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午後から大事な会議があるというのに、昼食後に襲ってくる眠気。コーヒーを飲もうが、体を動かそうが、なかなか眠気を振り払うことができなかったというビジネスマンも多いことでしょう。ところで、どうして食後に眠気が襲ってくるのでしょうか?
昼食後に襲ってくる眠気は、「消化するために胃や腸に血流が集まり、脳に行く血流が減るので眠くなる」と言われています。でも、それに異を唱えているのが西野精治スタンフォード大学医学部精神科教授です。
西野教授は、「どんな状況であっても“脳への血流”は第一に確保されることがわかっています。14時ごろに眠くなるのは“アフタヌーンディップ”と呼ばれるヒト固有の生理機能です。ランチは「食べても」「抜いても」、その後眠くなるのです」と、東洋経済オンラインで「ランチを食べたから眠くなるは誤解」であると解説しています。
さらに、「ランチ後にやってくる眠気は、厳密にいうと“眠気”ではなく、満腹感からくる“気だるさ”」ということのようです。
そもそも睡眠というのは、恒常性維持機構(睡眠欲求/ホメオスタシス)と体内時計機構(覚醒力)という2つのシステムによって行われているそうで、疲れたために休憩を求める眠気は恒常性維持機構によるものです。
通常の生活では、夜になると眠り朝になると目覚めるという睡眠リズムですが、時間に関係なく眠気が襲ってくるのは、酷使された脳を積極的に休ませるホメオスタシスの働きによるもののようです。
睡眠を管理しているのは、脳内に存在する生物時計で、これをサーカディアン(概日)性の調節方式あるいは時刻依存性の調節方式と呼んでいるそうです。つまり、夜になると眠くなる、疲れていなくても、いつもの就寝時刻になると眠くなるというのが睡眠のリズムです。
このように、脳科学の分野などでは、睡眠のメカニズムについての研究が進んでいますが、眠気については、まだまだ謎が多く、眠気のメカニズムが完全に解明されているわけではありません。
ところが、筑波大学国際統合睡眠医科機構の機構長である柳沢正史教授の研究チームが、「80種類の脳内タンパク質の働きが活発化すると眠くなり、眠りにつくと働きが収まる」ことを、マウス実験で発見したことを英科学誌ネイチャー電子版に発表しました。
その発表によると、80種類のたんぱく質が眠気の正体で、睡眠そのものにも深くかかわっているということです。
睡眠については、1998~1999年に脳の覚醒と睡眠に関係する脳内神経伝達物質「オレキシン」が発見、それをきっかけに研究が進み、睡眠の謎が次々と解明されています。これを発見したのも、当時米国テキサス大学にいた柳沢正史教授と櫻井武教授のグループです。
ところで、このオレキシンが発見されたのは、食欲を刺激する脳の中の「食欲中枢」という場所です。オレキシンが活発に働いているときには、脊髄動物の多くは覚醒し、オレキシンの働きが鈍ると睡眠状態に入ると考えられています。
たとえば野生動物は、お腹が空くとエサを確保しなければなりませんが、そのためには敵と戦う危険性もあります。身を守り、エサを確保するためには意識を最高潮に覚醒する必要が生じてきます。
しかし、満腹になると意識を覚醒する必要がなくなりますから、オレキシンの活動が鈍って眠くなるというわけです。つまり、食後に眠くなるのは、野生動物時代の名残なのかもしれません。
また、空腹時には血液中のグルコース濃度(血糖値)が低下してオレキシンが活性化しますが、満腹時には、血糖値が上昇し、オレキシンの活動が低下することが解明されています。つまり、満腹時と空腹時のオレキシンの活動状況を比べると、眠気は満腹時に襲ってくるようです。
睡眠、眠気のメカニズムについては、まだまだ謎が多いようですが、“アフタヌーンディップ”と呼ばれる生理機能か、それとも野生動物の名残かは研究の成果を待つとして、管理部門としては、午後に適度な仮眠タイムを採り入れることなども検討する必要がありそうです。
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