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日本人は働きすぎと言われていますが、国が定めた祝日は年間16日と、先進諸国の中では最多です。
5月の大型連休や、祝日と土日、振替休日をからめた連休が各月にはあるのに、なぜか6月だけ祝日がありません。
その理由はなぜなのでしょう?
たまたま該当する記念日がなかったから?
祝日は、「国民の祝日に関する法律」(第178号)によって定められています。2016年に8月11日が「山の日」と制定され、ついに祝日がないのは6月だけになりました。
なぜ、6月に祝日がないのかを調べてみましたが、とくに理由はなく、たまたま、「国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日~」(第1条)に該当する記念日がなかったからのようです。
ところで、国が定めた祝日は日本の16日に対して、アメリカ10日、イギリス8日、フランス11日、ドイツ9日となっています。日本は祝日が多いにもかかわらず、働きすぎといわれるのは、労働者の有給休暇取得数が極めて少ないことが原因のようです。
年次有給休暇を有効活用する働き方
6月に祝日がないのなら、土日の前後に年次有給休暇を効果的に活用すれば、連休気分を味わうことができます。ところが、厚生労働省の調査では、日本の有給休暇取得率は48.7%で、欧米各国と比べると、きわめて低いとされています。
年次有給休暇は、読んで字のごとく休んでも賃金が支払われる休暇のことで、労働基準法39条1・2項の要件(全労働日の8割以上の出勤等)を満たせば認められる制度で、1年ごとに毎年一定の日数が与えられ、日数は最低10日、継続勤務1年ごとに加算され、法律上の上限は20日となっています。
有給休暇で注意したいのは、2年間という時効があり、支給から2年を過ぎると消滅するということです。つまり、消化しなければ、せっかくの有給休暇がなくなってしまいますから、効果的に使うようにしたいものです。
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求められる新たな雇用環境やワークスタイルバランスの構築
有給休暇の日数が最も多いのがフランスとフィンランドの30日で、長期休暇をとってのバカンスは、ヨーロッパでは当たり前になっています。日本の平均10日と比べると、その差は歴然としていますが、有給休暇の消化率もフランスでは90%を超えています。
日本で有給休暇の取得率が低いのは、残業や休日出勤も物ともせずに働くモーレツ社員が美徳とされてきた企業文化が長く続いてきたことが影響しているようです。しかし、終身雇用制の中で培われてきた働き方は大きな変革の時期を迎えています。
これからの企業に求められるのは、労働時間の短縮だけでなく、新たな雇用環境の構築やワークライフバランスの適正化など働き方そのものの変革です。管理部門の担当者は、社員が有給休暇を効果的に活用していくための体制を整えることも必要になってくるのではないでしょうか。
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