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企業の発展にとって株主は欠かせない存在であり、株主総会は一年の中で最大のイベントともいえます。株主総会を成功に導くためには、管理部門が中心となり、様々な準備を遅滞なく進めなければなりません。
その中でも、この記事では株主総会の開催にあたって必要になる、株主総会招集通知と株主名簿の準備方法などについて解説します。どちらも普段の業務では目にする機会がないと思われるので、ここで概要をつかんでおくとよいでしょう。
株主総会には、企業の事業年度終了後に1年間の業績などを報告する「定時株主総会」と、必要があった時に開催される「臨時株主総会」との2種類があります。ここからは、「定時株主総会」にテーマを絞って解説します。
企業の株主は二つの権利を持っています。一つは配当などの利益を受け取る「自益権」で、もう一つは企業の意思決定に関与する「共益権」です。各株主は株主総会において、「議決権」という形で共益権を行使できます。議決権は所有する株式に比例しており、決議は多数決によって行われます。
一般的な企業では、決算日(期末日)を基準日として、3ヵ月以内に株主総会を開催します。ただし、新型コロナウィルスの感染拡大を防止するため、2020年以降は株主総会会場への出席を控えてもらい、議決権の行使をインターネットや郵送に変更する企業も増えています。
そのため、本来は株主総会用の資料として配布すべき内容まで、株主総会招集通知に添付されるケースも多く見られます。ある程度の余裕をもって通知することを考えれば、企業の管理部門は通常よりも早めにすべての資料を準備しなければならないでしょう。
株主総会招集通知は、基準日の時点で株主名簿に記載されているすべての株主に対して発送します。発送時期についても期限が設けられており、会社の組織形態により違いはありますが、おおむね2週間と決まっています。実際には株主総会当日は含まれないので、当日の15日前には発送を完了する必要があります。
株主総会の開催については、取締役会がその詳細を決定しますが、株主総会招集通知の作成は管理部門が行います。そこで注意すべきことが、株主総会招集通知の記載内容です。まず開催日時と場所を示した上で、株主総会での決議事項と報告事項についても概要を知らせる必要があります。
さらに議決権行使の方法については、郵送やインターネットで行う場合の説明も必要です。会場への出席を控えてもらうことも考えると、詳細でしかも分かりやすい説明を付記することになるでしょう。
それ以外の項目については、例えばある上場企業では、事業報告、決算計算書類、監査報告などの添付資料に加えて、代表者からのメッセージと、今後の事業展望や長期計画などが具体的に記載されています。
出席者がいない形で総会を開く場合は、実際の総会で議決や報告をする内容まで、株主総会招集通知で事前に知らせる必要があります。
株主総会招集通知の発送には、株主名簿が必要不可欠です。この株主名簿は企業の本社で、管理部門により厳重に管理されなければなりません。株主名簿は会社設立時に作成されるもので、株式の譲渡や相続などの変更があった場合には、速やかにしかも正確に更新する必要があります。
前述しましたが、株主総会招集通知は基準日の時点で、株主名簿に記載されているすべての株主に発送されます。普段から株主情報を適切に管理することは、企業の管理部門に求められる責任重大な業務なのです。
この株主名簿には、法律上決まった書式はありません。必要な記載事項は以下の5項目です。
株主名簿は、企業の大小を問わず必ず作成・管理すべきものです。企業規模が大きくなると、極めて多くの株主に対してもれなく株主総会招集通知を発送するわけですから、管理部門の責任と業務負担は非常に大きくなるでしょう。
株主総会招集通知は適切な手続きを踏んでから、期日を守って株主名簿に記載された株主全員に発送すれば、万一宛先不在で戻ってきても問題ありません。ただし以下の場合については、法律違反になる可能性があるので注意しましょう。
また、実際は株主総会を開かずに、議事録などを偽造して株主総会の開催を偽装した場合、重大な法律違反として決議内容が無効になります。こうした注意点に気を付け、不安がある時には、弁護士などからアドバイスを受けたほうがよいでしょう。
株主総会は企業にとって非常に重要な行事です。大切な株主をもてなす上で、準備不足があっては許されません。企業の管理部門には、普段から株主名簿を適切に管理することと、早めに株主総会招集通知の準備をすることが求められます。この2つを万全の状態に整えることが、株主総会を成功させるポイントだと言えるでしょう。
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