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文具大手の「コクヨ」が、筆記具大手の「ぺんてる」の敵対的買収に乗り出すことを発表し、株の争奪戦繰り広げられています。ここでTOBに関する敵対的TOBや友好的TOBなど、ビジネスパーソンとして知っておくべきポイントをまとめてみました。
そもそもコクヨとぺんてるは、経営統合を目指し、コクヨがぺんてる株の買収を表明していました。ところが、ぺんてるが文具大手の「プラス」に支援要請を行っていたことが表面化したことで、事態は複雑な様相を呈することになったわけです。
コクヨとプラスは、文具業界のライバル同士です。コクヨは買収価格を引き上げ、ぺんてる株の50.1%以上を取得して経営権を握ろうと、いわば敵対的買収の乗り出したわけです。一方、ぺんてるの支援要請を受けたプラスは、いわゆる“ホワイトナイト”という立場です。
企業を買収し、経営権を握ろうとすれば、証券市場で株を買い進めるか、証券市場外で株式公開買付(TOB=Take Over Bid)によって買い付ける方法があります。発行済み株式の33%以上を取得する場合は、TOBを利用するというのがルールです。
なぜ、TOBという手法をとるのかといえば、経営権を握るためには、証券市場で大量の株式を買い進める必要があります。しかし、必要となる株数を取得するためには時間がかかり、株価も上昇してしまうことが考えられます。
TOBは、市場で株式を買い集めるよりも、一定の資金で多くの株式を集めることができる方法ですが、買う側と買われる側の関係によって、友好的TOBと敵対的TOBと呼ばれることがあります。
友好的TOBとは、買収する側とされる側の両者が合意のうえで行われるTOBで、買収する側とされる側の合意がなければ、買収される側は防衛策をとることになり、敵対的TOBと呼ばれます。
日本では、ほとんどが友好的TOBでしたが、外資系投資ファンドの台頭などにより、敵対的TOBも目立つようになってきました。
その背景にあるのは、企業同士の株式持合い解消が増加したことや、外資系投資ファンドからすれば、日本の企業は、日本特有の企業体質によって割安な企業が数多く存在していたことなどが挙げられます。
買収する側とされる側が合意したうえでのTOBなら、株式の買い付けもスムーズにいくでしょうが、買収される側が買収されることを望んでいない場合は、さまざまな防衛手段で対抗することになります。
防衛策として知られているのは、ホワイトナイト、ポイズンピル、焦土作戦、株主価値の向上などです。
ホワイトナイトとは、敵対的買収を行う側に対抗して、友好的な株式買付を進める防衛策です。その手法は、敵対相手よりも高いTOB価格で買い取る方法や、被買収企業の第三者割当増資を買うなどの方法があります。
ポイズンピルとは、既存株主に新株を発行することで、敵対的買収相手の持株比率を相対的に下げる手法です。
ホワイトナイトやポイズンピルが使えなかった場合、自社の事業や資産を切り離すことで企業価値を下げ、敵対相手に買収を諦めさせるという、最終手段ともいえるのが焦土作戦です。
ビジネスがグローバル化したことにより、日本でもTOBが注目されるようになってきました。敵対的TOBにも友好的TOBにも、そして敵対的TOBの防衛策にしても、それぞれメリット・デメリットがあります。
しかし、企業買収はこれからますます盛んになってくるでしょう。有望な技術を有する企業や、資産価値の高い企業ほど買収の対象となる可能性があり、また、さらなる成長を目指すために買収に乗り出すこともあるでしょう。財務担当者としては、財務状況を把握しておくことはもちろん、株主の意向も日ごろから確認しておくことが大切となりそうです。
関連記事:世間を騒がせた敵対的TOBの実例
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