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月次決算を担当する経理部門において、「特定の人にしかできない業務」が慢性化していませんか?
業務がブラックボックス化していると、担当者の退職・休職・長期休暇などをきっかけに、決算が遅延したり、業務が完全にストップするリスクさえあります。
これは単なる属人化ではなく、企業全体の経営判断や信頼性に影響を及ぼしかねない問題です。
本記事では、「月次決算の属人化」をテーマに、よくある課題とそのリスク、属人化が起こる背景、そして具体的な解消ステップまでを実務視点で整理します。
経理の現場にありがちな“その人にしかできない”状態を脱し、誰でも回せる業務体制をつくるためのヒントをお届けします。
経理業務の中でも、月次決算は専門性が高く、締め切りも厳しいため、「〇〇さんにしかできない」といった状態が起こりやすい業務です。
特に年次決算や税務申告と違い、毎月のルーティンとして定着している月次決算では、業務の内容が担当者の頭の中にだけ存在し、マニュアルも引き継ぎもないまま属人化が進行してしまうケースが少なくありません。
属人化された月次決算業務は、担当者が急に休んだだけで一気に回らなくなる危険性をはらんでいます。
特に、退職や産育休・介護休暇などの長期離脱が発生した場合、後任が業務の全貌を把握できず、決算が数日〜数週間遅れる事態にもなりかねません。
月次決算の遅れは、経営層への迅速なレポーティングを阻害し、意思決定の遅延につながります。
さらに、取引先や金融機関、監査法人など、社外関係者との信頼にも影響を及ぼす可能性があります。
特に上場企業やIPO準備中の企業にとっては、コンプライアンスや管理体制の不備とみなされるリスクもあります。
属人化が進む大きな要因のひとつが、「業務が見える化されていない」ことです。
月次決算においては、どの作業を誰が、いつ、どのように行っているのかがブラックボックス化しやすく、全体像を把握しているのが担当者一人だけという状況も珍しくありません。
これにより、他のメンバーがフォローしづらくなり、結果として属人化が固定化されていきます。
業務手順が文書化されておらず、「慣れている人がやるのが早いから」とマニュアル作成が後回しにされていることも、属人化の温床となります。
作業内容が明文化されていないために、万が一の引き継ぎやヘルプ体制が機能せず、「とにかく〇〇さんに聞かないとわからない」という状態が続いてしまいます。
「この人にしかできない」「この人だから任せられる」といった評価がされやすい経理の現場では、属人化がむしろ“頼りにされている証拠”として歓迎されてきた一面もあります。
こうした文化が長年続いていると、業務の標準化やチームでの協働よりも、個人の能力に頼る風土が根強く残ってしまいます。
経理部門は日々の伝票処理や締め作業、年末調整など、常に何かしらの業務に追われており、「業務改善」や「仕組み化」はどうしても後回しにされがちです。
改善の必要性は感じていても、日々の忙しさが“先延ばし”を正当化してしまい、結果的に属人化が是正される機会が失われていきます。
まず取り組むべきは、現在の月次決算業務の全体像を把握することです。
誰が、どの業務を、どのような流れで行っているのかを洗い出し、一覧表やフロー図に可視化します。
この「業務棚卸」によって、属人化している工程や、そもそも必要性の低い非効率な作業を発見することができます。
Excelや業務可視化ツールを活用することで、チーム全体での共有がしやすくなります。
業務の流れを明らかにしたら、それぞれの作業を担当者ベースで細分化し、実際の手順をマニュアルとして文書化します。
「○○という帳票をどのシステムで出力し、どのフォルダに保存するか」といったレベルまで具体的に記載することで、誰が見ても再現可能な状態にしておくことが重要です。
マニュアルは完璧を目指すよりも、“更新しやすさ”と“実用性”を重視し、まずは7割の完成度でもよいので運用をスタートさせましょう。
特定の人に業務が集中しないよう、決算業務の一部を別のメンバーにも経験させる「ローテーション体制」を設けます。
交代で作業を担当することで、自然とノウハウが分散され、急な欠員にも対応しやすくなります。
最初はWチェック体制から始め、徐々に担当交代を行うと、現場の心理的ハードルも下げられます。
属人化を防ぐためには、システムの力も欠かせません。
クラウド会計ソフトや経費精算ツールを導入することで、データが一元管理され、操作履歴や自動化された処理フローを誰でも確認できるようになります。
さらに、ツールに業務プロセスを合わせていくことで、自然と手順の標準化が進みます。
属人化の解消は一度で終わるものではなく、継続的な見直しが必要です。
毎月、もしくは四半期ごとに業務改善ミーティングを実施し、「この作業はなぜ必要か」「もっと簡略化できないか」を定期的に議論しましょう。
現場の声を取り入れながら改善を進めることで、チーム全体の業務品質と対応力が底上げされていきます。
属人化を解消する取り組みには、単なる仕組みづくりだけでなく、“人の気持ち”に向き合うことが欠かせません。
特に注意したいのが、「マニュアル化されたら自分の価値がなくなるのではないか」「仕事を奪われるのでは」といった現場の不安です。
長年、責任感を持って業務を担ってきた担当者ほど、自身のポジションが揺らぐことへの抵抗感が強くなりがちです。
このような不安に対しては、「仕事を減らす」のではなく、「チームとしてより高いレベルの仕事ができるようにする」という前向きなビジョンを丁寧に共有することが重要です。
属人化の解消は、決して特定の人のやり方や能力を否定するものではありません。
むしろ、個人に集中していたスキルや経験を「チームの財産」として広げ、全体の底上げにつなげる取り組みです。
そのためには、以下のようなコミュニケーションが有効です。
このように、属人化解消を「個人攻撃」ではなく「組織の進化」と捉え直すことで、現場の納得感が生まれ、スムーズな改善が進みやすくなります。
属人化の解消が進んだ企業では、業務が「人」ではなく「仕組み」で回る状態が実現されています。
たとえば、以前は特定の社員が毎月の決算資料を手作業でまとめていた企業が、マニュアル化とチーム体制の整備を進めたことで、誰が不在でも業務が滞らず、一定の品質で決算処理を完了できるようになりました。
このように、月次決算が“人について回る”状態から、“仕組みで回る”状態へと変化することで、組織としての対応力・持続性が大きく向上します。
ある中堅企業では、クラウド型の会計ソフトと経費精算ツールを導入し、経理業務を大幅に効率化しました。
従来は担当者が個別にエクセルで作業していた月次決算が、システム上でリアルタイムにデータ連携されるようになり、締め処理にかかる時間が平均3日短縮されたという成果が出ています。
ツール導入だけでなく、あわせて「入力ルールの標準化」「データ確認のWチェック体制」も整えたことで、属人化リスクが低下し、業務品質も安定しました。
属人化が解消されると、「誰かが急に休んでも対応できる」体制が構築されるため、経理部門におけるリスク管理が格段に強化されます。
ある企業では、決算業務の可視化とローテーション体制を導入したことで、特定の社員の長時間労働が減少し、有休取得率も向上。
これにより、経営層からの信頼も高まりました。
働き方改革が求められる中で、属人化の解消は経理部門にとって避けては通れない改革の一つといえます。
もう一つの成功例では、業務棚卸とマニュアル化によって担当者の作業時間が平均20%削減され、残業が減少。
空いた時間を使って、月次データの分析や予算差異の検証など、より付加価値の高い業務に取り組む時間を確保できるようになりました。
経理チームが「作業者」から「提案者」へと役割をシフトできたことで、現場からも「経理部が頼れる存在になった」と評価されるようになったといいます。
月次決算の属人化は、業務停止や決算遅延といった深刻なリスクを招きます。
業務棚卸やマニュアル化、ツール導入などを通じて「誰でも対応できる」体制を整えることで、経理業務の安定性と効率性が向上します。
属人化を解消することは、経理部門の働き方改革と組織全体の生産性向上にもつながります。
今こそ、自社の月次決算を見直すきっかけとして、本記事で紹介したステップを実践してみてはいかがでしょうか。
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