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税理士 伊藤 明弘
TKC全国会 中堅・大企業支援研究会会員
組織再編税制の実務は、頻繁にあるものではありません。いざ税務の手続きや申告を行おうとすると一とおり勉強したつもりでも手が止まってしまうことがあります。
本コラムでは、毎年、コンスタントに十数件の組織再編のスキーム立案や申告といった実務に携わってきた筆者が過去に手が止まってしまった項目を中心に解説いたします。
当コラムのポイント
組織再編は、M&Aやグループ内での経営資源の最適化等の局面で広く用いられています。一方で、会社単位で見たときには、頻繁にあることでなく、法人税等の取り扱いについて一通り勉強をしたつもりでもいざ手を動かそうとすると手が止まってしまうことがあります。このコラムでは、組織再編のうち手が止まりがちな論点をピックアップして解説いたします。
第1回目は、事業や資産負債を受け入れる側の法人(合併法人、分割承継法人、被現物出資法人、被現物分配法人。以下、合併法人等)の処理について解説いたします。
合併法人等が適格組織再編(適格合併、適格分割、適格現物出資、適格現物分配。以下同じ。)により受け入れた減価償却資産の取り扱いは以下のとおりです。
(1) 帳簿価額
合併法人等は適格組織再編により減価償却資産の移転を受けた場合、資産負債を移転する側の法人(被合併法人、分割法人、現物出資法人、現物分配法人。以下、被合併法人等)の帳簿価額をそのまま引き継ぎます。この帳簿価額は税務上の帳簿価額であり、税務上の帳簿価額以外の価額で会計上受け入れた場合には、その差額について以下のように申告調整を行う必要があります。なお、合併法人等は組織再編において、資産負債を取得する立場であり、通常の資産の取得と同様に取得時点では所得金額への影響はありません。
① 税務上の帳簿価額 > 会計上の帳簿価額
以下の金額を繰越償却超過額として受け入れます。この繰越償却超過額は、法人税別表5(1)のほか、別表16(1)、16(2)、16(4)の「前期から繰越額」の外書きとして記載する必要があります。
税務上の帳簿価額 - 会計上の帳簿価額
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