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仕事ができる、できない、の判断材料の一つに、リーダーシップが備わっているかどうかがあります。書店をのぞくと、リーダーシップについて書かれたビジネス書を多く見かけますが、時代とともにリーダーシップ像も変化しているようです。リーダーシップとは何か、これからの時代に求められるリーダーシップ像とはどのようなものかを考察してみました。
広辞苑によると、リーダーシップは「指導者としての地位または任務。指揮権。指導者としての資質・能力・力量。統率力」とあります。つまり、チームを牽引していく指導力や統率力が、リーダーシップの一般的な定義といえるでしょう。
リーダーシップについては、学者や有識者たちが解説していますが、ビジネスパーソンに馴染み深いのは、経営学者としても有名なピーター・ドラッカーが提唱した「リーダーシップ論」ではないでしょうか。
ドラッガーのリーダーシップ論によれば、「リーダーとはカリスマ性とは関係がなく、人々が自ら“つき従う”こと」と定義しています。
具体的には、「目標達成のためのビジョンを示す」「ビジョンが実現するように、スタッフのモチベーションを維持しながら励ます」「ビジョンを実現するにあたって問題となる部分を解消する」能力を備えた人ということです。
1966年に社会心理学者の三隅二不二が1966年に提唱した「PM理論」も、リーダーシップ論の一つとして知られています。
PM理論は、「目標達成機能(Performance function:P機能)」と「集団維持機能(Maintenance function:M機能)」の2つで構成されているという理論です。
P機能は、目標を定め計画を立て指示を出すなど、成績・生産性を向上させるための能力のこと、そしてM機能は、チーム全体の人間関係に着目し、友好に保ちながら強化・維持する能力のことです。
PM理論は、チームを発展させる機能を探る中でたどり着いた理論で、P機能とM機能の高い人をリーダーの理想像として定義しています。つまり、目標を達成するための行動力があり、チーム全体を良好かつ強化・維持できる能力に優れていることがリーダーには必要ということです。
ところで、リーダーシップを遡っていくと、古代ギリシャ時代にプラトンが説いた「国家論」の中に、リーダーシップとは「英知に優れていること」、さらにルネサンス期にはマキャベリが「君主論」の中で「権謀術数に長けていること」と記しているそうです。
いつの時代にも、リーダーシップが求められていたようですが、チーム全体で成果を上げるためには、周囲をその気にさせる影響力を持つ人の存在が欠かせなかったようです。
ところで、必要とされるリーダーシップも、時代とともに変わってくるようです。第四次産業革命といわれるいま、デジタル化の進展とともに、社会は大きな変革期を迎えています。働き方改革によって、働く場所も時間も自由に選択できるようになりつつあります。
また、終身雇用制や年功序列など、ピラミッド型の組織の構造も変わろうとしています。社会の構造がダイナミックな変化を遂げている中では、リーダーシップ像も変化し、時代にふさわしいものが求められるようになるのではないでしょうか。
いつの時代にも、ビジネスや政治の世界では、行動力と人心掌握術に卓越したリーダーが求められていたようです。書店には、さまざまな「リーダーシップ解説本」が溢れています。時代が不透明になればなるほど、強烈なリーダーが求められるものですが、これからの時代は、1人のリーダーの力だけで目標を達成できる時代ではなさそうです。
さまざまなリーダーシップ解説本に目を通し、これからの時代に求められるリーダー像を、自分なりに描いてみてはいかがでしょうか。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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