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旬刊『経理情報』2026年2月10日号(通巻No.1767)情報ダイジェスト②/会計

公開日2026/02/10 更新日2026/02/09 ブックマーク数
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旬刊『経理情報』2026年2月10日号(通巻No.1767)情報ダイジェスト②/会計

目次本記事の内容

  1. 【会計】のれん償却について作成者の意見聴取─ASBJ・のれん非償却公聴会
  2. 【会計】金融商品の分類・測定、検討開始─ASBJ、金融商品専門委
  3. 〈旬刊『経理情報』電子版のご案内〉

【会計】のれん償却について作成者の意見聴取─ASBJ・のれん非償却公聴会

去る1月20日、企業会計基準委員会は、第567回企業会計基準委員会(第7回「のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更」に関する公聴会)を開催した。
本公聴会は、のれんの非償却の導入およびのれん償却費計上区分の変更(以下、「本テーマ」という)の提案により会計基準として改善が見込まれるかどうかについて、関係者から意見聴取を実施するものであり、親委員会における通常の審議と異なり、当委員会および委員が本テーマに関して判断や評価を行うものではなく、関係者からの意見聴取の結果を企業会計基準諮問会議に報告することを目的として実施するものである。
第6回までの公聴会の意見は、第55回企業会計基準諮問会議(2025年12月10日号(№1762)情報ダイジェスト参照)にて報告されたが、そこではこれまでの意見聴取に加え、財務諸表作成者や小規模監査法人等に対して継続して意見聴取を実施するよう要望が寄せられていた。
今回は、作成者として日本製鉄株式会社財務部決算室長の松本道彰氏から意見聴取を行った。
まず、説明者が「会計基準は企業経営の実態を適切に反映するために設定すべきであり、政策的手段のために改正すべきではない」、「IFRSとの整合性について、IFRSに横並びするのではあれば日本基準は不要。日本としてあるべき会計を具現化するのが日本基準」との基本的な考えを述べた。

■のれんの非償却

のれん非償却を導入する会計基準の改正については、「のれんは時間の経過とともに減耗していくものであるので、支持しない」と述べた。
また、償却と非償却の選択についても、「企業実態を表すかどうかが重要であり、企業の自由選択は認めるべきではない。同じ企業実態にもかかわらず異なる会計処理となるのは比較可能性の点からも問題」との説明があった。

■IFRS会計基準の適用と非償却

IFRS会計基準を適用することにより非償却とすることも可能となることをどのように考えるかという質問に対して、「中小企業向けIFRSでのれんの償却が求められているのは、非償却によるコストに配慮しているため。非償却を選択するときには減損テストなどのコストが増大することは認識すべき」と回答した。

■のれんの非償却を導入する場合の負担

のれんの非償却の導入の負担について、「日本基準と比べて負担はある。特に非上場企業の大企業にも適用されることに留意は必要だ。PPAや減損テストが負担となり、専門的な人的リソースや第三者の専門家の利用が必要となる。それに伴い、監査工数も増加する。また、減損のハードルが低くなることも挙げられる。体力のない会社は特に負担が大きいのではないか」と問題点を述べた。

■のれん償却費の計上区分

のれん償却費の計上区分の変更については、「支持しない。企業の実態に沿って計上区分すべきであり、営業活動のために買収した企業ののれんを営業外費用にする理由はない。会計理論の裏づけのない改正はすべきではない」と述べた。
ただ、計上区分した場合に、販売費及び一般管理費に計上したうえで、のれん償却前営業利益およびのれん償却費を表示するという案については、「会計処理は変わらず表示上の問題であるので、スタートアップ企業が希望するならあえて反対しない」と述べた。

■質疑応答

委員からは、「(のれんの非償却賛成サイドが主張する)のれんの償却ではPMIがおろそかになったり、経営陣が償却することにあぐらをかいて減損が出にくくなる側面があるとの意見についてはどう思うか」との質問に対して「むしろ、償却をしながら利益を出すことは、投下した資本に対して適切に投資してシナジーを生み出しているということになり、逆ではないかと考える」との回答があった。
また「のれんの非償却を導入することで、国際的な比較可能性は担保されるかどうか」という質問に「比較可能性とは、企業の実態を反映した比較でなければならず、形式的に合わせただけではたして比較可能となるかは疑問」と述べた。

【会計】金融商品の分類・測定、検討開始─ASBJ、金融商品専門委

去る1月15日、企業会計基準委員会は、第248回金融商品専門委員会を開催した。
主な検討事項は次のとおり。
また、1月20日開催の第568回親委員会でも同様のテーマが審議された。

■金融商品の分類および測定に関する会計基準の開発

金融商品の分類および測定に関して、昨年10月に公表された企業会計基準公開草案89号「金融商品に関する会計基準(案)」等では、予想信用損失モデルの適用範囲に合わせて限定的な範囲での改正を提案し、公開草案の範囲に含めていない領域については公開草案の公表後に見直しの着手に関する方向性について議論を行う予定であるとされていた。
今回、金融商品の分類および測定の見直しの着手に関する方向性についての議論を行うための前段階として、金融商品会計基準等(公開草案の提案を含む)における金融資産の分類および測定に関する定めを確認したうえで、国際的な会計基準における取扱いについて説明し、意見を聴取することとした。
事務局からは、次の論点について、金融商品会計基準等とIFRS会計基準・米国会計基準との主要な類似点および相違点が示された。

⑴ 金融資産の会計処理の判定方法

⑵ 有価証券の保有目的の変更

⑶ 売却目的保有以外の債権および債券

⑷ トレーディング目的で保有する金銭債権等

⑸ 上場株式・投資信託

⑹ 非上場株式

⑺ 組込デリバティブ

⑻ 公正価値オプション

専門委員からは「国際的な会計基準との整合性に関して、わが国の従来の考え方と整合しない部分があるので、慎重な検討が必要」、「資本と負債の区分は、金融資産の分類・測定に重要であるため、運用のしかたも含めて検討をすべき」、「金融資産の減損に関する会計基準の公開草案の提案に関連して、予想信用損失モデルの対象となるかどうかがシステム開発に影響を与えることから、債券を優先的に検討し、その後に株式・投資信託を検討するという方法があるのではないか」といった意見が聞かれた。
第568回親委員会では、「⑴については、『日本基準と米国会計基準では、金融資産ごとに、金融資産の法的形式やその保有目的等に基づいて会計処理が定められている一方、IFRS会計基準では、すべての金融資産についてSPPI要件と事業モデルに基づく単一の分類アプローチを適用し、金融資産の会計処理を判定することとなる』と整理されており、他の論点と相互に関連するテーマであり、重要な論点であるので、優先的に議論すべき」、「⑹について、子会社や関連会社の株式も連結・単体とも一律に時価評価するのが正しいのか疑問。連単の取扱いについて、別々にすることも検討してほしい」、「特に保険についてIFRS17号のコンバージェンスも含めて議論が必要では」との意見が聞かれた。

■譲受人がSPCである場合の金融資産の消滅範囲の明確化

第247回金融商品専門委員会(2026年1月10日・20日合併号(№1765)情報ダイジェスト参照)および第566回親委員会(2026年2月1日号(№1766)情報ダイジェスト参照)に引き続き、譲受人がSPCである場合の金融資産の消滅範囲の明確化に関して審議が行われた。
今回は、企業会計基準10号「金融商品に関する会計基準」および移管指針9号「金融商品会計に関する実務指針」の改正案が示され、議論された。
文案では、金融商品会計基準の(注4)について、「特別目的会社が発行する証券の保有者」を「特別目的会社に対する投資者又は融資者」とするなどの改正が示された。
専門委員からは、賛同する意見が聞かれた。
また、第568回親委員会では、特段の異論は聞かれなかったが、「『融資者』という文言について、関連基準の企業会計基準適用指針15号『一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針』の改正に『出資者』という用語があるので、関係を整理したほうがいい」との意見があった。
次回は、適用時期・経過措置について審議する予定。

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本記事は、旬刊誌『経理情報』に掲載している「情報ダイジェスト」より抜粋しています。
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