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働き方改革のゴールは生産性の向上
皆様の会社ではどのように働き方改革に取り組まれていますか?各種の調査を見ますと、概ね半数以上の企業様で実際に取り組みを実施しており、かなりの企業で「労働時間の削減」に注力されているようです。
たしかに、労働時間を削減することは働き方改革に一定の効果がありそうです。事実、こうした取り組みにより成果が表れている、と考えている企業も少なくありません。
しかし、今一度考えたいことは、こうした取り組みが本当に「生産性の向上」につながっているのか、管理者と現場が一枚岩になれているのか、ということです。実際、「仕事量は減っていないのに、残業時間だけ減らせと言われる」、「そもそも業務に無駄があるので、長続きしない」といった現場からの不満の声も散見されます。特に中小企業では人材不足が深刻で、取り組みの継続は簡単ではありません。したがって、単なる労働時間の削減ではなく、業務そのものを見直し、「生産性を向上する」ことをゴールに設定すべきなのです。
そこで、本稿では『中小企業ではどのように働き方改革を実践すべきなのか?』という観点で、働き方改革の進め方を考えてみたいと思います。
ホワイトカラーの課題は、成果が見えにくいこと
ある日の業務を想像してみてください。
ー 朝、あなたが出社すると部下のAさんは黙々とパソコンに向かって作業しています。ー 昼、昨日依頼した作業の進捗を聞いてみると「はい、進めています!」という返事。ー 夕方、相変わらずAさんは黙々とパソコンに向かっています。 さて、もう一度進捗を聞いてみると「もう少しで提出できると思います。」という回答。ー 翌朝、Aさんに再び進捗を聞いてみると「もう少しでできます。。」という返事が返ってきました。
・・・さて、Aさんはいつ、作業を完了することができるでしょうか?皆さんの職場で同じようなことは起こっていませんか?
特にホワイトカラー(知識労働者)においては、一つ一つの成果や作業がとても見えにくいものです。成果物は物理的なモノとして可視化することができませんし、作業も基本的にパソコンに向かって行うため、活動を可視化することも容易ではありません。つまり、「誰が」「どの作業に」「どれだけの時間を費やしたのか」が分からないのです。
もちろん、こうした稼働時間( = 工数)の明細がきちんと把握できる仕組みが出来上がっていれば、全く問題はありません。
しかし、中小企業ではこうした仕組づくり自体に困難が伴います。たとえば、エクセルの勤務表などで管理していれば、そもそも数字申告が属人化しているために数字の信ぴょう性が疑われます。
たとえ正しく数字が申告されていたとしても、どの案件や作業にどれだけ工数を使ったのか、その内訳はブラックボックスになりがちです。また、こうした数字の集計作業にも経理の方や管理部の膨大な負荷が掛かります。したがって、数字の把握が翌月末に終わって報告は翌月初、なんということも珍しくないことです。
この状況では、どこから業務改善に取り組めばいいのか、どこをどう修正すればいいのか、分かるはずがありません。したがって、きちんと業務の実態や内訳をつまびらかに「見える化」することがスタートとしてとても重要になります。
まずは業務の仕組化・見える化から
ここでは工数管理の課題を例として挙げましたが、実はこれは会社内のあらゆる業務に共通する課題です。要するに、会社内で何が起こっているのか、実態がブラックボックスになりがちなのです。
そこで、ゴールを「業務の見える化」に置いてみましょう。見える化を実現することで、実にいろいろな課題をクリアにすることができます。主な効果は3つです。
① 業務のムダを発見できるまず、業務を可視化することで、様々なムダを発見することが出来ます。普段何気なく行っている業務にも、実は多くのムダがあるものです。例えば、上長への申請や承認。これらを紙で行っていると、いちいち印刷したり押印したり、確認の連絡をいれたり、、、1度だけの作業であれば問題ありません。しかし、こうした業務は1日に何度も発生します。「塵も積もれば山となる」で、こうした細かい業務を明らかにし、一つ一つ潰していくことで年間に換算すればかなりの業務削減になります。
他にも日常に潜むムダは沢山あります。転記や2重入力、同じような報告書の作成、などなど、本当に必要かどうか不明な作業が必ずあります。これを可視化することが何よりも重要なことです。
② 業務を整理できる業務を可視化する過程では、実は「業務を整理する」作業が必要になります。整理するとは、部門・職種ごとに業務内容を明らかにし、それを分類することです。こうした作業を経ないと、業務時間を正しく集計することが出来ません。
そして、実はこの「整理する・分類する」、という作業がとても重要です。
なぜならば、普段、誰がどんなことを行っているのか、ハッキリと分かっていないことが多いからです。整理をすることで、ブラックボックス化していた業務を誰の目にも分かるように明らかにすることができます。
すると、実はこんなムダがあったのか、とか、アッチとコッチの業務は1つに出来そうだ、とか様々な気づきを得ることが出来ます。これも大仰な仕組みは必要ありません。エクセルや紙に書きだして、部やチーム単位で共有するだけでも十分に効果があります。
③ 採算意識が根付くこうして業務そのものを解剖し、ムダを明らかにすることで、普段の業務への接し方が改善されていきます。今やっている業務は付加価値のある仕事なのか?今、自分がやるべきことなのか?もっと効率よくできる方法はないのか?といった疑問が生まれます。
この状態こそが、最も生産性が向上する状態です。なぜならば、上からの号令ではなく、社員一人ひとりが自発的に業務を効率化しようと頑張ることができるからです。先述した業務の見直しと整理を習慣化する(例えば、月1などで定例化する)だけでも、効果が顕れてきます。このように、各人が生産性を上げるために自走できる環境づくりが目指すべき状態です。
業務を見える化するためのコツはITツールの上手な活用
では、どうすればこうした「業務の見える化」、「業務の改善」を効率的に推進できるのか。身も蓋もないことを申し上げますと、IT化することが単純ですが非常に効果が高いです。しかし、ここで注意すべきは、「IT化」という手段を目的化しないこと。きちんと業務を整理したうえで、どこをIT化するのか、限られた予算・スケジュール内でどこを優先するのか、明確に定義することが重要です。それを踏まえた上でのポイントは以下の3点です。
① 業務を一元管理する部分的にIT化を進めるのではなく、ある程度のカタマリとして業務のIT化を進めましょう。できればすべての業務を1つのシステムで完結させてしまう、あるいは複数ツールを連携させましょう。個別に導入したほうが短期的なコストメリットはありますが、最終的には会社全体でムダを削減し経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を配分しないといけないため、予め一元管理しておいた方が良いでしょう。
② 工数を利益と結びつける工数を原価・コストと考える習慣化がとても重要です。そのためには、きちんと工数と案件を一元管理し、「利益に換算するといくら」という情報を見える化するべきです。数字という共通の拠り所を持つことで、施策の実施を合理的に判断することが出来ますし、施策の効果も定量的に測ることができます。何より、この習慣づけにより一人ひとりの採算意識が大きく変わります。
③ 「気合と根性」ではなく、KPIで管理するこうした業務管理の仕組を整えれば、目標管理を定量的に行うことができます。これはプロフィット部門だけでなく、コスト部門にも応用できることです。例えば、「間接時間比率」や「時間当たりの粗利」、「部門別の一人当たりの粗利」など、明確な定量指標をベースにすることで、業務効率化を最短で進め、施策の効果検証を実施することが可能になります。「気合と根性」では息切れが起こりますが、「KPI管理」は持続可能です。
中小企業の生産性を向上するしくみ『ZAC Enterprise』
と、ここまでお読みいただいて、「分かっちゃいるけど。。。」と食傷気味になっていないでしょうか?こうした業務効率化のお悩みは、例えばクラウドERP「ZAC Enterprise」を活用することで一気に解決することができます。ZACで解決できることを3つだけご紹介します。
① 業務を一元化できるZACは販売・購買・勤怠・経費といった企業内の各種業務を一元管理できるシステムです。こうすることで、情報を転記したり2重入力することなく、業務そのものを効率化することができます。さらに、ワークフロー機能を活用することで、業務のヌケモレを防止しペーパーレス化を進めることができます。
② 案件単位の利益を可視化できるZACは業務が全て案件に紐づいています。こうすることで、案件一つ一つの売上と、それに対応する原価を一元管理し、利益まで見える化することができます。工数や仕入が原価・利益に直結することで、案件の採算を把握することができるのです。しかも、リアルタイムに原価計算が行われるため、数字把握までのタイムラグも最小にすることができます。
③ 生産性向上につながるアウトプットの充実例えば、「クライアント別・部門別の売上」「サービスセグメント別・確度別の売上・利益」など、各種経営帳票をボタン1つで出力することができます。最新の経営数字を集計の手間なく、リアルタイムにアウトプットできるのです。当然、売上だけでなく、「社員別・作業内容別の工数明細」など、工数や仕入に関する帳票も備えています。これらを活用することで、生産性分析も効率的に行うことが出来ます。
生産性向上をゴールに働き方改革を進めましょう!
いかがでしたでしょうか?
働き方改革のゴールは「生産性の向上」であることは間違いありません。また、一見、実行が難しそうな働き方改革も、地道にコツコツ実践できることがあります。その例が ①業務の見える化、②業務の整理、③工数と利益の紐づけ です。これらはどの企業でも実践できることです。リソース状況や予算状況など企業を取り巻く内外の状況は千差万別かと思いますが、まずは自社で実践できることから進めていくことがおススメです!
関連URL: https://www.oro.com/zac/
プロフィール
株式会社オロ マーケティンググループ 藤澤康二ZAC Enterpriseはシステム開発・広告・Webなどクリエイティブ業に特化したクラウドERPです。中堅・中小企業に特化したERPとして、500社以上の導入実績があります。業務の一元管理による効率化に加え、案件・プロジェクトの利益をタイムリーに見える化し、利益体質な組織を実現します。
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