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日本ではビジネスチャンスという意識が高いSDGsの取り組み

公開日2021/10/20 更新日2021/10/21

私たち人類が今後も存続するためには、解決しなければならない課題が山ほど残されています。その第一歩として国連主導で掲げられた目標が「SDGs(持続可能な開発目標)」です。

SDGsは地球規模で進められる巨大なプロジェクトですが、同時に個人や企業が積極的に取り組むべきテーマでもあります。この記事では国内企業に対するSDGsの意識調査をもとに、SDGsの現状と今後について検証します。

SDGsの概要と目標

SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年に国連総会で採択された実現すべき目標のことです。そこには具体的な17のゴールが明記されています。最初にその17の目標を、なるべく簡易的な表現にして紹介しましょう。

1.貧困をなくす

2.飢餓をゼロに

3.すべての人に健康と福祉を

4.質の高い教育

5.ジェンダー平等

6.安全な水とトイレを世界に

7.世界中にクリーンなエネルギーを

8.働きがいと経済成長

9.産業と技術革新の基盤づくり

10.人・国の不平等解消

11.住み続けられるまちづくり

12.作る責任と使う責任

13.気候変動対策

14.海を守る

15.陸を守る

16.すべての人に平和と公正を

17.パートナーシップで目標達成

これらの目標は、決して国家だけが実行するものではありません。個人や企業レベルでの積み重ねにより達成される目標もあります。この目標を2030年までに達成することが、SDGs(持続可能な開発目標)の役割だといえるでしょう。

出典:「SDGsって何だろう?」ユニセフ

国内企業のSDGsに関する取り組み状況

「日本の人事部」が毎年発行している「人事白書」の2021年版では、国内企業のSDGsに対する取り組み状況が報告されています。調査期間は2021年3月11日~3月31日で、「日本の人事部」正会員である3,091の企業から回答を得ています。

出典:「SDGsで採用効果を期待する企業が約4割」日本の人事部

まず全調査対象の中で、「SDGsに関する取り組みを行っているか?」という質問に対する回答は以下の通りでした。

●SDGsに関する取り組みを行っているか?

1)33.0%:行っている

2)26.5%:今後行う予定である

3)22.0%:行っておらず、今後も行う予定はない

4)18.6%:わからない

取り組みの内容はともかく、現在SDGsを実践している企業は全体の3割を超え、今後の予定も含めれば全体の6割にまで達します。この結果からすると、社会的な認知度から予測されるよりも多くの企業が、SDGsに対する取り組みを意識していることが分かります。

その一方でSDGsへの取り組みには、企業規模による格差があることも浮き彫りになりました。まず、従業員が5,001人以上の企業では、SDGsを実践している割合は84.2%にまで達しています。さらに今後予定している企業まで含めると、従業員501人以上の企業では8割以上という結果になっています。

ところが従業員数が100人未満の企業では、SDGsを実践している割合は12.6%にとどまり、今後の予定を含めてもやっと4割に達する状況です。それに対して、今後も行う予定はないと答えた割合は33.3%という結果でした。

これらを総合的に分析すると、積極的にSDGsに取り組んでいるのは、経営規模が大きく経営基盤がしっかりした企業であることが分かります。経営にある程度の余裕がないと、SDGsに関する取り組みにまでは手がまわらないのかもしれません。

SDGsに期待する効果は?

今回の調査では、SDGsに取り組む理由についても回答があり、企業がどのような効果を求めてSDGsを実践しているのかが分かります。その中で最も多かった答えは「ブランディング効果」でした。SDGsが企業のブランド・イメージと、さらには企業価値まで高めることを期待しているようです。

次に多かった回答は「ステークスホルダーからの評価が高まるから」で、その後に「人材の採用につながる」という理由が続きます。これらの結果からは、企業がSDGsをビジネスチャンスととらえている現状が見えてきます。だとすると日本でのSDGsは、本来の目標とは違った方向に進んでいるといえるでしょう。

SDGsの展望と未来

毎年SDGs達成度ランキングが、ドイツのベルステルマン財団により発表されています。2021年度のランキングでは、上位はほぼヨーロッパ諸国で占められており、日本は193カ国中の18位です。

ただし日本では、前述のアンケートにもあったように、SDGsをビジネスチャンスととらえる傾向が強いようです。この場合、SDGsへの取り組みが企業経営に直結する効果をもたらさないと、徐々に活動が縮小に転じる可能性があります。今後はいかにして企業活動とSDGsとを結びつけるか、それが日本におけるSDGsの課題かもしれません。

まとめ

本来SDGsに掲げられた目標は、現在世界中で起きているさまざまな問題を解決して、人類にとってもっと住みやすい環境を整えるためのものです。しかし国ごとに取り組みの活動は異なり、日本では企業が自社をPRするビジネスチャンスと考えるケースが多いようです。

アンケートでもSDGsを人材採用に活用したり、新規取引先の開拓に活用したりという回答が高い割合を示していました。目的はいずれにせよ、社会にSDGsが広がるきっかけになるのは望ましいことです。しかしそれと同時に、SDGsの本来の目的も広く認知される必要があるでしょう。

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