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上司との打ち合わせや、顧客と契約の交渉をしているとき、正しい敬語で商談を進めていますか? よりよい成果を上げるためには、ビジネスシーンでの正しい言葉遣い、敬語の使い方が大切です。しかし、敬語を間違って使っていることが多いのも事実。また、自分は大丈夫でも部下や新人に対して指導することも大切です。大事な場面で恥をかかないために、敬語についておさらいしましょう。まずは接客編です。
来訪者の対応で間違いやすい敬語
まずは、会社に来訪者があったときの応対から見ていきましょう。
来客「お世話になっております。マネジー社のAです。営業部の方にお目にかかりたいのですが、お取り次ぎいただけますか」
受付「かしこまりました。営業部のどなたをお呼びいたしましょうか」
本人は丁寧に応対したつもりでしょうが、営業部の者は「内の人」で、来客は「外の人」です。敬語を使うべきは「外の人」に対してです。「どなた」は「だれ」の尊敬語で、「お呼び~」は「呼ぶ」という動作をへりくだった表現、「~いたしましょうか」で、さらに丁寧になっています。
つまり「内の人=身内」を立ててしまっていることが間違いとなり、来訪者に対して失礼な表現となります。
正解は「誰を呼びましょうか」、または「誰にいたしましょうか」です。
また、次のような場合はどうでしょうか?
「ただいま担当者がいらっしゃるのでお待ちください」
これも、担当者=身内を立てています。
正解「担当者が参りますのでお待ちください」
来訪者との面会を上司や、社長が担当する場合であっても、身内を立てることはNGです。
自分の行為やそれに付随することは謙譲語
しかし、つい「内の人=身内」を立ててしまいがちなのが、次のようなケースです。来訪者が社長にアポイントメントをとっており、会うことが決まっている場合、まず来訪者を応接室なり、会議室などに案内します。そして・・・
「隣の部屋に弊社の社長がおいでですので、ご案内いたします」
これも明らかな敬語の誤用です。「おいでです」は「いる」の尊敬語です。自分の行為やそれに付随することは謙譲語を使って表現します。
正解「隣の部屋に弊社の社長がおりますので、ご案内いたします」
また、社長が不在のときに、来訪者が社長を訪ねてきたときの対応です。
「申しわけありません。ただいま社長は外出なさっております。いかがいたしましょうか」
「なさる」は「する」の尊敬語、「おります」は「います」の謙譲語です。尊敬語と謙譲語を混在させることもNGです。
正解「社長はいま外出しております」
尊敬語・謙譲語・丁寧語・美化語の違い
ところで敬語にもいろいろあります。文化庁が平成19年に発表した「敬語の指針」では、敬語の種類を5つに分類しています。その違いも理解しておく必要があります。
「尊敬語」 相手または第三者の行為・ものごと・状態などについて、その人物を立てて述べるもの(いらっしゃる・おいでになる・召し上がるなど)。
「謙譲語1」 自分側から相手側又または第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの(伺う・拝見する・ご覧に入れるなど)。
「謙譲語2」 自分側の行為・ものごとを、話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの(おる・いたす・参る・申す・存じるなど)。
「丁寧語」 話や文章の相手に対して丁寧に述べるもの(です・ます・ございますなど)。
「美化語」 ものごとを美化して述べるもの(お菓子・お散歩など)
敬語を正しく使うためには、敬語の仕組みを知らなければなりませんが、知っているだけでは、実際の会話での中で使えるとは限りません。
敬語の仕組みで理解しておかなければならないのは、上下と内外の関係です。どのような場面でも、即座に正しい敬語を使えるようにするためには、何度も繰り返し使うことで、慣れることが一番です。
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