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リース料の勘定科目はこう使う!迷いやすい判断基準・仕訳例を徹底解説

公開日2025/12/30 更新日2025/12/26 ブックマーク数
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リース料の勘定科目はこう使う!迷いやすい判断基準・仕訳例を徹底解説

リース料の勘定科目は、「取引の実態がオペレーティング・リースか、ファイナンス・リースか」「契約がリースかレンタルか」で大きく変わります。
実態判断を押さえたうえで、各パターンの勘定科目と仕訳処理を整理しておくことが、迷いを減らす一番のポイントです。

※本記事は現行のリース会計基準(2027年3月末まで適用)に基づいて解説しています。
2024年9月に新リース会計基準が公表され、2027年4月1日以降に開始する事業年度から適用されます。
新基準では、借手の会計処理が大きく変更され、原則としてすべてのリースについて「使用権資産」と「リース負債」を計上することになります。
新基準の詳細については、こちらの記事をご確認ください。

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[ 目次 ]

リース料とは?

リース取引は、「設備などを一定期間使用する権利」を借り、その対価として継続的にリース料を支払う取引です。
会計上は、契約内容や経済的実質に応じて「オペレーティング・リース」と「ファイナンス・リース」に分けられます。

オペレーティング・リースは短期の賃貸借・レンタルに近く、資産や負債を計上せず、支払うたびにリース料として費用処理するのが基本です。
一方で、ファイナンス・リースは、分割払いで資産を購入しているのに近く、原則中途解約ができず、物件の選定も借手が行うなど、資産に伴うリスクと利益が借手側に移転しているとみなされます。

さらに、「リース」と「レンタル」「賃貸借」は、契約期間の長さや解約の自由度、在庫を他の顧客に再利用するかといった点が異なり、レンタルは短期・解約自由で在庫再利用前提の賃貸借が多いのに対し、リースはユーザー専用物件で原則中途解約不可のため、契約・会計処理が複雑になりやすいという特徴があります。

リース料の勘定科目一覧

オペレーティング・リースの場合(経費処理)

オペレーティング・リースでは、借手は支払うたびに「リース料」「支払リース料」「賃借料」などの費用科目で処理します。
コピー機や複合機、防犯カメラ、電話機などのオフィス設備は、実務上「リース料」または「賃借料」として計上されることが一般的です。

車両リースもオペレーティング・リースであれば、月額リース料を「車両費」「賃借料」「リース料」などで費用処理します。
このとき、どの科目名を使うかは社内の勘定科目ポリシーによりますが、「リース契約に基づく支払いかどうか」で区分すると整理しやすくなります。

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ファイナンス・リースの場合(資産計上)

ファイナンス・リースでは、リース開始日に借手がリース資産とリース負債(リース債務)を同額で計上します。
その後の支払リース料は、借入金の返済と同様に、元本相当額をリース負債の減少として処理し、利息相当額を支払利息として費用計上するのが原則です。
また、リース資産は通常の固定資産と同じく減価償却の対象となり、耐用年数や残存価額などに基づいて減価償却費を計上します。
このように、ファイナンス・リースでは「リース資産」「リース負債(債務)」「支払利息」「減価償却費」といった複数の勘定科目を組み合わせて処理する点が大きな特徴です。

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迷いやすい個別ケース

車両リースは、実態がファイナンス・リースであれば「リース資産(車両)」と「リース負債」を計上し、オペレーティング・リースであれば「リース料」や「車両費」「賃借料」などで費用処理します。
社用車でも、契約内容によって会計処理が変わるため、契約書でファイナンス・リースかオペレーティング・リースかを確認することが重要です。

ダスキンのマット・モップのような契約は、短期解約が可能で物品再利用を前提とするレンタルに該当することが多く、「賃借料」や「雑費」で処理されるケースが一般的です。
電話機・複合機・防犯カメラなども、リース契約ならリース料勘定、レンタルや保守込み契約なら賃借料や通信費など、契約実態に応じて勘定科目を選択する必要があります。

リース料の仕訳例

リース取引の仕訳は「賃貸借として処理するか」「売買として処理するか」で大きく分かれ、これを決めるのがオペレーティング・リースかファイナンス・リースかという区分です。

オペレーティング・リースの仕訳例

オペレーティング・リースは賃貸借と同様に扱い、資産・負債を計上せず、支払時にリース料を経費処理します。

例えば、コピー機のリース料5万円を銀行から支払う場合、仕訳は下記の通りで、シンプルに期間費用として処理します。

リース料を普通預金から支払った場合

借方 貸方
リース料 50,000円 普通預金 50,000円

ファイナンス・リースの仕訳例(売買取引に準ずる場合)

開始時に資産と負債を計上し、その後の支払で元本と利息を分ける点がポイントです。

たとえば、資産額60万円・支払総額72万円・60回払いのリース契約を結んだとします。

このときリース開始日の仕訳は、

リース資産を計上した場合

借方 貸方
リース資産 600,000円 リース負債 600,000円

とし、以後、毎月のリース料支払時には、計算した内訳に基づき、

リース料支払時(元本+利息を区分した場合)

借方 貸方
リース負債 10,000円 普通預金 12,000円
支払利息 2,000円

のように、元本部分をリース負債の減少、利息部分を支払利息として処理します。

さらに決算では、リース資産について耐用年数等に基づき減価償却を行い、

減価償却費の計上

借方 貸方
減価償却費 ○○○円 減価償却累計額 ○○○円

のように、元本部分をリース負債の減少、利息部分を支払利息として処理します。

さらに決算では、リース資産について耐用年数等に基づき減価償却を行い、

減価償却費の計上

借方 貸方
減価償却費 ○○○円 減価償却累計額 ○○○円

といった仕訳を追加します。
このように、オペレーティング・リースでは「支払時にリース料として一括費用化」、ファイナンス・リースでは「開始時にリース資産・リース負債を計上し、支払時に元本と利息を分解+減価償却」という流れで仕訳が組み立てられる、というイメージで押さえておくと整理しやすくなります。

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延滞金・解約金・返金が発生した場合の仕訳例

リース料の支払いが遅れた場合の遅延損害金は、契約内容により「支払利息」または「雑損失」「支払手数料」などで処理するのが一般的です。
オペレーティング・リースを途中解約した際の解約手数料は、「支払手数料」や「雑費」として費用処理するケースが多いです。
逆に、解約に伴い返金が発生した場合は、「未収金/雑収入」などで処理し、その期間の損益に反映させます。

違約に伴う解約金については、ファイナンス・リースでは残存リース料や違約金を未払金としつつ、必要に応じて固定資産やリース負債の帳簿価額を調整する形で処理することになります。

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リース料とレンタル料の違い

リース料とレンタル料の大きな違いは、契約期間中の解約自由度と、対象資産の所有権の帰属・リスク負担にあります。
レンタルは短期・解約自由で在庫の再利用を前提とすることが多く、料金は「賃借料」や「雑費」「器具備品レンタル料」などの費用科目で処理されることが一般的です。

リースは、原則中途解約不可で、ユーザーのために専用に設備が手配されることが多く、ファイナンス・リースの場合は実質的に購入と同様に扱われます。
したがって、同じ「借りて使う」形であっても、契約の実態(解約条件・所有権・残価・保守条件など)によって、勘定科目や税務判断が変わってきます。

リース料に関するよくある質問

Q1. リース費用はどの科目に計上しますか?

オペレーティング・リースやレンタルに該当する場合は、「リース料」「賃借料」「雑費」など、実態に応じた費用科目を使って処理します。
ファイナンス・リースに該当する場合は、リース開始日に「リース資産」「リース負債」を計上したうえで、支払利息や減価償却費として費用化します。

Q2. リース料と賃借料の違いは何ですか?

「リース料」はリース契約に基づく支払いを処理するための科目で、リース会社と締結した中長期契約に対応することが多いです。
「賃借料」は、オフィスの賃借やレンタル備品など、一般的な賃貸借・レンタル取引の支払いを包括的に処理する科目です。

Q3. レンタル料の勘定科目は雑費ですか?

レンタル料は、性質に応じて「賃借料」「雑費」「器具備品のレンタル料」などを使い分けるのが適切で、「必ず雑費」というわけではありません。
経費の中身が分かりにくくならない範囲で、「賃借料」を基本としつつ、金額が小さく用途が多岐にわたるものは「雑費」で処理する、といった社内ルールを設けると実務上運用しやすくなります。

まとめ

リース料の勘定科目選択の出発点は、「オペレーティング・リースかファイナンス・リースか」「リースかレンタルか」を契約書ベースで判定することです。
そのうえで、オペレーティング・リースやレンタルはリース料・賃借料・雑費などを使う、ファイナンス・リースはリース資産・リース負債・減価償却・支払利息と整理しておけば、実務での迷いを大きく減らせます。


※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。

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