公開日 /-create_datetime-/
2025年12月27日(土)~2026年1月4日(日)は年末年始休業のため、お問合せなどのご連絡は1月5日(月)以降になります。ご了承くださいませ。

2022年4月、東京証券取引所の株式市場区分が再編されます。それに合わせて変化を余儀なくされるのが、TOPIXです。TOPIXは日本を代表する株価指標の一つで、あくまで既存の株式市場区分を元にした指標であるため、再編に伴って銘柄の入れ替えなどが必要になってきます。
そこで今回は、東証再編によってTOPIXはどう変わるのかという点について詳しく解説しましょう。
そもそもTOPIXとは日本語名を東証株価指数といい、東京証券取引所に属する一部上場全銘柄(2020年1月時点で2,159社)を対象として算出し、発表されている株価指数のことです。1968年1月4日時点の株価の時価総額を100とした場合の、現時点での指数が算出されています。
株価指標としては日経平均株価もあります。こちらは東証一部上場銘柄の中でもとくに代表的な225銘柄のみを対象としているのに対し、TOPIXは東証一部上場の全銘柄を対象とした指標です。そのため、日経平均株価よりもTOPIXの方が、市場全体の値動きを反映しやすいといわれています。
東証再編前のTOPIXには問題点が指摘されていました。その最たるものが、企業規模が小さく、株式の流動性が低い銘柄に対する影響です。
TOPIXは先に述べた通り、東証一部上場の全銘柄を対象として算出され、その中には流動性が極めて低い銘柄も含まれています。しかし流動性が低い銘柄でも、TOPIXをベンチマーク(目安とする指標)としてそれに連動した運用方式をとる「インデックス運用」においては、購入するケースが生じるのです。
日本では、年金基金管理運用独立行政法人など巨大機関がTOPIXを対象とするインデックス運用をしています。このような機関が巨額な投資額をインデックス運用し、流動性が低い銘柄が大量に購入されれば、株価は当然つり上がります。これは「株式の流動性が低い企業=株式の取引があまり行われない株」の株価がつり上がることを意味し、投資・取引を行う場である株式市場としては健全な状態とはいえません。
こうした株式市場において生じていた弊害を解消するべく、東証再編後のTOPIXの対象銘柄は「流通株式時価総額が100億円以上である銘柄」との基準が設けられました。つまり、再編後に東証は「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に分かれ、それらの市場区分とは無関係にTOPIXの基準が定められるわけです。
これまでは東証一部の全銘柄という区分を基準として設定されていたことを考えると、かなりの変化といえます。これまでの東証一部は再編後の「プライム」に該当するイメージがあります。しかし、再編後は「スタンダード」や「グロース」の上場銘柄であっても、基準さえ満たせばTOPIXの対象とされるのです。
東証再編後はTOPIXの対象基準が大きく変わります。しかし、こうした大きな銘柄の入れ替えは一斉に行うと指標としての連続性が保てなくなる恐れがあります。とくに懸念されるのが、再編前は東証一部に属していてTOPIXの対象になっていたのに、再編後はTOPIXの対象基準を満たせずに除外される銘柄の動きです。TOPIXの対象外になるので、投資信託や年金基金法人などが一斉に売りに出てしまうと、株価急落を引き起こしかねません。
そのため東証は、市場に対する影響力を最小限にするために、TOPIXの構成銘柄を設定する上で移行期間を設けました。
まず、2022年4月4日から2022年10月末までについては、それまで東証一部に属していた銘柄を無条件でTOPIXに採用する期間として設定しています。つまりこの期間は、「流通株式時価総額が100億円以上」という基準を満たしていない銘柄も、TOPIXの対象です。その後、2022年10月末から2025年1月末までは、東証が行う判定・再評価の中で、除外対象となりそうな銘柄の比率を少しずつ下げていく期間としています。いわば、段階的に移行していくことにより、市場に起こる混乱を無くそうとしているわけです。
2025年1月末以降は、流動性基準を満たさない銘柄は例外なく除外されます。もし、2022年4月時点でTOPIXの「流通株式時価総額が100億円以上」を満たせなくとも、2025年1月末までに企業努力によりその基準を達成できれば、除外される期間は発生しません。
2022年4月までは、「東証一部上場企業」に属しているだけでTOPIXの対象でした。しかし、今後は猶予期間を経て、そのような状況は改変されます。TOPIXの流動性基準を満たせず、2025年1月以降に売りに出されるリスクを回避したい企業は、早い段階から対策を講じる必要があるでしょう。
2022年4月に東証再編が行われ、それに伴って大きな変革を余儀なくされるのがTOPIXです。TOPIXはそれまで東証一部上場全銘柄を対象としていました。しかし、再編によって東証一部という区分が無くなることに伴い、「流通株式時価総額が100億円以上」という対象基準が設けられました。ただし、2025年1月末まで猶予期間が設けられています。TOPIXの対象となることを希望している一方、2022年4月時点でTOPIXの流動性基準を満たしていない場合、今後速やかに基準をクリアするための対策をとる必要があるでしょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
アフターコロナの採用戦略とコスト最適化
-ホンネを引き出し離職要因を解明- 退職者インタビューサービス資料
株式会社I-ne導入事例~月間の受注データ件数は20万件以上!『 Victory-ONE【決済管理】』の導入で 業務効率化と属人化の解消を実現~
弁護士業におけるスキャン代行活用事例
顧問契約書/コンサルティング契約書の作成で気を付けておくべき事
ネクステージ、「特別長期休暇制度」の新設で“多文化共生”を後押し。外国籍社員の帰省ニーズに対応し1ヵ月の長期取得も可能に
人材育成の課題と解決のための5ステップ|階層別のポイントやフレームワークも紹介
税理士がM&A業界へ転職するには?必要スキルとキャリアチェンジの方法(前編)
ハラスメント研修を実施し、事前に防止したい
福利厚生の充実予定企業は47.6% 帝国データバンク調査で中小企業の課題も明らかに
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~自動消込照合率が91%まで上昇! 株式会社有隣堂~
土地建物売買契約書の見直し方法と5つのチェックポイント
簿記の基礎から実務まで!社宅管理の仕訳処理 まるわかりガイド
債権管理・入金消込効率化『V-ONEクラウド』導入事例 ~午前中いっぱい掛かっていた消込作業がわずか数分で完了! アデコ株式会社~
【郵便料金値上げ対策にも!】失敗しない!請求書電子化の3つのポイント
越境サブスクとは?越境ECとサブスクリプションの掛け合わせが注目される理由と注意点を解説
「eNPS」と従業員満足度調査は何が違う?その概要から活用方法までを解説
経理の志望動機【NG・OK例文付】経験者・未経験者別に徹底解説
人事の外注で組織を戦略的に変革|ルーティン業務から脱却する方法
クラウドで業務効率化!ドキュメント管理の課題解決とDX推進事例
公開日 /-create_datetime-/