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コロナで公募割れ続出の2020年IPO市場

公開日2021/01/18 更新日2021/01/19


公募価格を上回る初値がつくことが多いIPOは、初心者でも失敗しにくく利益が出やすいとされていますが、そう一筋縄ではいかないのが株式投資の難しいところです。2020年は新型コロナウイルスの影響で、3月、4月に新規上場した株は軒並み公募割れとなるなど、異例の事態となりました。

コロナ禍で事情が大きく変わった2020年

厳しい審査をクリアして株式市場に新規上場し、初めてつく株価を「初値」といいます。上場する前に、公募価格を設定して株の購入者を募集し、抽選が行われます。

抽選に当たると公募価格で株を購入することができ、公募価格を上回る初値がつくと、それを売ることによる差額が、購入者の利益となります。しかし、公募価格よりも初値が下回ることがあり、それを「公募割れ」といいます。

本来、未上場企業が株式上場を果たすということは、その企業の成長性が期待されてのことですから、公募価格を上回る初値がつくものです。人気のあるIPOには買いが殺到し、公募価格の数倍、数十倍になることも、決して珍しいことではありません。

しかし、2020年はコロナ禍により事情が大きく変わりました。右肩上がりだった日本株や米国株も売りが売りを呼び、株式市場は一時期2008年のリーマンショック時を思わせるようなパニック状態を引き起こしました。

2020年の公募割れは18社

その後、株価が持ち直し、ワクチン開発の期待などから、バブル期並みに株価が上昇していきますが、新型コロナウイルスの第1波が世界中を襲った3月には、24社がIPOで上場したものの、18社が公募割れとなりました。

ちなみにここ数年の公募割れは、2017年が90社中8社、2018年が90社中9社、2019年が86社中9社ですから、1割程度ですから、2020年の数字が、いかに異様な事態であったのかを物語っています。

また、2020年4月16日時点で、IPO中止は18社です。医薬品の研究開発・製造・販売のペルセウスプロテオミクス、チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」を運営するロコガイド、IoT、認証・セキュリティ、Linux・OSSの分野で事業を展開するサイバートラストなどです。

コロナ禍だけではないIPO失敗の理由

IPO中止や公募割れとなるのは、IPOの失敗例といえますが、2020年が多かったのは、やはりコロナ禍による株式市場の変動です。

しかし、失敗する理由はコロナ禍であるというだけではありません。たとえば、テレワーク関連として注目された法人向けモバイルデバイス管理サービスのアイキューブドシステムズ、キャッシュレス決済サービス事業のGMOフィナンシャルゲートなども、IPO中止となっています。

上記の企業がIPOを中止した実際の理由はわかりませんが、コロナによる需要増が期待できたとしても、先行きが不明瞭であることや、コロナ以外の理由での業績の急激な悪化や、IPOを目指して組織体系や管理体制の変更に取り組んだことで、それが事業の足を引っ張ってしまった、など他にも様々な理由が考えられます。

そもそもIPOを目指す企業には、急成長しているスタートアップやベンチャー企業が多いものですが、その原動力となっているのは、社長の強烈なリーダーシップです。

しかし、株式上場となれば、社会的な責任も求められるようになり、さまざまな経営判断が必要になります。社長のリーダーシップに権限が集中するワンマン体制では、さまざまな経営課題に対応していくことは、かなり難しいといえるでしょう。

まとめ

IPOを成功させるためには、その企業の株が投資家にとって “魅力的”であるどうかです。その魅力を、株式市場にアピールすることができれば、公募価格を上回る初値をつけることができるのではないでしょうか。

そして、ご祝儀相場で高い初値がついても、その高値を維持、さらに上げ続ける努力をしていかなければなりません。
企業の本当の力が問われるのは、むしろ上場後ということでしょう。

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