
株式会社MS-Japan 取締役社長COO
上智大学経済学部卒。取締役管理本部長として2016年マザーズ上場、2017年東証一部市場変更を達成。
その後、事業統括のCOOとして人材事業、メディア事業の責任者を務める。2025年6月より社長就任。
オーストラリアのFQR社取締役、CVC投資委員も兼務。
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