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よく聞く「PR」と「IR」。その違いは?

公開日2020/08/27 更新日2020/08/28

企業の社会的認知度を上げる手段としては、かなり前からPRという手法が常識になっています。さらに上場企業を中心に、IRという手法も広く利用されています。

これら2つの手法は共に、企業のイメージ戦略の一環として用いられると同時に、経営戦略の一つとしても活用されます。ただしそのやり方には明確な違いがあります。

ではどのような違いがあるのか、PRとIRの具体的な内容について解説します。

PRとIRの定義とは?

PRとIRとは、どちらも英語がベースの略語ですが、PRは「Public Relations」であり、IRは「Investor Relations」のことです。それぞれの言葉の原義としては、「Public 」は「公の」という意味で、「Investor」は「出資者」、「Relations」は主に「関連性」を表します。

あえて日本語で表現すると、PRは「広報」と訳されることが多く、IRは「投資家向け広報」が近いとされています。

日本語にするとIRの方が、ターゲットを絞った印象を受けますが、では現在のビジネス界ではどのように使い分けられているのでしょうか?

時代とともに変化してきたPR

もともとは広報として幅広い層をターゲットに、企業のイメージを発信することがPRのやり方でした。テレビCMを例にとると、企業は自社の商品やサービスについて、視聴者という不特定多数に現在もPR活動を行っています。

こうしたPRは「宣伝」という言葉でも表すことができ、企業の経営戦略の一つですが、テレビではその他ニュースでとり上げてもらうなど、企業そのもののイメージアップも、PRとして行われてきました。

ところがインターネットの進歩に歩調を合わせて、これまでは一方向だったPRの流れが、双方向からさらに複数方向へと広がり続けています。企業がSNSをPRの流れに組み込んだことで、企業側から発信する情報に対して、今度は複数の相手から逆方向の情報が返されるようになったのです。

そこで新しいPR手法として、メディアの記者や視聴者に一方的に「広報・宣伝」するだけではなく、ターゲットを細かく分散させて、SNSなども活用してそれぞれとやりとりするという流れが構築されました。

さらに企業はさまざまなデータをもとに、ターゲットの分析や絞り込みなどを行い、一段と効率的なPR活動を展開することで、よりハイレベルな経営戦略を立てることができるようになりました。

このように一般社会に定着していたPRという手法も、社会の変化に合わせながら、それ自身も大きく変化を続けているのです。

より明確なターゲット層へのIR

IRが行われる対象は、PRよりもずっと明確です。IRは企業の資金調達戦略として位置づけられ、主に株主や投資家をターゲットに展開されます。目的は企業の価値をさまざまなメディアを通してアピールし、資金調達力を高めることです。

具体的には企業の経営状況、財務状況、業績推移、今後の見通しなど、株主や投資家がその企業に魅力を感じるような情報を発信します。その結果出資者が増えて増資ができれば、企業の経営基盤が安定するとともに事業の拡大も可能になります。

企業に出資する立場からすると、その企業の業績が今後どうなるのか、また安心して出資できる対象なのかということは、自己の資産を有効活用するためには欠かせない情報です。その情報によって、資産を増やすチャンスが手に入る可能性があるからです。

こうした出資者の欲求に応えるため、1990年代の後半ごろから、日本でも企業のIR活動が盛んになってきたのです。

日本でも広がりを見せるIR

現在日本では、上場企業の開示義務がある情報も含め、投資家向け情報としてIRを定期的に公開する企業が増えています。

その中でどのような情報が公開されているのか、大手企業のIRを参考に主な項目をピックアップしてみましょう。

・決算報告(四半期決算~通期決算)

・業績予想について

・配当予想について

・有価証券報告

・新規事業に関する情報

・各種事業報告

・社債発行について

・人事報告

これらの情報は全体の一部であり、その他にもコーポレート・ガバナンスや環境への取り組み、取締役からのメッセージなど、IRでは出資者に対して実に多様な情報が開示されています。

やはり企業の財務・経営に関する情報が多くなりますが、中には直接説明会を開いたり、企業内施設の見学会を開催したりするなど、独自のIR活動を展開する企業もあります。

安定した業績のある大手企業であれば、出資する側もある程度安心することができますが、新興企業への出資にはそれなりのリスクが伴います。しかし逆に考えると、IRを積極的に活用することによって、新興企業は資金調達のチャンスが広げられるかもしれません。

まとめ

企業のイメージ戦略と経営戦略とは、きわめて密接にリンクしています。その中で企業の伝統的な広報・宣伝活動であるPRは、社会の変化に合わせて進化を続けています。

一方で株主や投資家を対象にした、IR活動に力を入れて資金調達戦略の一環として積極的に活用する企業が増えています。

PRとIRとは、概念としては違った活動と言えますが、目的は企業価値を高めて事業の安定化を図るという点で一致しています。今後はそれぞれをうまく使い分けながら、効率的なイメージ戦略を行う企業が増えるのではないでしょうか。

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