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諸外国に比べると、日本の企業における女性役員の比率は、きわめて低い水準にあります。男女格差を数値化した「ジェンダーギャップ指数2021」(世界経済フォーラム)でも、日本は参加156か国中120位、主要7か国(G7)では最下位です。日本の企業社会では、女性が活躍することはできないのでしょうか。
昨年秋に、経団連が「2030年までに企業の女性役員比率を30%以上にする取り組みを推進する」と公表し、今年になってようやく、日立製作所やトヨタ自動車など53社が、その取り組みに賛同したことが発表されました。
“女性役員比率30%”といえば、思い起こされるのが、2013年に掲げられた「ウーマノミクス戦略」です。2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%にして、“女性が輝く社会を実現する”というもので、経済界に対し、「役員に1人は女性を登用していただきたい」との要請も行っています。
しかし思惑通りには進まず、政府は、国家公務員における女性の割合を7%、地方公務員と民間企業については15%と、2015年に早々と目標修正に追い込まれました。
今回、日立製作所やトヨタ自動車など53社が、経団連が示す「女性役員比率30%以上」に賛同したことで、女性が輝く社会の実現が、本当に近づくことになるのでしょうか。まずは、女性役員比率のこれまでの推移を見ていきましょう。
「会社四季報」(東洋経済新報社)によると、上場企業(3,370社)の2020年7月時点の女性役員数は2,490人で、目標値の30%には遠く及ず、たったの6.2%です。女性役員が1人もいない企業は、1,959社で全体の半分以上を占めています。
しかも、この数字が2012年から2020年までの8年間で、約4.0倍に増加した数字というのだから、日本の女性活用の遅れは深刻な状態といえるでしょう。
2015年12月に閣議決定された「第4次男女共同参画基本計画」では、上場企業役員に占める女性の割合を「2020年までに10%を目指す」とされていましたが、3,730社のうち、女性役員比率10%以上の企業は1,102社で、全体の3割程度にとどまっています。
日本の男女格差については、女性役員の比率だけではなく、世界銀行の賃金の支払いが平等かどうかなど経済的な権利をめぐる男女の格差について調査した報告書でも明らかになっています。
調査は、190の国や地域を対象に、女性の働きやすさや賃金格差の有無など8つの項目に基づいて評価を行ったものですが、日本は190国中80位です。
男女の格差が最も少ないとされたのは、ベルギーやカナダ、デンマーク、フランス、それにアイスランドなどの欧米諸国です。女性役員比率でも、女性の働きやすさや賃金などの待遇面でも、日本は世界の潮流から完全に取り残されていることを明確に示しています。
東証一部上場企業904社を対象にしたボストンコンサルティンググループ(BCG)の分析レポートによると「女性の社会参加の拡大が競争優位性の確保に寄与することは明確」ということです。
女性役員比率の高い企業は、ROE(自己資本利益率)やEBITDA(金利・税金・償却前利益)などが高く、利益を出している企業も多いことから、グローバル競争が激化する現代においては、女性が企業の責任ある地位で活躍することが、企業の持続的な成長につながる、というのが世界の潮流となっています。
少子高齢化に伴う人口減少が深刻化する日本でこそ、多様性を認め合い、女性の能力を十分に活かすことが経済社会に活力をもたらすものであることを、強く意識する必要があるのではないでしょうか。
内閣府の「男女共同参画社会に関する世論調査」(2016年10月)によると、「男性の方が優遇されている」と答えた人が7割以上となっています。“女性が輝く社会”を実現していくためには、性別や年齢にとらわれない人材の登用や、組織に根付いている旧態依然とした風土を改革していく必要もあるようです。
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