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帝国データバンクが、2006年から毎年1月に実施している賃金調査「2020年度の賃金動向に関する企業の意識調査」の結果が発表されました。世界経済全体が後退局面にあるだけに、ビジネスパーソンにとしても、2020年度の賃金動向が気になっているのではないでしょうか。
目次【本記事の内容】
2020年度の企業の賃金動向については、正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引上げ)が「ある」と見込む企業は 53.3%と、4 年連続で 5 割を上回っています。しかし、前回調査(2019 年 1 月)の 2019 年度見込み(55.5%)と比較すると、2.2 ポイント減少しています。
一方、「ない」と回答した企業は 20.2%となり、前回調査(19.1%)から 1.1 ポイント増加し、3 年ぶりに 2 割超えとなっています。
会社の業績に応じて一律に賃金を上げるベースアップについては45.2%と、4年連続で4割台を維持していますが、前年度比では0.4ポイント減となり、賞与(一時金)は26.3%で、前年度比4.0ポイント減となっています。
企業が賃金改善に取り組む背景には、深刻な人手不足があります。改善理由のトップは「労働力の定着・確保」が80.6%で過去最高を更新しました。
賃金改善がある企業を業界別にみていくと、トップが「建設」(57.9%)、次いで「運輸・倉庫」(55.2%)、「サービス」(54.3%)、「製造」(54.2%)、「小売」(53.5%)と、人手不足が深刻な業界が上位を占めています。
一方、「自社の業績拡大」を理由に賃金改定を行うのは36.0%で、前年から4.9ポイント下回り、業績低迷を理由に「改善しない」は、前年度比5.5ポイント増の58.1%で、5年ぶりの増加となっています。
2019年度より、賃金改善を実施する企業の割合は減少しているものの、半数強が賃金改善を実施していることから、全体としては改善傾向にあるとみられます。その結果、企業の総人件費は平均 2.85%上昇し総額約4.7兆円、そのうち従業員への給与・賞与は3.7兆円増加すると見込まれています。
人件費が「増加」する企業の割合が最も高かったの「サービス」で、なかでも「メンテナンス・警備・検査」(85.4%)、「医療・福祉・保健衛生」(83.3%)、「飲食店」(82.1%)では 8 割を上回り、同じく人手不足で悩まされる「運輸・倉庫」「建設」も7割超で続いています。
2020年の国内景気は、消費増税による個人消費の落ち込み、米中の貿易摩擦に不安定な中東情勢、そして新型コロナウィルスの感染拡大が、世界経済に大打撃を与えています。
しかも、新型コロナウィルスの感染拡大は、WHOのパンデミック宣言により、終息の目途も立たず、日本が景気浮揚のカギとしている東京五輪も、延期が決定しました。
内定取消しやコロナ倒産も出てきているだけに、ここ数年続いてきた賃金改善ムードが、どこまで維持できるかの判断も難しくなりそうです。景気の先行きが見通せないといっても、優秀な人材を確保するためには、魅力的な賃金体系を示す必要もあります。そのためには、景気動向や同業他社の賃金状況などを、注意深くみておくことが、この難局を乗り切るためには大切となるでしょう。
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