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記事転載元:テレワーク・リモートワーク下での「チームビルディング」で必要なこと
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言をきっかけに、テレワーク・リモートワークを導入する企業が増えました。また、SlackなどのチャットやZoomなどのWeb会議ツールの利用者も増え、非対面でのコミュニケーションが徐々に一般的になりつつあります。
しかし、対面でのコミュニケーションが取れないことによって、「チーム内のコミュニケーションが減った」「メンバーが孤独感を感じている」「働き方は改善されたはずなのに、思うように生産性が高まっていかない」といった新たな課題が浮かび上がってきています。そこで今回は、複数の企業で人事領域を管掌し、メガベンチャーからスタートアップまで多くの組織づくりに従事してきた小島隆秀さんに、「チームビルディング」の観点からこの変化を乗り切るポイントをお聞きしました。
<プロフィール>
小島 隆秀
WAmazing株式会社の人事責任者として、人事総務全般を担当。新卒でリクルートエージェント(現:リクルートキャリア)に入社後、法人営業に従事。その後、グリー株式会社にて、人事および新規事業開発に従事。その後、SORABITO株式会社の人事責任者として人事全体を管轄したのち、現職。
チームビルディングを考える前に、まず「チームとは何か」から整理しましょう。
私が考えるチームの定義は、「ある共通目標に向かって、メンバーが連携し能力を高め合いながら、人数以上の成果を生み出す集合体」です。個々の能力に依存するのではなく、多様性を尊重しながら協働し、いかに掛け算的な成果を生み出すか。そこにチームの意義があります。
するとチームビルディングは、「チームの成果を最大化するための手段」であると定義できます。個性や多様性を認めつつ、いかに同じ目標に向かってパフォーマンスを発揮できるか。チームの連帯感をどう高めるか。それがチームビルディングの本質であり重要なことだと思います。
ひとつ、分かりやすい例があります。
一般的に優秀なタレントが揃えば、チームとしても高い成果が出せると思われがちです。実際にスタートアップ組織などにおいては、国籍やバックグラウンドがさまざまで、個性や多様性が強く、能力の高いメンバーがチームを組むことが多くあります。
しかし、そんなチームであっても必ずしも高い成果が出るとは限らず、むしろ思うように成果を上げられないといったこともあるのです。仮に組織ビジョンに共感するメンバーを集められたとしても同様です。
原因はいくつか考えられますが、以下のような事象が起こりがちです。
ビジョンを実現する上での目標や規範が、正しく経営から各組織(部門やチームなど)にブレイクダウンされていない
正しく各組織にブレイクダウンされていたとしても、それらが組織内の共通言語としてメンバーに伝わっていない、浸透していない
このような状況下では、メンバーが正しいやり方・方向性でパフォーマンスを発揮することができません。結果的に個人の業績がチームの業績に連動せず、チームが機能不全に陥ってしまいます。つまり、チームビルディングなしでは、どれだけタレントが揃っていたとしても成果を最大化できないということです。
そうならないためには、チームメンバー1人ひとりの頑張りがチームの成果に結びつくようにする必要があります。そのための具体的な方法は、以下の2つです。
①チーム目標の明確化(行動規範や判断基準などの決めごと・ルールも含む)
②協働意識の醸成(行動規範や判断基準などの共通言語を浸透させ、チームメンバーが互いに信頼しながら仕事に取り組める状態を作る)
これらを実現する手段はさまざま。飲み会やレクリエーション、ワークショップ、研修など、チームの状態や課題によって効果的な方法をリーダーが都度選択する必要があります。
はい。リモートワークが導入されたことにより、出社準備・通勤時間の削減、1人で作業に集中できる環境などから個人パフォーマンスは上がったと考えていいでしょう。実際に私が所属する会社の従業員アンケートでも、約半数以上のメンバーが以前と比べ生産性が上がったと回答がありました。
一方で、「個人パフォーマンスは上がったのに、チームパフォーマンスは下がった」という組織もあるようです。その要因は、先ほどお伝えした2つのポイントが低下したことにあると考えています。
リモートワーク環境下においては、どうしても自らの生産性向上や仕事完遂に意識が働きがちです。そのため自身の仕事がどうチーム目標に接続しているのかを考えることが難しく、ただ目の前の仕事をこなすだけになってしまいます。この状態では、仮にチーム目標が達成されたとしても、メンバーが仕事に対するやりがいや成長感を感じられなくなり、最終的にはエンゲージメントが低下することにも繋がります。
出社前提でお互いの顔が見える環境であれば、自然と他メンバーのことも考える意識が生まれます。しかしリモートワーク環境下では物理的に顔が見えないこともあり、どうしてもこの意識が生まれにくい状態になります。また仕事におけるプロセスが見えづらいことから結果だけがフォーカスされ、チーム内における相互理解や信頼が失われて行き、最終的にはチームの連帯感が低下します。
これらは、リモートワーク環境下ならではの状態と言えるでしょう。これらを改善するためには、上記2つの要因を認識した上で、意図的に環境を整備する必要があります。例えば以下のような施策が有効になるはずです。
■各メンバーの取り組んでいるタスクや進捗状況をチーム内で可視化し、いつでも把握できる仕組みを作る
■コミュニケーション量そのものを増やす。それが難しい場合は、量ではなく機会や頻度を増やす。
(例)週1回1時間のチーム定例ミーティングをする代わりに、毎朝または毎夕10分~15分のショート定例を実施し、互いの進捗やトピックをシェアする機会を設ける■チーム定例ミーティングや1on1などで、チーム目標をリーダーから繰り返し伝える(メンバーが自らの仕事とチーム目標の接続をイメージし、正しくパフォーマンスを発揮できるように)
フルリモートワークになり困ることはたくさんあります。特に課題となるのが「コミュニケーション」です。中でも業務の大半を占める“テキストコミュニケーション”への配慮が、課題解決においてとても重要になってきます。
対面の場合であれば、相手の発言だけでなく表情や声のトーン、動作などからも情報や感情を読み取ることができます。しかしチャットなどのオンラインコミュニケ―ションでは、テキストからそれらを読み取るしかなく、圧倒的に情報量が減少します。つまり、少ない情報から相手の意図や感情を読み取る「受け手の解釈力」がこれまで以上に求められる形になります。
しかし、受け手の解釈力だけに委ねていては、一向にコミュニケーションは改善しません。だからこそ、送り手側の意識改善や配慮、工夫がより一層重要になるのです。
「文字に感情を吹き込むこと」です。
私も普段から意識するようにしています。というのも、これまで長くチャットコミュニケーションが主流であるIT企業で仕事をしてきた中で、送り手の配慮や想像力に欠けた発信による「無用な摩擦」を経験してきたからです。
例えば、「申し訳ありません」と「申し訳ありません!」では、感嘆符があるかないかといった些細な違いしかありませんが、受け手への伝わり方は大きく変わることが理解いただけるかと思います。「申し訳ありません>_<」と顔文字を使うと、さらに印象は変わりますね。
コミュニケーションの効率化を考えるあまり、相手に正しく気持ちが伝わらなかったり、誤解を生んだりしてしまうことは対面でもあり得る話ですが、フルリモートの環境下ではそれが顕著に現れます。感嘆符や絵文字などのちょっとした工夫でそこを補うこと。そうした小さな配慮が、円滑なコミュニケーションのポイントと言えるでしょう。
リクルートが開発した「ピープルマネジメントノウハウ」を3ヵ月49,800円(税抜・1名あたり)で学べる研修プログラムです。 弊社では導入検討をしている段階なのですが、 オンラインのため自分のペースで取り組むことができ、リーダー向け研修の取っ掛かりとして最適だと考えています。
リクルートで30年にわたり組織における人間の「感情」や「個性」を深く追求した著者が、「個をあるがままに生かす」ことを前提とした経営論をリクルートでの事例を元にまとめた一冊。1993年に刊行され、今なお人材経営の原点として評価されています。
「100人いれば100通りの人事制度を」 多様性を尊重することを前提に、いかに組織をまとめて動かすかについて、サイボウズのこれまでの歴史や組織論が非常に詳しく書かれた一冊。身近な事例に溢れていて、大変参考になると思います。
ソフトウェア開発チームをうまく運営するコツについて書かれている本ではありますが、組織を率いるリーダーにとっても示唆に富んだ内容に溢れた一冊。「チームを作る三本柱」「チーム文化のつくり方」「有害な人への対処法」など、具体的で楽しい逸話とともに解説されています。
今回の小島さんへのインタビューを通じて、テレワーク・リモートワーク環境下におけるチームビルディングの変化を整理することができました。
それと同時に、「チームビルディングの本質は、環境が変わったとしても変わらない」ということにも気づくことができたと思います。人間の心理に基づいて最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を作る力は、人事やHR領域に関わる方はもちろん、組織やチームで働く全ビジネスパーソンにとって必要な力だと言っても過言ではないでしょう。
組織やチームとして働く本質が見直されようとしている今、チームビルディングを学ぶことはとても価値の高いことなのかもしれません。
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