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ニュースなどで、企業のCEOが決算状況を説明する姿を見かけることが多くなりました。このような会合を決算説明会と呼びますが、ホームページにはIR(Investor Relations:投資家に向けた広報活動)資料として決算資料が掲載されている場合も多いのに、なぜわざわざ説明会を開催する必要があるのでしょうか?また同じように決算状況を説明する機会として株主総会もありますが、決算説明会とは何が違うのでしょうか?本記事では、決算説明会の概要とその目的について説明していきます。
決算説明会とは、企業(基本的には上場企業)が定期的に開催し、自社の経営に関わる決算状況を説明する会合です。四半期毎に開催される場合もありますが、一般的には本決算後と中間(第二四半期)決算後に行われることが多いようです。
決算説明会の対象者は、機関投資家と証券会社(アナリスト)、報道関係者であることがほとんどで、誰でも参加できるわけではありません。決算資料は事前に発表されているので、説明会のメインイベントは経営者による説明後の質疑応答です。ほとんどがアナリストによる質問で、鋭い質問内容が多いのも決算説明会の特徴です。企業によっては、誰でも参加できる個人投資家向けの説明会を別途開催していることもあります。
決算説明会と株主総会は何が違うのでしょうか?まず株主総会には、株主でなければ参加できません。また株主全員が参加できるわけではなく、郵送されてくる株主総会招集通知書に同封されている「議決権行使書」をもっていなければ参加することができません。「議決権行使書」の発行には幾つかの条件があり、株主全員に配布されるものではありません。決算説明会とは、参加の対象者が違うのです。
また株主総会には、定時株主総会と臨時株主総会の2つがあります。定時株主総会は、毎事業年度の終了後に開催しなければならない義務が課せられています。これは会社法上で定められており、毎年株主を招集して行われます。臨時株主総会に開催義務はありませんが、必要に応じて年に何回でも開催することができます。株主総会では直前の年度の業績報告や次年度の方針なども説明されますが、一番の特徴は企業の重要事項を決める場である、ということです。重要事項は大きく3つあります。
・企業の根本に関わる事項
定款の変更や組織改編、事業譲渡や合併など、事業運営の根本を変える事柄については、株主総会での決議が必要です。
・役員の人事に関する事項
取締役や執行役員、監査役の選任や解任も企業にとっての重要事項なので株主総会で決議します。
・株主の利害に影響を与える事項
剰余金の配当(株主配当)や、取締役や執行役員、監査役の報酬についても株主総会で決定します。
企業は株主が所有しています。経営陣は株主から運営を任されている立場にあるので、重要事項については株主にお伺いを立て、許可を得てから実行していく必要があるのです。重要事項に相当する判断が必要な場合には、いつでも臨時株主総会を開催し株主の判断を仰ぎます。決算説明会と株主総会は会議の目的もまったく違うのです。
前述のように決算資料は事前に発表されているので、決算説明会は言葉によるアピールと質疑応答、コミュニケーションの場と考えることができます。決算状況が計画に比べ上方修正が必要になるくらい好調なら問題はないのですが、経営にとってネガティブな要素がある場合や、下方修正を行った場合には説明が必要になります。ただ単にホームページなどで決算資料を発表しただけでは憶測が一人歩きをし、最悪の場合には風評被害を受けることも考えられるからです。ネガティブな内容ほど、CEOなどの責任者が前面に立って説明責任を果たす必要があるのです。
決算説明を行う相手は、機関投資家と証券会社のアナリストです。ウソやごまかしが通じる相手ではありません。また、決算説明会への参加者は限定されていますが、昨今は決算説明会の模様をインターネットで配信する企業も増えています。つまり全世界がその企業の動向に注目していると言っても、決して過言ではありません。
2019年11月、ソフトバンクグループの孫 正義会長兼社長は、「本年度の第二四半期は大赤字である」と認めたうえで、決算の説明を行いました。特に投資による損失が、経営にインパクトを与えたことについて「自分の判断がまずかったと反省している」と述べました。
この誠実さが、機関投資家やアナリストにどのように受け止められたのかは判断できませんが、中継映像を見た一般の視聴者に好感をもって受け入れられたことは事実であるようです。
その使い方によっては企業にとって毒にも薬にもなる、それが決算説明会なのです。
決算説明会は、単に決算報告をするだけの場ではなく人間同士のコミュニケーションの場でもあります。インターネットで配信を見る機会があったなら、自社の業績や今後の方針を説明する責任者の表情に注目しましょう。特にアナリストから発せられる質問に、臨機応変に答えることができるか否か、責任者の応対を見ればその企業の将来像が見えてくるかもしれません。
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