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切手の勘定科目は「貯蔵品」?「通信費」?正しい仕訳と消費税・インボイス対応まで解説

公開日2025/07/20 更新日2025/07/18 ブックマーク数
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切手の勘定科目は「貯蔵品」?「通信費」?正しい仕訳と消費税・インボイス対応まで解説

業務で使用する目的で郵便切手を購入した場合、使用目的や保管状況によって、適切な勘定科目や仕訳方法が異なります。

本記事では、切手の会計処理に関して、勘定科目の使い分けや消費税の取扱い、インボイス制度の影響などを最新の制度に基づいて解説します。

[ 目次 ]

切手の勘定科目は?

切手の勘定科目は、購入時と使用時で異なります。

購入時の勘定科目は「貯蔵品」

切手を購入した時点では、まだ使用されていないため、会社の「資産」として計上します。
これは、企業会計の基本原則である「発生主義」に基づいた処理です。

未使用の切手は、他の資産と同様に価値を持つものと考えられるため、「貯蔵品」を使用します。

【仕訳例:郵便局で10,000円分の切手を購入】

借方 貸方
貯蔵品 10,000円 現金 10,000円

この処理により、資産の部に「貯蔵品」が計上され、会社の資産が増加します。
なお、他の消耗品と区別して管理するためには、「切手」などの補助科目を設定しておくと便利です。

使用時の勘定科目は「通信費」

切手は、実際に使用された時点で初めて費用として認識されます。
これは「費用収益対応の原則」に基づいた考え方であり、発生した費用を正しく収益と対応させるためです。

使用済みの切手については、「貯蔵品」から「通信費」へ振り替える形で仕訳を行います。

【仕訳例:84円切手を1枚使用】

借方 貸方
通信費 84円 貯蔵品 84円

このように、実際に使用された分のみを「通信費」として計上することで、未使用分は引き続き資産として管理できます。

「通信費」とは?勘定科目・仕訳・経費計上を徹底解説!

「租税公課」としない理由

切手の購入費用は、「租税公課」ではなく「通信費」で処理するのが正しい会計処理です。
「租税公課」は税金や公的な負担金に対して使う勘定科目であり、切手は郵便サービスに対する対価であって、税金ではないためです。

【誤った処理例】

借方 貸方
租税公課 10,000円 現金 10,000円

一方、租税公課で処理できるのは以下のようなものです。

  • 収入印紙(契約書に貼付するもの)
  • 登録免許税
  • 自動車税など法定の税金

切手は郵便料金であり、政府への納税ではないため、「租税公課」で処理するのは不適切です。

税務調査のチェックポイント8選|事前対策と調査官が狙うポイントを完全解説!

切手の消費税区分とインボイスへの影響

切手は、通常、郵便料金の支払手段として使用されるため、消費税法上は「非課税取引」に該当します。
これは、郵便局などの指定販売所で販売される切手が、郵便役務の提供に付随する「支払手段」として扱われているためです。
切手が非課税取引となる根拠は、消費税法第6条及び別表第二に規定されています。

コンビニや金券ショップでの購入は?

切手は、郵便局や指定販売所(多くのコンビニ)で購入する場合は非課税取引となりますが、購入先や販売者の属性によっては課税対象となることがあります。

販売者 消費税区分
郵便局・コンビニ 非課税
課税事業者(例:金券ショップ) 課税仕入れ(税率10%)

コンビニは、多くの場合「郵便切手類販売所」として指定されているため、非課税です。

参考:第4節 郵便切手類等及び物品切手等の譲渡関係|国税庁

課税・非課税の判断と仕訳例

切手が非課税取引になるか、課税取引になるかは、取引の内容によって判断されます。

取引内容 区分 理由
郵便料金支払用の切手 非課税 支払手段として使用するため
収集目的の切手
(額面超過販売)
課税 商品として販売されているため
未使用切手の売却
(額面以下)
非課税 支払手段の譲渡とみなされるため

【非課税仕訳例(郵便局で購入)】

借方 貸方
貯蔵品 1,000円 現金 1,000円

【課税仕訳例(コンビニで購入)】

借方 貸方
貯蔵品 1,100円
(税抜1,000+消費税100)
現金 1,100円

インボイス制度への影響

2023年10月に導入されたインボイス制度では、仕入税額控除を受けるために「適格請求書(インボイス)」の保存が義務化されました。

ただし、郵便局で購入した切手は非課税取引のため、インボイスの保存義務はありません。
受け取るレシートや領収書はインボイスではありませんが、法人税や所得税の証憑資料として保存することが推奨されます。

一方、コンビニや金券ショップなどの課税事業者から切手を購入する場合、その取引が課税仕入に該当する可能性があるため、インボイスの保存対象となることがあります。

そのため、販売者が「指定販売所」であるかどうかを確認することが、実務上非常に重要です。

証紙・収入印紙とは?切手との違いと勘定科目を整理

切手と似たような場面で使用されるものに、証紙や収入印紙があります。
見た目が似ていることから、勘定科目の選び方や消費税の扱いについて混同されやすいですが、使用目的や税法上の位置づけが大きく異なります。

証紙とは?

証紙は、裁判所や法務局、登記所などで手数料を支払うために使われる公的な納付手段です。
たとえば、登記申請や訴訟の申し立てなどで、必要書類に証紙を貼り付けることで支払いを行います。

企業で証紙を購入した場合、使用するまでの間は「証紙切手引受」という仮勘定で処理し、使用時に「租税公課」などの費用科目に振り替えます。

【仕訳例(証紙を購入)】

借方 貸方
証紙切手引受 30,000円 現金 30,000円

【使用時の振替例】

借方 貸方
租税公課 30,000円 証紙切手引受 30,000円

収入印紙とは?

収入印紙は、契約書や登記書類、領収書などに貼付し、印紙税の納付を行うためのものです。
こちらも証紙と同様に、郵便切手とはまったく異なる制度で運用されています。

収入印紙は印紙税法に基づく納税のため、会計上は「租税公課」で処理するのが原則です。

【仕訳例】

借方 貸方
租税公課 2,000円 現金 2,000円

領収書などで少額の印紙を貼る場合には、実務上「雑費」で処理されることもあります。
ただし、金額が大きい場合や税務リスクを考慮するなら、原則通り「租税公課」で処理することが望ましいです。

収入印紙の勘定科目と仕訳ルールを徹底解説|税務対応・電子契約にも対応

未使用切手の棚卸・仕訳方法

決算時点で未使用の切手がある場合、それを正確に把握して資産として再計上する必要があります。
これは、期間損益を適切に計上するための重要な手続きです。

未使用切手の仕訳方法

切手は本来、未使用であれば資産(貯蔵品)として処理すべきですが、実務では購入時に通信費として簡便的に処理されることがあります。
その場合、期中に通信費として計上していた切手のうち、未使用分を決算時に資産(貯蔵品)へ振り替える必要があります。

【仕訳例:期末時点で3,000円分の未使用切手がある場合】

借方 貸方
貯蔵品 3,000円 通信費 3,000円

この仕訳により、費用として処理済みだった未使用分を資産に戻す処理(振替)が行われます。
翌期首には、以下のように逆仕訳を行い再度費用化します。

借方 貸方
通信費 3,000円 貯蔵品 3,000円

未使用切手の在庫管理

切手を適切に管理するためには、Excelなどで在庫管理表を作成し、以下の項目を記録しておくと便利です。

  • 購入日
  • 額面・枚数
  • 用途・使用目的
  • 保管場所
  • 担当者(複数人で扱う場合は「管理番号」設定が有効)

特に決算期前には、月次や四半期単位での在庫確認・棚卸を行い、帳簿と現物を一致させることが重要です。

切手管理表

社内の切手の管理用にご利用ください。

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近年はメールや電子申請の普及により、切手の使用機会は減っていますが、契約書の郵送や公的書類の提出などで今なお使用される場面は多くあります。
無駄な在庫を抱えないよう、使用実績と照らして計画的に購入・管理することが大切です。

まとめ

切手の会計処理では、「購入時は貯蔵品、使用時は通信費」とするのが原則であり、誤って「租税公課」で処理しないことが重要です。
また、消費税の区分は購入先によって異なり、課税取引に該当する場合はインボイス対応も求められます。

用途に応じた勘定科目の適切な選定、棚卸による在庫管理、証憑書類の保存を徹底することで、会計の正確性を高め、税務リスクを回避することが可能です。


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