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近年、経理の現場ではDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が急速に進んでおり、これは経理に限らず、人事・法務といった管理部門全体に共通する大きな潮流です。
特に会計システム導入やRPA(Robotic Process Automation)の利用が加速する中で、単に日々の定型業務を行うだけでなく、ITを活用して業務プロセス自体を「デザインし直す」ことができる人材の市場価値が著しく高まっています。
本記事では、このDX時代において企業が求める経理人材の具体的なスキルと、弊社のコンサルタントが現場で実感している転職市場の評価基準、そして評価されるためのプロフェッショナルなアピール方法を解説します。
なおこの記事は二部構成になっています。この前編記事を読んでいただき、ご興味をお持ちいただけたら続けて後編もご覧ください。
この変化が加速している背景には、大きく二つの要因があります。
一つは、労働人口の減少に伴う生産性向上の切実なニーズです。
人手に依存していたルーティン業務をシステム化することで、限られたリソースでの効率的な業務遂行が求められています。
もう一つは、ガバナンス強化と迅速な経営判断へのニーズの高まりです。正確でタイムリーな情報提供のためには、システムの活用によるデータ収集・分析の効率化が不可欠です。
こうした流れの中で、単なる「オペレーター」ではなく、業務の課題を発見し、ITを武器に解決を主導できる「変革の推進者」こそが、管理部門でキャリアアップを目指す30代・40代の方々にとって、最も市場価値の高い選択肢となっています。
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30代・40代の管理部門人材は、自部門の深い専門知識に加え、企業全体の構造理解に基づき、非効率な業務プロセスをシステム化へ移行させる「変革の推進役」を担うことが求められています。
この年代は、長年の実務経験から非効率なプロセス(ボトルネック)を熟知していると同時に、新しい技術への適応力も持ち合わせているため、変革の中心人物となり得ます。
求められる改善経験の「質」は、企業のフェーズによって明確に異なります。
まだシステム基盤が整っていないことが多いため、Excelマクロなどによる属人性の高い業務の標準化や、SaaSなどのシステムの新規導入(ゼロベースでの基盤構築)が主なミッションとなります。
すでにシステムは存在しているため、求められるのは部門間の壁を超えた大規模な改善です。
営業部門や情報システム部門など多岐にわたるステークホルダーを巻き込み、システムの改修・導入を通じて業務定着を促し、企業全体のガバナンス強化に貢献する能力が重要になります。
最も重要なのは、「現状の業務における真の課題は何か」を見極め、「システム導入後の新しい業務フローを設計し、周囲を動かして実現する」全体設計能力と実行力です。
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企業が求める経理人材は、従来の「会計知識」に加え、業務改善の核となる「IT理解」と「プロジェクト推進力」を複合的に兼ね備えていることが必須条件です。
まず、基盤となるのは高度な会計知識ですが、それに加えて求められる「IT理解」とは、システムの専門家になることではなく、業務課題をエンジニアに正確に伝えるための『翻訳力』としてのITリテラシーを指します。
自社の会計システム(ERP)やSaaS、BIツールなどが「どのようなデータ生成能力を持ち、どう活用すれば経営戦略に貢献できるか」を理解する能力が求められます。
特にSaaS型クラウドサービスへの移行が進む中、特定のツール経験自体よりも、その導入に際して「システムありき」ではなく、業務課題から逆算して「どうあるべきか」を定義した要件定義の経験こそが評価されます。
ツールが何であれ、要件定義を通じて得られる「本質的な課題解決力」が求められているのです。
そして最も重要度が増しているのがプロジェクト推進力です。
業務改善は、他部門や外部の関係者を巻き込んだ部門横断的な取り組みであり、この際、多様な関係者の利害を調整し、合意形成を図りながら目標に向かってプロジェクトをリードしていくコミュニケーション能力とリーダーシップが極めて重要になります。
後編では、前章で紹介したスキルをどのように転職市場で評価される実績として示すか、具体的なアピール方法や面接での伝え方、そして実際の転職成功事例を交えて詳しく解説します。引き続き、後編もご覧ください。
後編は、管理部門・士業特化型転職エージェント「MS-Japan」のサイトにて公開中です。
下の「続きを読む」からご覧ください。
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