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【5ステップで実現】決算早期化ロードマップ|経理のDXで業務を変える方法を徹底解説

公開日2025/09/06 更新日2025/09/05 ブックマーク数
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決算業務を効率化する4つの方法は?効率化によるメリットと合わせて解説

月末月初になると、経理部門は請求書の回収や仕訳入力に追われ、数字が固まるのはいつもギリギリ──。
その間、経営層からは「業績はどうなっている?」と催促が飛び交い、担当者は疲弊しがちです。
こうした「決算業務の遅さ」は、単なる作業効率の問題にとどまらず、経営判断のスピードや企業の信頼性にも影響を与えます。
そこで注目されているのが「決算早期化」。
ただ締めを早めるだけでなく、経理部門が戦略的な役割を果たすための第一歩です。

本記事では、決算早期化の意味やメリットを整理しつつ、具体的にどのようなステップで取り組めばよいかをわかりやすく解説します。
「毎月の決算に追われる状況を変えたい」「もっと経営に役立つ数字を出したい」と考えている方は、まずこの記事を参考に、明日からできる改善の一歩を踏み出してみましょう。

[ 目次 ]

なぜ今、決算早期化が経営の最重要課題なのか?

企業を取り巻く環境は、かつてないほど変化のスピードを増しています。
市場の動向、為替や金利の変化、さらにはAIやDXによる競争環境のシフト──こうした変化に即応するには、「正確な数字をいち早く把握すること」が経営に直結します。
つまり、決算早期化は単なる業務効率化ではなく、企業の意思決定スピードと信頼性を高める“経営課題”なのです。

決算早期化とは

「決算早期化」というと、単に締め作業を急ぐことだと誤解されがちです。
実際には、業務プロセスの標準化・自動化を進め、属人化をなくし、経営判断に必要な情報を適時に提供できる体制を築くことを意味します。
言い換えれば、経理部門が“数字を出す部署”から“企業の未来を描く戦略部署”へと進化するための取り組みです。

メリット①:経営判断のスピードと質が上がる

決算が早期化されると、経営層はリアルタイムに近い業績データをもとに意思決定できます。
たとえば、投資の是非、新規事業からの撤退判断、資金繰りの調整など、スピードが勝敗を分ける場面は少なくありません。
数字を“待つ”のではなく“活用する”経営に切り替えられることが、最大のメリットといえるでしょう。

メリット②:資金調達・IR活動での信頼性が向上する

金融機関や投資家は、スピーディかつ正確な情報開示を行う企業を高く評価します。
決算が早く締まることは「内部統制が整っている」「経営の透明性が高い」というシグナルになり、資金調達やIR活動の場面で信頼性を大きく高めます。
特にIPO準備企業にとって、決算早期化は監査対応や上場審査を乗り越えるための必須条件といえるでしょう。

メリット③:経理部門の生産性が上がりと属人化の解消につながる

決算業務が長期化する背景には、手作業や属人化したプロセスが多く存在します。
早期化の取り組みは、これらを見直し、標準化・自動化する絶好の機会になります。
結果として、経理担当者は残業から解放され、数字を“作る”業務から“分析・提案する”業務へシフト可能に。
働き方改革や人材定着にもつながり、部門全体の生産性を底上げします。

あなたの会社はどのレベル?決算早期化の目標設定(ベンチマーク)

「決算早期化を進めたい」と思っても、そもそもどの水準を目標にすべきか分からなければ動き出せません。
ここでは、一般的に企業が目指すべきベンチマークを示します。
自社の現状と照らし合わせて、まずは到達可能なレベルから取り組んでみましょう。

【月次決算】目指すべきは「5営業日以内」

多くの企業では、月次決算の締めに10日以上かかっているのが実情です。
しかし、経営判断にスピードが求められる現在、「5営業日以内」で月次決算を締めるのが理想的とされています。

  • 現状:10営業日前後で締め → 翌月中旬に数字が出る
  • 目標:5営業日以内で締め → 翌週には報告できる

このレベルを実現できれば、経営層が即座に施策を検討でき、資金繰りやコスト調整の精度も大幅に高まります。

【四半期決算】上場企業レベルの「30日以内」

上場企業の場合、四半期決算は金融商品取引法に基づき、「決算日から45日以内」に開示することが求められています。
ただしグローバル企業や先進的な国内企業は、「30日以内」での開示を目標としています。

  • 現状:法定期限ギリギリの45日程度
  • 目標:30日以内に数字を固め、監査法人とのやり取りもスムーズになる

このレベルに到達すると、投資家や金融機関からの信頼度が高まり、資金調達や株価へのプラス効果も期待できます。

【年度決算】「45日以内」の壁を超えるために

年度決算は監査対応や開示資料の準備が加わるため、どうしても長期化しやすい業務です。
しかし、グローバルスタンダードでは「45日以内」での開示が一般的。
米国上場企業では「60日ルール」からさらに短縮が進んでおり、日本企業も国際競争力を維持するために短期化が求められています。

  • 現状:2〜3か月かかるケースも多い
  • 目標:45日以内に監査法人の承認を得て開示する

この壁を超えられるかどうかが、企業の開示体制・内部統制の成熟度を測る試金石となります。

【5ステップで実践】決算早期化を実現するロードマップ

決算早期化は、一気に実現できるものではありません。
ポイントは「現状の見える化」から始め、標準化 → 自動化 → 体制強化 → 継続改善 という流れで進めることです。
ここでは5つのステップに沿って、実務で取り組む際の具体的な方法を解説します。

ステップ①:現状業務の「見える化」し、ボトルネックを特定する

  • 伝票処理のタイミング
  • 請求書や領収書の回収プロセス
  • 部門ごとの報告・承認フロー
  • 手作業で行われている集計やチェック

これらを整理すると、「請求書の提出が遅い」「営業部門からのデータが遅れる」「Excelでの手作業が重複している」など、ボトルネックが明確になります。
改善の出発点は、現状を“見える化”し、時間のかかっている作業を特定することです。

ステップ②:業務プロセスの「標準化・単純化」

  • 業務マニュアルを整備してブラックボックス化を解消
  • 不要な二重チェックや承認プロセスを削減
  • 入力フォーマットや伝票ルールを統一

シンプルな流れを作ることで、作業時間が短縮されるだけでなく、急な人員入れ替えにも対応できるようになります。

ステップ③:IT・DXツールの導入による「自動化」

  • クラウド会計ソフト:銀行口座や請求書データと自動連携
  • RPA:仕訳入力や繰り返し作業を自動処理
  • AI-OCR:紙の請求書や領収書を自動データ化
  • ワークフローシステム:承認プロセスを電子化・可視化

こうしたツールを組み合わせることで、「人が待つ」「探す」「転記する」といったムダを大幅に削減できます。
投資コスト以上に、工数削減やスピードアップの効果が得られるケースが多いのも特徴です。

ステップ④:決算体制の強化(人材育成・スキル標準化)

  • ITリテラシー(会計システム・RPAの活用力)
  • 業務改善スキル(ボトルネックを見つけ、仕組み化する力)
  • 分析・説明力(数字を経営にわかりやすく伝える力)

社内研修や外部セミナーの活用に加え、ジョブローテーションで経験の幅を広げることも有効です。
「誰が抜けても業務が止まらない」体制を築くことが、決算早期化を持続させる鍵となります。

ステップ⑤:継続的な改善(PDCAサイクル)

  • 「どの業務に遅れが出たか」を分析
  • 改善施策を決め、次回以降に反映
  • 改善効果を測定し、さらに修正

この仕組みを根付かせることで、決算は年々スピードアップし、経理部門の成熟度も高まっていきます。

【企業規模別】決算早期化の成功事例

決算早期化は、企業の規模や状況によってアプローチが異なります。
ここでは、大企業・IPO準備企業・中小企業の3つのケースを取り上げ、それぞれがどのように成功したのかを紹介します。
自社の状況に近い事例を参考にしてみましょう。

大企業(上場企業)の事例:グループ全体の決算を5日短縮できた

ある上場企業グループでは、子会社ごとに異なるシステムを利用していたため、連結決算に膨大な時間がかかっていました。
そこで、会計システムを統一し、グループ全体のデータ連携を自動化。さらに、各社の決算プロセスを標準化した結果、連結決算のスケジュールを従来より5日短縮することに成功しました。
経営層はより早く業績を把握できるようになり、投資判断や経営戦略の立案スピードが格段に向上しました。

IPO準備企業の事例:監査法人と連携し、上場レベルの体制を構築できた

IPOを目指す企業にとって、決算の正確性とスピードは監査法人から厳しくチェックされます。
あるベンチャー企業では、早期から監査法人と協議し、月次決算の精度を高める体制を整備しました。
具体的には、証憑の電子化、内部統制フローの構築、監査法人との事前レビューを徹底。
結果として、上場基準を満たす水準で月次決算を早期化でき、IPO審査をスムーズに進められました。
この取り組みにより、投資家や金融機関からの信頼も向上し、資金調達の成功にも直結しました。

中小企業の事例:クラウド会計導入で、社長が翌月すぐ業績を把握可能に

人員が限られる中小企業では、決算業務の負担が特定の担当者に集中しがちです。
ある中小企業では、クラウド会計ソフトを導入し、銀行口座や請求書データを自動連携することで、仕訳作業を大幅に削減しました。
その結果、従来は翌月末にならないと数字が出せなかったのが、翌月初には社長が業績を確認できる体制に。
経営判断のスピードが増し、資金繰りや投資計画の意思決定が迅速に行えるようになりました。

決算早期化に関するよくある質問(FAQ)

決算早期化に取り組む際、多くの企業で共通する疑問や不安があります。
ここでは、現場からよく寄せられる質問にQ&A形式で答えます。

Q.決算早期化で、一番効果が出やすいのはどの業務ですか?

A. 請求書処理や仕訳入力などの「定型業務」が最も効果を発揮します。
請求書や領収書の回収・入力は、決算全体の遅延要因になりやすい工程です。
AI-OCRやクラウド会計ソフトを導入して自動化すれば、数日単位でスピードを短縮できます。
まずはこの領域から取り組むと、早期に成果を感じやすいでしょう。

Q. 現場の従業員(営業など)の協力がなかなか得られません。

A. 「経理のため」ではなく「全社の経営スピードのため」と伝えることが重要です。
営業部門にとって、経費精算や売上報告はつい後回しにされがちです。
そこで、経理から「早く出してほしい」とお願いするのではなく、「データが早く集まれば会社全体の意思決定が早くなる」と経営メリットを共有しましょう。
また、入力負担を減らすためにモバイル経費精算アプリを導入するなど、協力しやすい仕組みづくりも有効です。

Q. 早期化することで、逆にミスが増えるのが心配です。

A. スピードと正確性は両立可能です。
属人化や手作業を残したまま短縮しようとするとミスが増えますが、標準化・自動化・チェック体制の明確化を進めることで、かえってミスは減ります。
たとえば、二重チェックを減らす代わりにシステム上で自動照合を行うことで、スピードアップと精度向上を同時に実現できます。

Q. 月次決算の早期化だけでも取り組む価値はありますか?

A. あります。むしろ最初の一歩として最適です。
年度決算や四半期決算の早期化は監査対応や開示資料の準備がありハードルが高めですが、月次決算は社内改善だけで取り組める領域です。
「5営業日以内」の早期化を目標にすると、経営層にとっても迅速な経営判断が可能になりますし、年度決算の短縮にも自然とつながっていきます。

まとめ|決算早期化は、経理部門が主導する「経営改革」である

決算早期化は、単に経理の作業スピードを上げるための取り組みではありません。
経営層がより早く、より正確に状況を把握できるようになることで、企業全体の意思決定スピードが飛躍的に高まります。
これは、激しい市場競争を勝ち抜くための大きな武器となります。
経理部門は、これまで「数字をまとめる部門」と見られがちでした。
しかし、業務プロセスの標準化やDXツールの導入をリードし、社内の情報を最も早く正確に扱う立場にあるからこそ、「経営改革の司令塔」となれるのです。
決算早期化に取り組むことは、働き方改革や属人化解消といった部門内の改善にとどまらず、企業の信頼性や資金調達力、成長戦略の推進力に直結します。
まずは、自社の決算業務を「見える化」し、どこに改善の余地があるかを確認することから始めてみましょう。
小さな一歩が、やがて経営全体を変える大きな改革につながります。

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