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サービス提供開始から10年を迎えるSmartHRは、単なる人事労務の効率化ツールから、人的資本経営やタレントマネジメント機能の提供を通じて、現場の「業務から戦略」への転換を支えてきました。
本記事では、代表取締役CEO・芹澤雅人氏に10年間にわたる事業進化の軌跡と、これからの管理部門の新たな課題やキャリア変革への展望を伺いました。
現場目線×経営視点で語られる“人事DX”の最前線とは——。
芹澤 雅人 氏
株式会社SmartHR
代表取締役CEO
――最初に芹澤さんのご経歴を教えてください。
芹澤氏:私は元々エンジニアとしてキャリアをスタートしました。
最初は別の会社に入社して、エンジニアリングの面白さやスタートアップ文化に触れました。
その後、とあるイベントで「SmartHR」というサービスの存在を知り、ピッチを通じてこのサービスの斬新さと、開発している人たちの熱気がプロダクトに乗っている雰囲気が印象的で、私も参画したいと感じたことが弊社への入社のきっかけです。
2016年2月に弊社にジョインし、サービスリリースの間もない段階からサービスと組織の両方の成長に携わることができました。
――エンジニアから代表取締役に転身した経緯について、お聞かせいただけますか。
芹澤氏:当時は社員3名という小さな組織でした。そこで様々なことに挑みながら、前任の代表取締役で2022年に退任した宮田さん(現:Nstock株式会社 代表取締役)と共に組織と事業を拡大してきました。
僕自身、特別に経営者志向があったわけではありませんが、会社のカルチャーやサービスのアイデンティティーを大切に継承する観点で、初期メンバーとして代表を引き受けることにしました。
今も開発の現場で感じた課題や経験を基に、意思決定や事業推進を行っています。
――2025年11月でサービス開始から10年が経過しようとしています。これまでどのような変化と成長がありましたか?
芹澤氏:ちょうどサービスがリリースされたのは「働き方改革」が社会的なキーワードになった時代でした。
多くの企業が業務の効率化に取り組み始める中、クラウドサービスのSmartHRも人事労務の業務効率化に目を向ける企業様を中心に受け入れられていきました。
最初の数年はとにかく“業務効率化”という課題に正面から挑んでいたと思います。
その後、社会全体が「人的資本経営」や「組織をいかに活性化するか」という次のフェーズに移行して行く中で取り組むべき課題が変わっていきました。

SmartHRも単なるオペレーションの効率化ツールから、組織や人材の情報を最大限に活用し、「人や組織に投資し成長を促すサービス」へと進化することが求められ、今まさにその過程にいます。
――具体的に管理部門のユーザーから、どのような反響や課題が寄せられていますか。
芹澤氏:人的資本管理やタレントマネジメント機能などが注目されるようになってきました。
一方で、日常業務に追われる現場担当者が「目の前の作業をなくせない」「やりたくてもリソースが不足している」といった理想と現実のギャップがあることもご意見としていただきます。
私たちの役割は、単純作業をとことん減らし、現場が本来注力すべき“戦略的な人的資本活用”の余白をつくることだと認識しています。
――組織づくりで、最も苦労されたことは何ですか。
芹澤氏:「成長し続けるカルチャー」の維持・醸成です。
会社が大きくなるにつれて、意思決定のスピードや情報共有のあり方が変わり、多様化が進みます。
それでも、現場で得た課題感をプロダクトや経営に落とし込み、みんなが納得して前に進める文化を大切にしてきました。
現場の声を拾ってサービス開発に反映し、変化を受け入れ続けることが最良の“挑戦”だと考えています。
――AIなど最新技術が普及する中、テクノロジーにより、仕事を奪われるという危機感もあると思います。人事に携わる人は何に取り組むべきだと考えますか?
芹澤氏:人事業務の中でも、勤怠管理や給与計算の前後にある工程、例えばデータの同期や従業員からの問い合わせ対応といった業務は、AI等のテクノロジーで効率化・自動化されていくと考えています。
一方で、社員の動機付けや育成、それに紐づく1on1面談のような人との対話や信頼の醸成は、これからも人間にしかできない領域として残りますし、より一層重要になっていくと思います。
AIによるコーチングやサジェストも期待されますが、「誰に言われたか」「信じられる相手であるか」という要素は、人間である以上は今後も重要で、容易に代替されるものではないと思っています。
――管理部門、特に「人事」について、今後、どのような役割が求められるとお考えでしょうか。
芹澤氏:営業やマーケティングは10年以上前からDX(デジタル化・自動化)が急速に進み、一人あたりの生産性が格段に向上しました。
一方で、バックオフィスや人事のDXは道半ばで、現場では非効率な作業がまだまだ存在しています。
この状況は、経営者が生産性を高めることに関心を持つだけではなく、当事者として業務に携わる方々ご自身も自分の仕事の生産性を向上し、価値を高める意識を持つ必要があると考えています。
「この作業や入力は人がやらなくていい」という認識を、経営にも現場にも浸透させて、いかにルーティン業務から“戦略的な人材活用”に社員の時間を投資できるかが重要です。
管理部門が事業成長にダイレクトに貢献できるような環境・マインドセットへの転換が、真のDXだと思います。
――HRBP(HRビジネスパートナー)や人事責任者の役割が変化する中で、どのような人材育成が求められていると感じていらっしゃいますか。
芹澤氏:従来の人事はオペレーションのプロでしたが、今後は事業サイドでの視点や経営感覚が求められる局面が増えています。
最近ではHRBPのような“事業部門のミニ経営者”的な人材登用も加速しており、人事畑だけでなく、営業や経営企画出身の方がCHRO(最高人事責任者)など中核ポストに就くケースも増加しています。
日本の大手企業では、部署を超えた異動を通じて多様な知見と人材を育てる文化もあります。これは本人の適性を見抜き、事業と現場双方に強い人材を育む仕組みだと感じています。
人事領域で経験を積み上げて行く方も、経営に関わるポジションを目指すのであれば人事のプロとしてだけでなく、事業や経営全体を俯瞰できる視野が不可欠です。
――10周年を迎えた今、SmartHRが目指すこれからの展望をお聞かせください。
芹澤氏:引き続き人事労務分野には軸足を置きながら、情報システムやバックオフィス全体の業務効率化も視野に入れています。
また、「業務システムがワクワクする存在になる」ことも重要テーマです。

従来の業務系ソフトは“使いたい”ではなく“使わざるを得ない”存在でした。
私たちのSmartHRは、業務系ソフトを“使いたい”プロダクトへと進化させ、多様な企業の人事・管理部門がポジティブに仕事へ向き合える世界を作りたい。
特に大企業の基幹システム領域はまだまだ改革の余地が大きく、SmartHRのサービスモデルで日本企業全体の業務変革をけん引していきたいと考えています。
――最後に、管理部門・人事担当の皆さんへメッセージをお願いします。
芹澤氏:まずは日常業務の中のルーティンワークを一つでも効率化・自動化することに取り組んでいただきたいです。
そして、そこから生まれた余力で、戦略的な人材開発や部門横断の価値創出にチャレンジしていただきたい。
人にしかできない、創造性のある支援に取り組んで欲しいです。
そのためにも、積極的にテクノロジーを活用して、人間でなければできないことにリソースを割いていただけるように、私たちもSmartHRを進化させていきたいと考えております。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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