公開日 /-create_datetime-/
労働安全衛生規則の改正により、2025年6月1日より職場における熱中症対策が初めて義務化されました。これまでもガイドラインを策定するなどして企業の熱中症対策を推進してきましたが、夏場の暑さが常態化し熱中症による健康被害が増加傾向にあることが義務化の理由です。
本記事では、熱中症対策の義務化によって企業に求められる対応について解説します。熱中症リスクを評価するための「WBGT(暑さ指数)」の意味や義務化の内容なども紹介しますので、自社の熱中症対策の点検と改善に活かしてください。
熱中症対策が「義務化」されたのは、これまでの国や企業の熱中症対策が十分な効果を出せず、熱中症による健康被害が増加傾向にあるためです。
熱中症による健康被害の現状と改正の背景について解説します。
夏場の高温が常態化し、職場での熱中症による死傷者数は増加傾向にあります。
死亡者数は2022年から3年連続で30名超となり、2021年以前を大幅に上回りました。
死傷者数(休業4日以上または死亡)も2023年から2年連続で1,000名を超え、企業にも熱中症対策が求められるようになりました。
引用:「2024年(令和6年) 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」厚生労働省
これまでも、厚生労働省を中心に企業向けに熱中症対策のガイドラインを策定したり、熱中症予防キャンペーンを行ったりして職場における熱中症対策を推進してきました。
「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の実施(2017年から現在まで)
「職場における熱中症予防基本対策要綱」の策定と周知(2021年策定) など
ただし、ガイドラインなどは熱中症対策についての指針であり、企業に対する法的拘束力はありません。
具体的な対策も企業の自主性に委ねられているため、企業によって対策のレベルに大きな差があるのが現実です。
その結果、前述の通り熱中症による死傷者数は増加傾向にあります。
つまり、従来の取り組みは、熱中症対策として不十分であると言っていいでしょう。
また、労働安全衛生法第22条では、「高温による労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じる義務(安全配慮義務)」が定められていますが、熱中症の現状に対応した具体的な措置などは明示されていません。
熱中症のリスクを判断するには、気温だけでは不十分です。
気温が高くても、屋内作業で湿度が低ければ熱中症リスクは低下します。
逆に、気温が低めでも、湿度が高く屋外で直射日光にさらされながらの作業はリスクが高まるでしょう。
熱中症対策を適切に行うために、リスクを正確に評価できる客観的な指標が必要となります。
熱中症対策で客観的な指標として用いられるのが「WBGT(暑さ指数)」です。
気温だけでは評価できない要素の影響も加味することで、客観的かつ効果的な熱ストレス評価が可能です。
そのため、労働安全衛生規則の改正では、リスク評価の指標としてWBGTの活用が義務付けられています。
lockこの記事は会員限定記事です(残り3802文字)
会員の方はログインして続きをお読みいただけます。新規登録するとManegy内で使える1,600ポイントをプレゼント!またログインして記事を読んだり、アンケートに応えたりするとポイントが貯まって、豪華景品と交換できます!
2,000人の経営幹部に聞く!電子署名導入のメリットと懸念点を徹底解剖
社員と会社の両方が幸せになる生活サポートとは?
契約不適合責任とは?売買契約書で 注意すべきポイントについて
新型コロナウィルス問題と見直しておきたい契約条項
世界No.1の電子署名で業務効率化、コスト削減、セキュリティ強化を実現
【LegalOn Technologies調査レポート】法務業務担当者の4割が「生成AIを業務で活用」と回答。
電子帳簿保存法に対応した書類の保存場所とは?
【社労士執筆】熱中症対策の義務化で何が変わる?WBGT(暑さ指数)基準と企業の対応を徹底解説
従業員満足度を高めるには? 調査のやり方・分析手順・施策の優先度
中小企業のためのコンプライアンス研修の始め方 中小企業におけるコンプライアンスの意義
成功事例に学ぶ!電子署名を活用したDX戦略とは
【新卒エンジニア育成】入社1年で8割が一人前!サイバーエージェントの新入社員育成
海外法人との取引を成功させる!英文契約の基礎知識
アフターコロナの採用戦略とコスト最適化
これなら先方も納得!取引先と請求書電子化をスムーズに進める3つのコツとは?
ガバナンス改革とは?管理部門が取るべきアクションプランを徹底解説
職場環境の改善を後押しする「働き方改革推進支援助成金」について中小企業診断士が分かりやすく解説
【2025年最新】経理業務の効率化ロードマップ|明日からできる改善アイデアとDXツールを徹底解説
人事制度運用とは?導入時のポイントや注意点を解説
ハラハラ(ハラスメント・ハラスメント)とは?メリットやデメリット、具体的な取り組み事例やポイントを紹介
公開日 /-create_datetime-/