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宿泊税の勘定科目と仕訳例|宿泊費との違いや会計処理の注意点も解説

公開日2025/12/25 更新日2026/02/05 ブックマーク数
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宿泊税の勘定科目と仕訳例|宿泊費との違いや会計処理の注意点も解説

出張や研修などで宿泊を伴う業務が増えるなか、「宿泊税の会計処理をどうすべきか」「宿泊費との違いは何か」と迷うケースが少なくありません。
宿泊税は自治体ごとに税額や非課税要件が異なるうえ、消費税の扱いや勘定科目の選択を誤ると、税務上の問題や精算手続きの遅れにつながる可能性があります。

本記事では、宿泊税の基本から宿泊費との違い、勘定科目の正しい判断基準、仕訳例、実務で注意すべきポイントまでをわかりやすく解説します。
出張精算や会計処理の正確性を高めるための参考にしてください。

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[ 目次 ]

宿泊税とは

宿泊税は地方自治体が課す「地方税」で、特定の地域でホテルや旅館に宿泊した人に対して徴収される税金です。
法定外目的税として位置づけられ、その収入は地域の魅力向上や観光振興に関する施策の財源として活用されます。

実際の納付は、宿泊者が宿泊施設に税額を支払い、施設側がまとめて自治体へ納める仕組みになっています。

宿泊税が課されるケース

宿泊税は、地方自治体が条例で定めた地域内で、ホテル・旅館・民泊などの宿泊施設を利用した際に課税されます。
一般的には「1泊あたりの宿泊料金」に応じて税額が決まり、素泊まり・宿泊プランを問わず、宿泊行為があれば対象となります。

なお、地域によっては、修学旅行生や一定額未満の宿泊料金など、非課税となるケースが規定されている場合もあります。
課税条件は自治体ごとに異なるため、宿泊地の条例内容を確認することが重要です。

宿泊税と宿泊費の違い

宿泊税は地方自治体が課す税金で、宿泊施設が利用者からいったん預かる性質のものです。
一方で「宿泊費」は、宿泊サービスの提供に対する対価であり、企業の経費として処理されます。

また、宿泊費は利用目的によって適用される勘定科目が異なるため、会計処理では両者を正確に区別することが重要です。

宿泊税の勘定科目は?

宿泊税は地方自治体が課す税金であり、消費税の課税対象外(不課税)として扱われます。
そのため、宿泊税が請求書・領収書上で明確に区分されている場合は「租税公課」として処理するのが原則です。

一方で、宿泊税の記載がない明細を受け取った場合は、たとえ宿泊税が料金に含まれていても、宿泊費として処理する勘定科目を利用目的に応じて選択する必要があります(例:旅費交通費・研修費など)。

会計処理の誤りを防ぐためにも、「明細に宿泊税の記載があるか」を確認し、宿泊費と宿泊税を正しく区別することが重要です。

宿泊税の勘定科目は「租税公課」

宿泊施設の請求書や領収書に宿泊税が明記されている場合、その金額は 「租税公課(不課税仕入)」 として仕訳します。
宿泊税は宿泊施設が自治体に納付するために一時的に預かる税金であり、企業が受けるサービスの対価ではないためです。

仕訳例

宿泊費 11,000円(うち消費税 1,000円)、宿泊税 200円を現金で支払った場合

借方 貸方
旅費交通費(課税仕入) 10,000円 現金 11,200円
仮払消費税 1,000円
租税公課(不課税仕入) 200円

一方で、宿泊税の項目が請求書上に記載されていない場合は、税額が宿泊費に含まれているとみなし、宿泊の目的に応じた勘定科目(旅費交通費・研修費など)でまとめて計上します。

入湯税・ゴルフ場利用税も「租税公課」

温泉のある宿泊施設で支払う入湯税や、ゴルフ場で支払うゴルフ場利用税も、宿泊税と同じく地方自治体が課す税金です。

そのため会計処理も共通しており、明細に税額が独立して記載されていれば「租税公課」として仕訳します。

また、これらの税金も原則として宿泊施設やゴルフ場での現地払いとなるため、出張者には適正な経費精算のためにも領収書の保管を徹底させることが必要になります。

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宿泊税の仕訳例

宿泊税の金額がわかる場合

宿泊先の領収書や請求書に「宿泊税」が明記され、その金額が確認できる場合は、該当額を 「租税公課」 として処理します。
宿泊税は消費税の課税対象外(不課税)のため、宿泊費とは区分して仕訳する必要があります。

仕訳例

宿泊代 22,000円(うち消費税 2,000円)、宿泊税 200円を現金で支払った場合

借方 貸方
旅費交通費(課税仕入) 20,000円 現金 22,200円
仮払消費税 2,000円
租税公課(不課税仕入) 200円

宿泊税の金額がわからない場合

請求書・領収書によっては、宿泊税が内包されていても明細に項目がなく、金額が判断できないケースがあります。
その場合は宿泊代を一括して、宿泊目的に応じた勘定科目(旅費交通費、会議費など)として計上します。

仕訳例

宿泊代 20,000円を現金で支払った場合

借方 貸方
旅費
交通費
20,000円 現金 20,000円

宿泊費の勘定科目と仕訳例

宿泊費は利用目的によって適切な勘定科目が異なります。
実務では「何のための宿泊か」を基準に科目を選ぶため、用途ごとの分類を正しく理解しておくことが重要です。

勘定科目 説明
旅費
交通費
出張・研修など業務に
付随する宿泊の場合
会議費 会議・打ち合わせ等で
宿泊施設を利用した場合
福利
厚生費
社員旅行・社内行事などに
伴う宿泊の場合
交際費 取引先との接待・商談
目的で宿泊した場合

旅費交通費

業務上の出張や研修で発生した宿泊費は「旅費交通費」として処理します。

仕訳例

社員が出張で宿泊し、宿泊費 12,000円 を精算した場合

借方 貸方
旅費
交通費
12,000円 現金 12,000円

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会議費

社内外の会議・打ち合わせに伴って宿泊施設を利用した場合は「会議費」を使用します。

仕訳例

取引先との打ち合わせのため宿泊費 14,000円 を支払った場合

借方 貸方
会議費 14,000円 現金 14,000円

福利厚生費

社員旅行やレクリエーションなど、福利厚生の一環として発生した宿泊費は「福利厚生費」として処理します。

仕訳例

社員旅行の宿泊費として 45,000円 を支払った場合

借方 貸方
福利
厚生費
45,000円 現金 45,000円

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交際費

取引先や顧客との接待を目的とした宿泊費は「交際費」として扱います。

仕訳例

接待に伴う宿泊費 18,000円 を支払った場合

借方 貸方
交際費 18,000円 現金 18,000円

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宿泊税の会計処理で注意すべきポイント5つ

宿泊税は自治体ごとに課税ルールが異なるうえ、消費税との関係や勘定科目の選択など、実務で迷いやすい点が多い税目です。

誤った処理を行うと、税務調整が必要になったり、旅費精算の手戻りが発生することもあります。
ここでは、会計処理で特に注意すべき5つのポイントを整理します。

宿泊税と宿泊費を必ず区別する

宿泊税は地方自治体が定める目的税であり、宿泊サービスの対価である「宿泊費」とは性質が異なります。

請求書や領収書に宿泊税が明記されている場合は 「租税公課」(不課税) として計上し、宿泊費とは分けて仕訳することが重要です。
これらを混同すると、消費税の課税対象額が誤ってしまうため、明細の内訳を必ず確認しましょう。

消費税の課税・非課税を誤らない

宿泊費は消費税の課税対象ですが、宿泊税は非課税(不課税) です。
そのため、明細を確認せずに一括で課税仕入として処理すると、仕入税額控除額が誤って計算される可能性があります。

領収書に宿泊税の記載がある場合は、必ず課税・不課税を区分して仕訳することが必要です。

自治体ごとの税率・制度を事前に確認する

宿泊税は全国一律ではなく、自治体ごとに課税の有無・税額・非課税要件が異なります。
東京・大阪・京都などでは料金帯によって税額が細かく設定されているため、出張先ごとに確認しておくと精算時のトラブルを防げます。

また、修学旅行生は非課税といった特例が設けられている地域もあるため、事前のチェックが不可欠です。

領収書の管理を徹底する

宿泊税を正しく会計処理するには、明細の記載が最も重要な根拠となります。
領収書に宿泊税が明記されていなければ、税額の判別ができず、宿泊費として一括計上する必要が生じます。

出張者に対しては「宿泊税の記載がある領収書を必ず受け取る」ことを周知し、精算時の提出漏れが起きないよう運用ルールを整えましょう。

納付期限を厳守する

宿泊税は原則として宿泊施設が自治体へ納付する税ですが、社宅・社員寮を運営している企業や、独自の宿泊サービスを提供する場合は企業側が納付対象となるケースもあります。

納付期限を過ぎると加算税や延滞金が発生する可能性があるため、税額の管理と期日把握を確実に行いましょう。

まとめ

宿泊税は地方自治体が課す税金であり、宿泊費とは性質も会計処理も異なります。
特に、宿泊税は「租税公課」として不課税で処理する一方、宿泊費は利用目的に応じて旅費交通費・会議費・福利厚生費などに分類されるため、明細を正確に読み取り、両者を適切に仕訳することが欠かせません。

また、自治体ごとに課税の有無や金額が異なることから、出張前の確認や領収書の管理も重要です。
誤った処理は消費税計算や旅費精算に影響するため、本記事で紹介したポイントを踏まえ、日々の会計処理をより正確に行いましょう。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。

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