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『全体を見渡して自分だったらどうするかを常に考え、行動する』 CFOインタビュー みんなのマーケット株式会社 - 吉岡正氏

公開日2021/04/06 更新日2021/07/14 ブックマーク数0

2011年に創業し、エアコンクリーニング、ハウスクリーニングや不用品回収、家の修理といった生活関連の出張・訪問サービスを提供する「みんなのマーケット株式会社」。インターネット商店街の「くらしのマーケット」を運営し、今までにないECサイトのあり方を追求する同社は、創業以来順調にその認知度と業績を上げ続けている。今回は「正直者が馬鹿をみない世界をつくる」という経営理念を掲げて躍進する同社の取締役CFO、吉岡正氏に同社に参加するまでの経緯やCFOとしての仕事内容について伺った。


日本が元気になるようなことをしている会社に入りたかった

――まずは吉岡さんの簡単な経歴からお聞かせ願えますか?大学卒業後、銀行に就職されましたね。

私の就職活動の時期だった1996年から1997年にかけては、まだバブル崩壊の影響が残っており、世の中は暗いニュースばかりでした。なので、漠然とではありますが日本経済を元気にするような会社に入りたいと思っていました。

日本興業銀行は多くの企業に関わり、融資という形での長期資金の提供を通じて産業界の発展に寄与してきた実績のある銀行であり、自分もここで広く日本経済の活性化に携わりたいと考え、門を叩きました。

地方支店で中堅企業の法人営業を経験の後、企業審査の部門に配属されました。融資を検討する企業の業績や将来性を深く見極めて資金提供の可否を決める、銀行の根幹となる業務を担う伝統と実績のある部門でした。

企業の属する産業、経営、業績を詳細に分析し、融資の返済可能性を、将来のキャッシュフローという形で表現し企業の行く末を導き出す、M&AにおけるビジネスDDやValuationに近しい性質のような仕事と思っていただければ良いと思います。金額の大きな案件を取り扱う部門でした。

資金提供を受ける企業の今後や、関係する地域のコミュニティに至るまで影響を与える重要な仕事であるべきだという先輩方のご指導で、そこで厳しくファイナンスの基礎を徹底的にたたき込まれました。

その後のみずほ銀行時代も含め、最初の会社に7年お世話になりましたが、そのうち、この部門に4年半在籍しました。ここでの経験は現在のCFOの仕事にとても役立っています。

――次はプライベートエクイティ(未公開株投資)の会社に移られています。

銀行の先輩を通じてプライベートエクイティの存在を知りました。

プライベートエクイティは当時、黎明期から発達期の段階であり、今日のように一般的に知名度がまだ高くない時期であったと思いますが、エクイティ・オーナーシップによる関与によって、資本構成のゆがみや、コングロマリットの非効率性、事業承継等の課題を解決し、企業の成長を実現できる面白そうな仕事だと思いました。

当時、M&Aや投資の知識がなかったにもかかわらず、何故か、飛び込みました。今にして思うと無謀だったかもしれません。

カーライル・グループは、米国が本拠であり、プライベートエクイティでは有数のグローバル・ファームです。私は、この日本オフィスに就職しました。ここでの仕事は、全世界の投資家から託された資金を、成長可能性のある日本の企業に投資し、経営関与を通じて企業価値を上げていく仕事です。


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