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経済産業省が警鐘を鳴らした2025年の崖が、いよいよ現実的な経営課題として迫っています。
老朽化したレガシーシステムに頼り続けた場合、年間12兆円もの経済的損失が生じる可能性があるとの警告です。
レガシーシステムがもたらすリスクには、特に経理部門の業務を根底から揺るがしかねない危険が潜んでいます。
そこで今回は、2025年の崖を乗り越えるためのアクションプランについて解説します。
2025年の崖を要約すると、①既存システムのブラックボックス化という問題によって、②年間12兆円という巨大な経済損失リスクが生じる可能性がある、ということです。
経済産業省の「DXレポート」によれば、多くの企業がブラックボックス化したレガシーシステムに依存しているために、業務停止や機会損失などのリスクを抱えています。
そして、レガシーシステムの問題を克服するためのDX推進が不十分な場合は、2025年以降、年間最大で12兆円の経済損失が発生する可能性が指摘されました。
システムの担当者しか知らない情報やノウハウが蓄積され続けると、システムの属人化やブラックボックス化が進行します。
その結果、担当者が退職して不在になった場合は、もう誰もシステムに触れて修復することができないため、業務を停止せざるを得ないというリスクが発生するのです。
企業活動に必要な各種データがレガシーシステムによって分断されている場合、機会損失のリスクがあります。
たとえば、会計データと販売データが分断されている場合、リアルタイムな業績把握ができないことから、経営判断が遅れて適切な機会を逃す可能性があります。
また、レガシーシステムに依存して新しいデジタル技術を導入しなかった場合は、時代の変化に対応できずに、ビジネスチャンスや競争力を喪失するリスクがあるのです。
情報セキュリティに脆弱性を抱えたレガシーシステムを使い続けた場合、情報漏洩やコンプライアンスなどの問題が生じるリスクがあります。
具体的には、老朽化したシステムが最新のサイバー攻撃に対応できずに、企業の信頼を揺るがすような情報漏洩が発生する危険があるのです。
また、システムの老朽化が原因で個人情報を流出して関連法規に違反するなど、コンプライアンスの観点からも問題が生じる可能性があります。
経理部門において2025年の岸を乗り越えるための、具体的なアクションプランをご紹介します。
DXを促進して崖を乗り越えるために重要なのは、業務プロセスとIT資産の「見える化」を図ることです。
業務プロセスの見える化とは、業務プロセスを進めるために担当者の勘や経験に頼るのではなく、熟練者の技術をできる限り可視化・客観化して共有可能なデータに落とし込むことです。
IT資産の見える化とは、システム構成やライセンスの使用状況など、既存のITシステムを網羅歴に把握する作業です。
経理部門において上記の見える化を達成するためのコツは、既存の経理業務のフロー、利用しているシステム、Excelファイルなどを棚卸し、課題を洗い出すことといえます。
DXを推進するための目標を設定する場合は、全社的な目標ではなく、経理部門として達成できるような、具体的な目標を設定することが大切です。
また、たとえばクラウド会計システムの導入を達成するなど、負担が少なく効果を得やすい計画からスタートする、スモールスタートの手法を活用することをおすすめします。
一度に全てを変革するのは簡単ではありませんが、小さ成功体験を積み重ねていけば、無理なく段階的にDXを推進できるからです。
2025年の崖対策に有効なITツールの種類として、クラウド会計・AI-OCR・RPAなどがあります。
クラウド会計が有効な理由は、老朽化が進んだシステムをクラウド型に移行することで、既存のレガシーシステムからの脱却を図れるからです。
次に、画像等から文字を読み取ってテキストに変換するAI-OCRは、業務の効率化やペーパーレス化を促進する点で、企業のDX化を達成する有効な手段といえます。
また、データ入力等、従来は人間が行っていたPC業務をソフトが代行するRPAは、業務を効率化させるだけでなく、システムの自動化と連携にも役立つ技術です。
新しいツールを導入しただけでは、DX化に成功したとはいえません。
ツールに合わせて業務フローを最適化することは、DX化を達成するための重要なプロセスです。
たとえば、AI-OCRを導入してペーパーレス化を促進した場合は、従来は紙媒体で行っていた承認フローについてもペーパーレス化すれば、業務フローの改善に成功したといえます。
DX化を成功させる鍵である人活用について、経理担当者のリスキングを題材に解説します。
従来人間が行ってきた業務の多くについて、AIに代替される時代がやってきました。
そのような新しい時代においてDX化を成功させるコツは、人間にしかできない業務に特化した対策を構築することです。
具体的には、以下のような業務において、人間が尽力することが期待されます。
創造的な業務:新しいアイデアを考えたり、独創的なビジネスモデルを創出するなど、想像力や発想力が要求される業務
対人力や共感力:顧客に対する営業活動や従業員のメンタルケアなど、コミュニケーション力や共感力を必要とする業務
リーダーシップ:戦略的な意思決定を行ったり、企業の変革を牽引したりなど、リーダーシップを必要とする業務
2025年の崖の問題を提起として、これからの時代の経理に求められるスキルは、以下の3つに要約できます。
データ分析力:経理に関する各種データを分析したうえで、分析結果から得られたインサイトを経営層に分かりやすく伝える
経営企画能力:経理の分野だけでなく、企業のビジネスモデル全体を俯瞰したうえで、総合的な経営戦略の立案・提案を行う
ITリテラシー:AIやクラウドなどのIT関連の新技術を理解・活用し、経理業務のデジタル化や効率化に繋げられる能力
DXを効果的に推進するには、会社が社員に学びの機会やキャリアパスを提供することも、重要なポイントです。
新しい時代に対応するために、経理部門において会社が提供すべき学びの機会やキャリアパスとして、以下の方法が考えられます。
AIやRPAなど、経理業務の効率化に役立つデジタル技術の知識を高める研修を行う
データ分析ツールの導入や使用法についての研修を実施し、経営層の意思決定をサポートできる人材を育成する
企画部門やIT部門等と連携することで、経理の分野だけでなく、より総合的・戦略的な視点を持ったキャリア形成を行う
2025年の崖に関するよくある質問について回答します。
SAPの2027年問題とは、多くの企業が導入している基幹システムであるSAPの標準サポートが2027年末で終了することから、企業がSAPに代わる次世代システムへの移行を迫られているという問題です。
2025年の崖を引き起こす要因の一つが基幹システムである点において、基幹システムの問題であるSAPの2027年問題は、2025年の崖との関連性が高いといえます。
DXを進めるにあたっては、IT関連の技術の導入や改善が重要なことから、ITに詳しい人材がいるほうが望ましいといえます。
中小企業でITに詳しい人材がいない場合は、DX関連のサービスを提供する外部の専門家と連携する方法が考えられます。
また、先にご紹介したクラウド会計を導入するなど、簡単な部分から手を付けていくスモールスタートの方法もおすすめです。
システム投資に経営層が消極的な場合、経営層をいかに説得するかがポイントです。
経営層を説得するためのポイントとして、以下の方法があります。
2025年の崖を乗り越えるポイントの一つは、DXを達成することです。
経済産業庁が選定した「DX銘柄2025」は、日本の産業においてDXを達成した模範的な企業が紹介されています。
同選定を手がかりに、実際の企業の成功事例として、以下の2つをご紹介します。
業務の種類 | 抱えていた問題 | 解決に用いた手法 | 改善した内容 |
---|---|---|---|
運送業 | 不規則な勤務時間等を理由とする、労務管理の煩雑さ | 労務管理のアプリ化 |
・労務管理の作業負担の軽減 ・労務データ共有の迅速化 |
製造業 | 下着類について接客する際のストレスや抵抗 | AI接客を導入 |
・ストレスフリーな接客体験の提供 ・新規顧客の獲得 |
「2025年の崖」は、レガシーシステムを放置すれば経営を揺るがしかねない深刻なリスクがあることを警告しています。
その一方、2025年の崖を乗り越えるためにDX化を促進することは、経理部門が旧態依然とした業務から脱却し、データを活用して経営を支える戦略的部門に進化するための、絶好の機会でもあります。
今回ご紹介したクラウド会計などのツールや、スモールスタートなどの手法を活用し、経理が企業変革の主役になるチャンスを獲得しましょう。
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