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税理士試験は、難関に数えられる国家試験のひとつです。しかし、難関であるにもかかわらず、せっかく税理士になっても「食えない」人が続々と増えているといいます。その背景にはどのような事情があるのでしょうか。
なぜ「税理士は食えない」といわれているのでしょうか?
その理由として、
・AIや会計ソフトに仕事を奪われている
・ベテラン税理士の割合が高い
・他士業が税理士の仕事をしている
ことがあげられます。
「税理士が食えない」といわれる理由として、AIや会計ソフトに仕事を奪われていることが第一にあげられます。
会計ソフトは、従来、会計や税務についての専門知識をある程度もっていないと扱うのが難しいものでした。
そのために、一般の人が使用することはそれほど多くなく、税理士が使用して、自身の仕事を効率化するためのものであったといえます。
ところが近年の会計ソフトは、以前のものと比較して、使い勝手が圧倒的によくなっています。
日々の記帳や申告書の集計作業は、会計についての知識がほとんどなくても、問題なく行うことができます。
また、クラウド型の会計ソフトは、インターネットバンキングやクレジットカードの明細をインターネット上で収集し、記帳を自動的にしてくれます。
さらには、AIの登場により、試算表の確認・修正作業を行う月次監査も自動化されつつある現状です。
中小企業や個人事業主の記帳や月次監査、申告書の集計作業は、従来は税理士の大きな仕事とされてきました。
その仕事が近年では、AIや会計ソフトに奪われつつあるといえます。
ベテラン税理士の割合が高いことも、「税理士は食えない」といわれる理由です。
税理士に定年はありません。
したがって、ベテラン税理士は、本人が意欲をもつ限り仕事を続けることになります。
しかも、ベテランの税理士ほど、顧客を獲得しやすいのが現実です。
長年の経験によって培われたスキルと信用があるからです。
なかでも国税OBのベテラン税理士は、税務調査の具体的な手法を知り尽くしていることから、中小企業からの信頼は厚いといわれています。
これら顧客を獲得しやすいベテラン税理士が多くいることにより、若手の税理士には仕事がなかなか回ってきにくいといわれています。
ただし、ベテランの税理士は、AIや会計ソフトによる技術革新になかなか対応できないケースもあります。
また、遠からず確実に引退することにもなりますので、現時点で大きな心配をする必要はないのかもしれません。
税理士が「食えない」とされる理由として、他の士業が税理士の仕事をしていることもあげられます。
税理士業界に参入している他の士業で代表的なのは、公認会計士です。公認会計士は、公認会計士試験に合格すれば、無条件で税理士資格も付与されます。
公認会計士も、有資格者が余剰の傾向にあります。そのために、監査法人に就職して安定的な収入を得られるのはごく一握りとなっており、“食えない会計士”になる恐れがある人たちは、自分で会計事務所を立ち上げたり、一般企業への就職をしたりしています。
そのような会計士のなかに、税務に関する案件を受注する人たちは多くいます。
公認会計士は、高度な簿記のスキルや財務諸表論の知識を身につけています。
また、公認会計士試験では、選択ではあるものの「租税法」の科目もあるため、的確に税理士業務をこなす人は珍しくありません。
会計士業界も、現役の公認会計士にむけた税務研修を継続的に行うなど、税務に関するクオリティの維持に余念がない状況です。
税理士の人口は、2019年現在で7万8,000人を超えており、それぞれが約4万人ずつとなる公認会計士や弁護士、行政書士、社会保険労務士などと比べても、人数が突出しています。
税務を扱う公認会計士の存在が、税理士業界の過当競争を生み、「食えない税理士」を生み出す一因になっているといえるでしょう。
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