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年次有給休暇は「付与されたらずっと使える権利」ではなく、付与日から2年が経つと自動的に消えてしまう時効付きの権利です。
この仕組みを理解していないと、法令違反や従業員とのトラブル、未消化分の買い上げリスクなど、企業側に不利益が生じる可能性があります。
本記事では、有給がいつ消えるのかという基本から、繰り越しルール・最大保有日数・会社独自ルールの注意点まで、人事・総務が実務で押さえておきたいポイントを整理して解説します。
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年次有給休暇は、付与された日から2年を経過すると時効により消滅します(労働基準法115条)。
これは「今年度分は年度末でゼロになる」といった一斉リセットではなく、「付与された権利ごとに “付与日+2年” を迎えた順番で消えていく」という考え方です。
たとえば、2024年10月1日に付与された有給は、原則として2026年9月30日の経過をもって時効消滅し、それ以降はその分の年休を請求することはできません。
多くの勤怠システムでは「当年度付与分」と「前年からの繰越分」を分けて管理し、2年前に付与された日数から先に消滅させています。
このため、残日数表を見ると「繰越分○日/当年度分○日」と表示され、古い権利から順に減っていくように見える仕組みになっているケースが一般的です。
従業員側からすると、「まだ残日数がある」と思っていても、実は古い分から順に消えている点に注意が必要です。
年次有給休暇は、原則として1年分を翌年度に1回だけ繰り越すことができます。
付与から2年を超えて残しておくことはできず、2年前に付与された分から順に時効消滅します。
初年度10日、2年目11日、3年目12日…と法定付与日数が増えていくなかで、未消化分は翌年度に繰り越され、「当年度付与分+前年度繰越分」がその年の「保有日数」として見える形になります。
法定上、1年度に付与される年休の上限は20日とされています。
そして、前年度からの繰り越し分を含めた保有日数の上限は原則40日です。
「社内制度として最大35日まで」といった独自の上限を設けている会社もありますが、法定の枠組みを超えて「2年以上使い続ける」ことはできません。
何年も全く取得しないまま「貯金」する制度ではなく、2年の間に計画的に使い切ることが前提です。
有給のリセットについては、現場での運用慣行や就業規則の書き方が原因となり、誤った理解が広まりやすい領域です。
ここでは特にトラブルにつながりやすい誤解を整理しておきます。
まず注意したいのは、「年度内に使わなかった有給は全部消える」といった会社独自のリセットルールです。
たとえば「当社の年休は年度内に使わないと消滅します」「翌年への繰り越しはありません」といった条文が就業規則に書かれているケースが散見されます。
しかし、労働基準法上により、有給の権利は付与日から2年間は有効であり、就業規則など会社のルールでこの期間を短縮することはできません。
就業規則に「年度内に使わないと消滅」と明記していたとしても、そのうち「法定の2年より短くしている部分」は無効となるリスクがあります。
実際のところ、多くの企業は「管理上の便宜として年度ごとの残数を表にする」運用と「法律上の2年時効」を混同しており、「年度末の繰り越し処理」と「権利の消滅」を区別できていないことがトラブルの原因になっています。
人事・労務担当者は、社内規程の文言を見直し、「管理上の繰り越し方法」と「法定の2年時効」を混同しないよう、明確に説明できることが求められます。
人件費削減や人員不足などを理由に、「今年度中に使わなかった分は2年経っていなくても削除する」「一定日数を超えた分は切り捨てる」といった運用を行うことは、労基法上の権利侵害にあたる可能性が高くなります。
有給休暇は法律で保障された権利であり、付与から2年を経過していない分を会社の裁量で一律消滅させることは認められていません。
また、「繁忙期に集中して休まれると困る」という理由で、会社が一方的に従業員の申請日を変えることも原則としてできません。
使用者側に認められているのは、事業の正常な運営を妨げる特段の事情がある場合に限り、別の日に変更を求めることができる「時季変更権」です。
しかし、これはあくまで「別の日に与える」ための調整権であり、権利そのものを消すことはできません。
「時季変更権によってリセットできる」と誤解していると、結果として違法な運用に踏み込んでしまう恐れがあるため、概念を明確に区別しておく必要があります。
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有給が2年で時効消滅する以上、「どの分がいつ消えるか」を見える化し、計画的に取得を促すことが、人事・総務にとって重要な役割です。
ここでは管理の具体的な工夫を整理します。
社員ごとに「入社日ベース」で付与・管理している場合、全員の基準日がばらばらになり、「誰の有給がいつ消えるのか」を直感的に把握するのが難しくなります。
そこで、多くの企業では「基準日統一」の考え方を採用し、たとえば毎年4月1日を付与基準日にして、そこから逆算して前倒しで付与する運用を行っています。
この場合でも、あくまで法律上の消滅は「それぞれの付与日から2年後」であり、前倒し付与の範囲内で調整しているにすぎません。
勤怠・人事システムを活用すれば、「付与日ごとの消滅予定日」「消滅予定日までの残日数」「繰越分の期限」などを自動で計算し、一定期間前からアラートを出すことができます。
たとえば「残り3か月で○日消滅予定の従業員リスト」を出力し、本人と上長に通知する、といった運用を行うことで、結果的にムダな失効を減らすことが可能です。
紙やExcelだけで管理している場合でも、年1回は「消滅予定一覧」を作り、人事・現場双方でチェックする仕組みを設けるとよいでしょう。
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2019年の法改正により、年10日以上の年休が付与されるすべての労働者について、使用者は毎年少なくとも5日分の年休を取得させる義務を負うようになりました。
この義務を果たせなかった場合、企業は30万円以下の罰金の対象となる可能性があります。
単に「5日取らせればよい」だけでなく、2年の時効と繰り越しルールを踏まえ、年休が失効しないよう計画的な取得設計を行うことが求められます。
ありがちなのは、消滅の直前にまとめて有給を取らせる運用です。
確かに権利は消えませんが、業務負荷が偏りやすく、本人にとっても「ただ消える前にまとめて使わされる」だけの感覚になりがちです。
望ましいのは、計画年休(あらかじめ会社と労使協定のもとで取得日を決めておく仕組み)や、使用者からの時季指定による取得を組み合わせ、年間を通じて分散して取得させることです。
このように「権利を消さずに、無理なく使い切る」設計ができると、コンプライアンスだけでなく従業員の満足度向上にもつながります。
「有給が回復する」という表現は正確ではなく、一度時効で消えた有給が復活することはありません。
有給は、法律で定められたタイミングで新たに付与される仕組みです。
一般的な正社員であれば、入社後6カ月経過かつ出勤率8割以上で10日が付与され、その後は1年ごとに勤続年数に応じて日数が増えていきます。
したがって、「いつ回復するか」ではなく「次に何日付与されるのか」「その時点までに残りをどう使うか」という発想で管理することが重要です。
有給が法律上消滅するのは「付与日から2年」であり、「毎年○月に一斉リセットされる」という決まりはありません。
一方で、管理しやすくするために「毎年4月1日」など任意の基準日を設け、そこで付与・繰り越し・残数の切り替えを行う会社は多くあります。
そのため現場では「年度末にリセットされる」といった言い方がされますが、これは帳簿上の切り替えであって、法定の2年時効とは別物であることを従業員に明確に説明することが重要です。
正社員の有給は、原則「入社から6か月経過+出勤率8割以上」で最初に10日が付与され、その後は1年ごとに勤続年数に応じて日数が増えていきます。
たとえば4月1日入社なら、10月1日に10日、翌年10月1日に11日、その翌年に12日…というイメージです。
中途採用や短時間勤務者も基本は同じですが、入社時期や週所定労働日数によって付与日数・基準日が変わるため、社内で「2回目以降の付与スケジュール」を一覧化しておくと、問い合わせ対応や計画的な取得の案内に役立ちます。
有給休暇の日数は、勤続年数に応じて段階的に増える仕組みです。
週5日勤務の正社員なら、初回10日から始まり、11日、12日、14日、16日、18日、20日と増え、勤続6年6か月以降は毎年20日が付与されます。
「1年で何日増えるか」は「前年より何日多く付与されるか」と考えると整理しやすいでしょう。
一方、パート・短時間勤務者には、週所定労働日数などに応じた「比例付与」が適用されますが、付与された有給が「付与日から2年で時効消滅する」という基本ルールは同じです。
社内で付与日数表やチャートを用意しておくと、こうした違いも含めて従業員に説明しやすくなります。
有給休暇の「リセット」は会社裁量ではなく、「付与日から2年」という法律上の時効で自動的に起こります。
年度末や人事方針を理由に、2年未満の分を一律に短縮・取り上げることは認められず、誤れば労基法違反のリスクがあります。
人事・総務は、どの有給がいつ消えるのかを年表やシステムで見える化し、年5日の取得義務や繰り越しルールを踏まえて、従業員が無理なく消化できるスケジュールを組むことが大切です。
有給をコストではなく、健康とパフォーマンスを支える制度と捉え、コンプライアンスと納得感の両立を意識した運用が求められます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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