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税理士 伊藤 明弘
TKC全国会 中堅・大企業支援研究会会員
組織再編税制の実務は、頻繁にあるものではありません。いざ税務の手続きや申告を行おうとすると一とおり勉強したつもりでも手が止まってしまうことがあります。
本コラムでは、毎年、コンスタントに十数件の組織再編のスキーム立案や申告といった実務に携わってきた筆者が過去に手が止まってしまった項目を中心に解説いたします。
当コラムのポイント
組織再編は、M&Aやグループ内での経営資源の最適化等の局面で広く用いられています。一方で、会社単位で見たときには、頻繁にあることでなく、法人税等の取り扱いについて一通り勉強をしたつもりでもいざ手を動かそうとすると手が止まってしまうことがあります。このコラムでは、組織再編のうち手が止まりがちな論点をピックアップして解説いたします。
第2回目は、法人の一部の事業や資産負債を移転する法人(分割法人、現物出資法人、現物分配法人。以下、分割法人等)の取扱いについて解説いたします。
法人の一部の事業や資産負債を移転する適格組織再編である適格分割、適格現物出資、適格現物分配(以下、適格分割等)では、合併とは異なり組織再編の直前で事業年度を区切ることがないため、減価償却などの損金経理が要件になっている規定を適用して分割承継法人等(分割承継法人、被現物出資法人、被現物分配法人。以下同じ)に資産負債を引継ぐことができません。つまり、このような減価償却資産等は適格分割等を行った日の前事業年度末の帳簿価額により分割承継法人等に引継ぐことになっています。
この特例として期中損金経理に関する特例が設けられています。期中損金経理額の特例では、適格分割等の日以後2月以内に届出をすることで事業年度の途中でも損金経理をしたとみなして損金経理が要件になっている規定を適用することができます。また、分割承継法人等は、これらの規定を適用した後の資産負債の帳簿価額により引継ぎます。
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