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旬刊『経理情報』2025年11月1日号(通巻No.1758)情報ダイジェスト②

公開日2025/11/02 更新日2025/10/31 ブックマーク数
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旬刊『経理情報』2025年11月1日号(通巻No.1758)情報ダイジェスト②

目次本記事の内容

  1. 【会計】のれんの非償却について、監査人の意見を聴取─ASBJ・のれん非償却公聴会
  2. 〈旬刊『経理情報』電子版のご案内〉

【会計】のれんの非償却について、監査人の意見を聴取─ASBJ・のれん非償却公聴会

去る10月7日、企業会計基準委員会は、第557回企業会計基準委員会(第4回「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関する公聴会)を開催した。
「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関して、監査人から意見を聴取した。
次の監査人が説明を行った。

    ・阿部博氏(有限責任 あずさ監査法人 パートナー)
    ・齊藤直人氏(EY新日本有限責任監査法人 パートナー)
    ・東川裕樹氏(有限責任監査法人トーマツ パートナー)
    ・加藤正英氏(PwC Japan有限責任監査法人 パートナー)

■のれんの非償却

説明者からは、のれんの非償却について、それぞれ私見としながらも、「のれんの償却・非償却どちらの会計モデルにおいても監査可能であり、双方の会計モデルにメリット・デメリットがあることから、企業が選択した会計基準に基づき財務諸表が適切に作成されていることを保証する会計監査人の立場としては、改正の是非については中立的」(東川氏・加藤氏)、「日本基準にて非償却を導入する場合、会計監査人としては、資本市場の信頼性を確保し、質の高い監査の提供にコミットする観点からは、現状の日本の実務を踏まえて慎重に検討することが必要」(阿部氏)との説明がされた。
また、非償却とする場合の問題点について、「企業結合会計基準・減損会計基準の改正とセットで対応する必要があり、慎重な検討が必要である」(東川氏・加藤氏)、「特に未公開企業を含めた新興企業は、大企業と比べて内部管理体制の整備が遅れていることが多く、適切な減損テストを実施することができないことが想定される」(阿部氏)、「非償却になると、PPAや減損テストのコスト増が想定されたり、割引率の設定が重要な論点になるが、これまで国際的にIFRSやUSGAAPの適用企業、日本のIFRS採用企業でも実施されており、日本基準適用企業だからできないということはないのではないか」(齊藤氏)といった説明がされた。

■償却と非償却の選択制

償却と非償却の選択制の是非については、「企業間の比較可能性を損なう可能性があり、選択後、継続して適用することを前提としても、企業による恣意的な選択となる可能性がある」(阿部氏)など、反対意見が聞かれた一方、「USGAAPやIFRSでもあるように、未上場企業などについて、のれんの減損テストの実務上の負担を避けるために、未上場会社における償却・⾮償却の選択適用の導⼊は検討の余地があるのではないか」(齊藤氏)との意見もあった。

■計上区分の変更

のれん償却費の計上区分の変更については、「PPAを通じて配分された買収対価は、有形固定資産や無形資産の償却を通じて営業費用に計上される。また、のれん償却費も買収対価の一部の費用化であり、販売費及び一般管理費が適切である。よって改正は支持しない」(東川氏・加藤氏)、「会計監査人の立場としては、コメントする立場にはない」(阿部氏)との意見が聞かれた。

■委員との質疑応答

委員から、スタートアップ企業がのれん非償却を求めていることについて「スタートアップ企業の置かれている現状を、現行の日本基準は捉え切れていないということか」との質問があった。これに対し、スタートアップの監査に携わっている説明者から、「日本基準でも支障はない」(阿部氏)、「日本の会計基準がスタートアップに不利とは思わない。日本基準に限らず、収益化に時間のかかるビジネスや新規のビジネスを当てはめるのに困難性はある」(齊藤氏)との回答があった。
また、「非償却を全面的に導入した場合、監査人や企業の担当者、外部専門家の質や数は足りるのか」との委員からの質問に、説明者から、「現状は足りていないが、制度化されて増えていくのでは」(阿部氏)、「拡充する努力は必要」(齊藤氏)との回答があった。

次回(10月20日予定)は、利用者から意見を聴取する予定。

〈旬刊『経理情報』電子版のご案内〉

本記事は、旬刊誌『経理情報』に掲載している「情報ダイジェスト」より抜粋しています。
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