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2022年4月、東京証券取引所の株式市場区分が再編されます。それに合わせて変化を余儀なくされるのが、TOPIXです。TOPIXは日本を代表する株価指標の一つで、あくまで既存の株式市場区分を元にした指標であるため、再編に伴って銘柄の入れ替えなどが必要になってきます。
そこで今回は、東証再編によってTOPIXはどう変わるのかという点について詳しく解説しましょう。
そもそもTOPIXとは日本語名を東証株価指数といい、東京証券取引所に属する一部上場全銘柄(2020年1月時点で2,159社)を対象として算出し、発表されている株価指数のことです。1968年1月4日時点の株価の時価総額を100とした場合の、現時点での指数が算出されています。
株価指標としては日経平均株価もあります。こちらは東証一部上場銘柄の中でもとくに代表的な225銘柄のみを対象としているのに対し、TOPIXは東証一部上場の全銘柄を対象とした指標です。そのため、日経平均株価よりもTOPIXの方が、市場全体の値動きを反映しやすいといわれています。
東証再編前のTOPIXには問題点が指摘されていました。その最たるものが、企業規模が小さく、株式の流動性が低い銘柄に対する影響です。
TOPIXは先に述べた通り、東証一部上場の全銘柄を対象として算出され、その中には流動性が極めて低い銘柄も含まれています。しかし流動性が低い銘柄でも、TOPIXをベンチマーク(目安とする指標)としてそれに連動した運用方式をとる「インデックス運用」においては、購入するケースが生じるのです。
日本では、年金基金管理運用独立行政法人など巨大機関がTOPIXを対象とするインデックス運用をしています。このような機関が巨額な投資額をインデックス運用し、流動性が低い銘柄が大量に購入されれば、株価は当然つり上がります。これは「株式の流動性が低い企業=株式の取引があまり行われない株」の株価がつり上がることを意味し、投資・取引を行う場である株式市場としては健全な状態とはいえません。
こうした株式市場において生じていた弊害を解消するべく、東証再編後のTOPIXの対象銘柄は「流通株式時価総額が100億円以上である銘柄」との基準が設けられました。つまり、再編後に東証は「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に分かれ、それらの市場区分とは無関係にTOPIXの基準が定められるわけです。
これまでは東証一部の全銘柄という区分を基準として設定されていたことを考えると、かなりの変化といえます。これまでの東証一部は再編後の「プライム」に該当するイメージがあります。しかし、再編後は「スタンダード」や「グロース」の上場銘柄であっても、基準さえ満たせばTOPIXの対象とされるのです。
東証再編後はTOPIXの対象基準が大きく変わります。しかし、こうした大きな銘柄の入れ替えは一斉に行うと指標としての連続性が保てなくなる恐れがあります。とくに懸念されるのが、再編前は東証一部に属していてTOPIXの対象になっていたのに、再編後はTOPIXの対象基準を満たせずに除外される銘柄の動きです。TOPIXの対象外になるので、投資信託や年金基金法人などが一斉に売りに出てしまうと、株価急落を引き起こしかねません。
そのため東証は、市場に対する影響力を最小限にするために、TOPIXの構成銘柄を設定する上で移行期間を設けました。
まず、2022年4月4日から2022年10月末までについては、それまで東証一部に属していた銘柄を無条件でTOPIXに採用する期間として設定しています。つまりこの期間は、「流通株式時価総額が100億円以上」という基準を満たしていない銘柄も、TOPIXの対象です。その後、2022年10月末から2025年1月末までは、東証が行う判定・再評価の中で、除外対象となりそうな銘柄の比率を少しずつ下げていく期間としています。いわば、段階的に移行していくことにより、市場に起こる混乱を無くそうとしているわけです。
2025年1月末以降は、流動性基準を満たさない銘柄は例外なく除外されます。もし、2022年4月時点でTOPIXの「流通株式時価総額が100億円以上」を満たせなくとも、2025年1月末までに企業努力によりその基準を達成できれば、除外される期間は発生しません。
2022年4月までは、「東証一部上場企業」に属しているだけでTOPIXの対象でした。しかし、今後は猶予期間を経て、そのような状況は改変されます。TOPIXの流動性基準を満たせず、2025年1月以降に売りに出されるリスクを回避したい企業は、早い段階から対策を講じる必要があるでしょう。
2022年4月に東証再編が行われ、それに伴って大きな変革を余儀なくされるのがTOPIXです。TOPIXはそれまで東証一部上場全銘柄を対象としていました。しかし、再編によって東証一部という区分が無くなることに伴い、「流通株式時価総額が100億円以上」という対象基準が設けられました。ただし、2025年1月末まで猶予期間が設けられています。TOPIXの対象となることを希望している一方、2022年4月時点でTOPIXの流動性基準を満たしていない場合、今後速やかに基準をクリアするための対策をとる必要があるでしょう。
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