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法務職への転職活動を進めるなかで、「志望動機の作成に悩んでいる」という方は少なくありません。
志望動機は、書類選考や面接で重要視される項目で、採用担当者に「この人と一緒に働きたい」と感じてもらえる内容にする必要があります。
しかし、法務の分野では何をアピールすべきか、どのような表現が評価されるのか、迷うことも多いでしょう。
今回の記事では、法務職で評価される志望動機の書き方について、具体例を交えながらわかりやすく解説します。
志望動機は、選考の中でも重要な項目です。
それは、「なぜその企業を選んだのか」を伝えるためのものであり、転職活動におけるアピールポイントの1つになります。
例えるならば、志望動機は「好きな人に告白する」ようなものです。
告白する際には、相手に「なぜ好きなのか」「どうして一緒にいたいのか」を誠実に伝えなければなりません。
同じように志望動機も、企業に対して「なぜこの会社に入りたいのか」「なぜ自分を選んでほしいのか」を具体的に伝えます。
ただ単に「好きです!」と伝えるだけでは、相手に響かないのと同じように、漠然とした志望動機は効果が薄いものです。
志望動機に具体性があると、企業側に「この応募者は私たちのことをよく理解してくれている」「本気でこの会社で働きたいと考えている」と感じてもらえるでしょう。
履歴書に記載する志望動機は、採用担当者に「なぜ、あなたがこの企業で働きたいのか」を端的に伝える項目です。
履歴書の志望動機欄は、200〜300字程度が目安になります。
短すぎると熱意が伝わらず、長すぎると要点が不明瞭になるため、適切な長さを意識しましょう。
また、志望動機を書く際は、以下のような構成に沿って記載するとスムーズです。
構成 | 内容 |
---|---|
応募理由 (導入) |
「なぜこの企業を選んだのか」を簡潔に説明します |
自己PR (スキル・経験) |
「自分がどのように貢献できるか」を書きます |
将来の展望 (締め) |
企業でどのように成長していきたいかを明確にします |
「御社の環境に魅力を感じた」という曖昧な表現ではなく、どの部分に魅力を感じたのかを具体的に書きましょう。
長文や専門用語の多用は避け、採用担当者がすぐに理解できるように書きます。
法務への志望動機作成には、次の3つのポイントがあります。
法務職として転職を考える際、退職理由と志望動機の整合性は必ず意識しましょう。
企業側は「なぜ現職を辞めるのか」「その上でなぜ当社を選んだのか」という話を通じて、あなたの意欲や適性を判断します。
退職理由と志望動機が矛盾していると信頼性に欠け、採用担当者の心には響きません。
「上司との関係が悪化したため」「仕事の負担が大きすぎたため」など、ネガティブな理由はなるべく避けましょう。
実際にネガティブな理由で退職した場合でも、ポジティブな表現に変えるのがおすすめです。
たとえば「法務業務のなかでもとくに〇〇の分野に挑戦したいという思いがあり、より専門性を磨ける環境を求めて転職を決意しました」などは、ポジティブな理由で転職する例です。
法務未経験者が転職活動で志望動機を伝える際は、「法務を目指したきっかけ」とそれに基づくキャリアビジョンを示すとよいでしょう。
「なぜ法務を選んだのか」を具体的なエピソードを交えて説明すると、説得力のある志望動機が書きやすくなります。
「法務に興味を持ったから」「契約書に関わる仕事がしたいと思ったから」などの理由は、具体性がなく説得力がありません。
「前職で契約書の確認を依頼される機会が増え、法的な視点で業務を支える重要性を感じたことがきっかけです」「〇〇に取り組むなかで法務の専門知識が必要だと感じ、独学で資格を取得する過程で、法務の仕事に魅力を感じました」など、自分自身の経験と結びつけることで、未経験ながらも法務職を目指す理由が書きやすくなります。
加えて、法務を選んだきっかけだけでなく、「法務職でどのようなキャリアを築きたいか」「そのキャリアを叶えるには御社しかない」といった内容も具体的に述べましょう。
この部分を丁寧に書けると、未経験でも意欲や成長意欲をアピールできます。
法務職ならではのポイントですが、志望動機を作成する際に他の応募者との差別化を図るためには、応募企業が扱う「法律分野」と「その企業における法務の役割」を理解しておくことが重要です。
企業が関わる業種や業界によって、法務が扱う法律分野は大きく異なります。
たとえば製造業であれば製造物責任法(PL法)を扱いますし、IT業界であればサイバーセキュリティ関連の法律・ガイドラインを参照することも多いでしょう。
志望動機には、その企業が直面する特定の法律課題や業界特有の規制に触れることで、「御社だからこそ応募した」という説得力を高めることができます。
また、企業法務の役割は、業界や企業規模、組織体制によって異なります。
たとえば新規事業の契約交渉に関与する役割や、コンプライアンス体制を整備する役割など、企業が求めている具体的な業務を把握しつつ、それに沿った志望動機を作成するとよいでしょう。
上記を見てもわかるように、効果的な志望動機を書くためには、応募企業について事前に十分な調査を行う必要があります。
とくに法務職の場合は、その重要性がより大きいといえるでしょう。
「私は、自動車部品の製造を行っている企業で法務兼総務担当として4年間従事しておりました。
法務としては、契約書の作成・審査や知的財産などの業務に携わり、また同時に総務として組織運営サポートなど幅広い業務経験を積んでまいりました。
今後はより法務の専門性を深めたいという気持ちが強くなり、今回転職を決意しました。
貴社は自動車業界をリードする企業として、特許を取得されており、知財を活用した攻めの法務の役割も果たしている点に、大変魅力を感じております。
これまでの業務経験を活かして、知的財産の管理および活用を通じて新たなビジネス機会を創出し、法務としてのスキルをさらに磨き、企業の発展に貢献したいと考えています。」
「私は住宅メーカーの営業職として5年間従事してまいりました。
この間、契約交渉やリスク管理に深く携わるなかで、大学時代に法学部で学んだ法律知識を再び活かしたいという思いが強まり、実務未経験ではありますが法務への転職を決意しました。
これまでの営業経験で培った業界特有の商慣習や顧客の視点は、建築不動産業の法務部でも契約内容の実効性をより高めるために活かせると考えています。
また、より実務レベルの法務知識を身に付けるため、ビジネス実務法務検定2級を半年ほど前に取得いたしましたので、実務未経験ではございますが、迅速に業務に適応し、法務の分野で貢献できるよう取り組んでまいります。」
本記事でも紹介した、法務を目指すきっかけが具体的に書かれている点が重要です。
営業職の具体的な業務と法務の関連性を説明しており、キャリアチェンジの理由に一貫性があります。
採用担当者にとって、「実務未経験だが、法務への興味が営業の経験から芽生えた」というストーリーが理解しやすく、応募者の動機に共感しやすい内容です。
未経験である弱点をカバーするために、「ビジネス実務法務検定2級を取得」という具体的な成果を示しているのもポイントです。
資格を取得した時期(半年ほど前)を記載することで、応募に向けて着実に準備していることが伝わります。
法務経験者が志望動機を書く場合、実務経験の具体性がないと説得力に欠けます。
「契約書作成をしていました」「法務に携わっていました」といった曖昧なアピールでは、他の応募者との差別化が難しいでしょう。
年数や成果、学んだ知識を明確に示し、応募先で役立つ経験であることを伝えるのが重要です。
志望動機に待遇や年収を理由として挙げると、短期的な理由で転職を考えている印象を与え、企業への興味や熱意が伝わりません。
「よりよい環境が欲しい」という意図は理解されても、「なぜこの企業なのか」が伝わらないため、不採用の原因となることがあります。
応募企業の特徴や魅力にフォーカスし、待遇や年収以外の志望動機を強調しましょう。
「現職での人間関係がよくない」「仕事が面白くない」などのネガティブな退職理由をそのまま伝えると、不満や問題を抱えたまま転職を考えている印象を与えます。
採用担当者に、「同じ理由でまた辞めてしまうのではないか」と懸念される可能性があるため、なるべく避けましょう。
キャリアアップやスキルの発展など、ネガティブな理由をポジティブな理由に言い換えることが重要です。
法務職への転職活動では、志望動機が採用の成否を大きく左右します。
志望動機を説得力のあるものにするには、応募企業の特徴やニーズを深く理解し、それに基づいた具体的な内容を記載することが重要です。
志望動機の作成をはじめ、書類選考や面接対策に不安を感じる方には、転職エージェントの利用がおすすめです。
法務特化型転職エージェント「MS Agent」では、志望動機や履歴書の添削・アドバイス、法務職に精通したプロによるキャリア相談を実施しています。
法務職に特化したアドバイスを受けることで、自分の強みを最大限アピールし、採用担当者に響く志望動機を作成できます。
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重要なのは、志望動機のなかで「法務の専門性を深めたい」というポジティブな理由が明確に述べられており、転職を前向きなステップとして説明できている点です。
現職での法務・総務の幅広い経験を肯定的に振り返りつつ、次のキャリアで何を目指したいのかを具体的に示しています。
具体的な業務内容(契約書の作成・審査、知的財産業務、組織運営サポートなど)が記載されており、応募企業のニーズにマッチしていることを示しているのもポイントです。
法務だけでなく総務の業務経験も含めることで、柔軟性をアピールできています。