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書籍や新聞、電子コンテンツの購入は、多くの企業で日常的に発生する支出です。
これらを会計処理する際に用いられるのが「新聞図書費」ですが、事業との関連性や購入形態によって、処理方法が異なる場合があります。
本記事では、新聞図書費の基本的な考え方から、計上できる・できない経費の違い、具体的な仕訳例、実務上の注意点までをわかりやすく解説します。
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新聞図書費とは、法令等であらかじめ定められているものではなく、企業が任意に設定できる勘定科目です。
業務に必要な知識の習得や情報収集を目的として購入した書籍・雑誌・新聞などの費用を処理する際に用いられます。
対象は紙の書籍に限らず、電子書籍やメールマガジンの購読料であっても、事業との関連性が認められる場合には、新聞図書費として計上することが可能です。
ただし、購入したすべての書籍が無条件に認められるわけではなく、業務との関連性が重要な判断基準となります。
新聞図書費として計上できる経費には、次のようなものがあります。
・新聞の購読料
※定期購読契約があり、週2回以上発行される新聞は軽減税率8%の対象になります。
・業界誌・専門書・雑誌の代金
・官報、地図、路線価図、都市計画図の代金
・統計資料の代金
・業務に関連する電子書籍の代金
・有料サイト、メールマガジン、定期刊行物の購読料
・資格取得のための参考書の代金(※その資格が事業に関連する場合)
これらは、従業員の知識向上や業務遂行、顧客への情報提供など、事業目的が明確な場合に限り新聞図書費として処理できます。
たとえば、建築・医療・ITなど、専門知識が業務遂行に不可欠な業種・職種における専門書や業界紙は、その典型例といえます。
なお、1冊あたり10万円以上の書籍や全集については、原則として、消耗品費や新聞図書費として処理するのではなく、固定資産(工具器具備品)として計上する必要があります。
金額や利用状況によっては、少額減価償却資産の特例等の適用可否も含めて判断します。
一方で、事業との直接的な関連性が認められないものや、他の勘定科目で処理すべきものについては、新聞図書費として計上できません。
具体例は以下のとおりです。
・休憩室に置く娯楽目的の雑誌や新聞の代金(福利厚生費)
・研修・講義で使用するテキストの代金(研修費)
・投資を本業としていない会社の投資関連書籍の代金(株式・FX・不動産投資など)
・経営ノウハウ本・自己啓発本の代金
(特定の業務知識ではなく、個人の思考法やスキル向上を目的とするため)
・スポーツ新聞など娯楽性が強い新聞(事業との関係がない場合)
・小説、エッセイ、コミックなどの一般娯楽書
また、医師・税理士・弁護士などの独占業務資格に関する書籍については、その資格や知識が個人に帰属する性質を持つことから、業務との直接的な関連性の説明が難しく、経費として認められにくい場合があります。
ただし、業務内容や職務との関連性を合理的に説明できる場合には、経費として認められるケースもあります。
なお、金額が少額で一時的な支出かつ、明確に他の勘定科目に分類できない場合には、「新聞図書費」ではなく「雑費」として処理されるケースもあります。
ここでは、具体的な取引内容をもとに、新聞図書費の基本的な仕訳例を確認します。
なお、本記事では税込経理方式を前提に仕訳例を解説します。
事業に必要な書籍を、その都度購入した場合は、購入時点で費用として処理するのが一般的です。
書店での紙の書籍購入のほか、オンラインでの電子書籍の単発購入なども同様に考えます。
たとえば、事業活動に必要なマーケティング関連の書籍を、現金5,500円で購入した場合の仕訳は以下のとおりです。
仕訳例
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 新聞図書費 | 5,500円 | 現金 | 5,500円 |
業務に必要な情報を得るための書籍購入であるため、費用科目は「新聞図書費」となります。
このように、都度購入であり、金額も少額な書籍については、購入時にそのまま新聞図書費として計上します。
新聞や専門誌などを定期購読している場合は、「支払時」と「費用として計上するタイミング(発生主義)」が異なる点に注意が必要です。
ここでは、支払時と決算時それぞれの処理を見ていきます。
定期購読契約に基づき、1年分や半年分の購読料を一括で支払った場合、その全額をすぐに費用計上することはできません。
支払時点では、まだサービスの提供が完了していないため、将来のサービス提供に対する対価として「前払費用(資産)」に計上します。
たとえば、1月に1年分の購読料12,000円を普通預金から支払った場合の仕訳は以下のとおりです。
仕訳例(支払時)
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 前払費用 | 12,000円 | 普通預金 | 12,000円 |
次に、決算時の処理です。
たとえば、決算月が3月の場合、1月から3月までの3か月分については、すでにサービスの提供を受けているため、費用として計上します。
この場合、
12,000円 ÷ 12か月 × 3か月 = 3,000円
を新聞図書費へ振り替えます。
仕訳例(3月末決算時)
| 借方 | 貸方 | ||
|---|---|---|---|
| 新聞図書費 | 3,000円 | 前払費用 | 3,000円 |
残りの9か月分(9,000円)は、引き続き前払費用として資産計上し、翌期以降、サービス提供月ごとに新聞図書費へ振り替えていきます。
なお、一定の要件を満たす場合には、支払時に全額を費用計上できる特例を適用できるケースもあります。
この点については、次項の「仕訳時の注意点」で詳しく解説します。
新聞図書費は日常的に発生しやすい経費である一方、定期購読に伴う期間対応や消費税率の判定、税制上の特例の扱いなど、実務上つまずきやすいポイントも少なくありません。
ここでは、新聞図書費を処理する際に特に注意すべき点を解説します。
新聞や専門誌などの定期購読契約は、契約期間と費用計上のタイミングが一致しない点に注意が必要です。
会計上は、実際にサービスの提供を受けた期間に対応させて費用を計上するのが原則であり、決算月をまたぐ契約については、未提供分を「前払費用」として資産計上します。
一方で、一定の要件を満たす場合には、短期前払費用の特例を利用することも可能です。
この特例は、法人が支払った費用のうち、支払日から1年以内に役務の提供を受けるものについて、支払時に全額を損金として処理できる制度です。
ただし、適用にあたっては、契約に基づき、等質・等量の役務が継続的に提供されること、企業会計上の重要性の原則に照らして合理的であることといった要件を満たす必要があります。
電子版の雑誌や新聞の年間購読料は、「物の譲渡」ではなく定期的な役務提供とみなされるため、短期前払費用の特例の対象となるケースがあります。
ただし、年度によって処理方法を使い分けると、利益調整とみなされるリスクもあるため、契約内容を確認したうえで、自社の経理方針に沿った一貫した処理が求められます。
業務に必要な書籍を従業員が立て替えて購入し、後日会社が精算する場合は、会社側で「新聞図書費」として処理します。
一方、会社が費用を負担せず、従業員が自費で支払った場合には、一定の要件を満たせば「特定支出控除」の対象となる可能性があります。
特定支出控除とは、給与所得者が業務に直接必要な支出をした場合に、一定額を超える部分を所得控除できる制度です。
制度を利用するには、領収書の保存に加え、会社が業務上必要な支出であることを証明する書類を発行し、従業員自身が確定申告を行う必要があります。
制度の詳細については、国税庁の「No.1415 給与所得者の特定支出控除」で確認できます。
2019年10月に導入された軽減税率制度では、週2回以上発行され、定期購読契約に基づいて提供される新聞(紙媒体)について、消費税率8%が適用されます。
一般紙に限らず、業界紙やスポーツ紙、外国語新聞なども要件を満たせば対象となります。
一方、インターネット配信による電子版の新聞は、「役務の提供」として扱われるため、軽減税率の対象とはならず、標準税率10%が適用されます。
実務では、請求書や領収書で、紙媒体か電子版か、定期購読契約に該当するかを確認したうえで、正しい税率で仕訳処理を行うことが重要です。
軽減税率の考え方については、国税庁「軽減税率制度の概要」を参考にするとよいでしょう。
新聞図書費は、業務に必要な知識や情報を得るための書籍・新聞・デジタルコンテンツを処理するための勘定科目ですが、すべての書籍が無条件に認められるわけではありません。
重要なのは、事業との関連性が明確であることです。特に定期購読については、発生主義に基づく期間対応や、前払費用・短期前払費用の特例の適用可否を正しく判断する必要があります。
また、紙媒体と電子版で消費税率が異なる点や、従業員の自費購入が特定支出控除の対象となる可能性がある点にも注意が必要です。
取引内容や契約条件を確認し、自社の経理方針に沿って一貫した処理を行うことが、適正な会計・税務対応につながります。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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