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資本主義の飛躍的な発達の陰にあった複式簿記

公開日2018/05/19 更新日2018/05/18

資本主義の飛躍的な発達の陰にあったのは複式簿記。
複式簿記という仕組みが21世紀の世界経済を支配するに至った経緯を、新進気鋭のフリージャーナリストが複式簿記そのものに焦点を当てて解き明かした一冊をご紹介します。

会計というフィルターを通してみる世界経済史

会計システムの起源とされているのは、古代メソポタミア人が農作物の収穫量、およびその交換を記録したものです。
その会計の原型ともいうべきスタイルから、資本主義社会隆盛の現代に至るまでの歴史を、「会計」というフィルターを通して語っているのが「バランスシートで読みとく世界経済史」です。

本書によると、「14世紀のベネチアで広まった複式簿記には、資本と利益を区別して計算するという、現代の株式会社も必要とする基本的な機能を備えていたことから、世界中で採用されることになった」そうです。

ベネチア式複式簿記の仕組みを生み出したのはルカ・パチョーリで、彼の歩みから歴史を読み解く形式をとっているため、現代の資本主義を支える複式簿記が、ベネチア式複式簿記と呼ばれた背景についても、よくわかる内容となっています。

ベネチア式複式簿記が資本主義隆盛の原動力

序章が、アメリカのジョン・F・ケネディ上院議員(1968年当時)の演説の引用から始まるのも斬新で、そもそも、ベネチア式複式簿記が生まれた背景には、「富を測定したい」という人間の欲望があり、それが資本主義隆盛の原動力になったというのです。

目次を見るだけでも、興味が注がれます。
序 章 ロバート・ケネディと富の測定
第1章 会計――コミュニケーションの始まり
第2章 商人と数学
第3章 ルカ・パチョーリ、有名人になる
第4章 パチョーリの簿記論
第5章 複式簿記の普及
第6章 産業革命と会計士の誕生
第7章 複式簿記と資本主義――卵が先か、鶏が先か
第8章 ケインズ――複式簿記と国民の富
第9章 会計専門職の台頭とスキャンダル
第10章 会計は地球を救えるか
終 章

次ページ 「会計」の歴史書でもあり「世界経済史」の歴史書でもある

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「会計」の歴史書でもあり「世界経済史」の歴史書でもある

会計という概念が生まれたいわゆる黎明期から、現代の成熟した資本主義に至るまでの経緯を、「会計」というフィルターを通して論じるという視点はこれまでになかったものだけに、会計の専門家はもちろん、会計の知識が乏しい門外漢にまで話題となっています。

「会計」の歴史書、または「世界経済史」の歴史書としても読むことができる、異質の一冊といえるのではないでしょうか。

バランスシートで読みとく世界経済史/ジェーン・グリーソン・ホワイト(著)、川添節子(訳)/日経BP社

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