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会計・財務用語の中には、英語の頭文字をとって省略したものが多く、ぱっと見ただけではわからないものが多いです。次に説明するものの中には、すでに知っているものもあるかもしれませんが、いくつわかったかクイズ感覚で見てみても面白いかもしれません。
以下で説明する用語はROE、ROA、ROI、EPS、PER、PBR、IRR、EVA、NPV、WACC、NOPAT、EBITDAになります。順番通りに見ていきましょう。
ROE
最初はROEです。Return on equityの略で「株主資本利益率」と訳されることがあります。Equityとは株主資本のことですので、文字通り株主資本がどの程度利益に結びついているかを示す指標のことだ、ということになります。株式資本の効率性を図るものになります。
ROA
Return on assetsの略になります。Assetsとは総資産のことですので、「総資産利益率」と訳されています。現在もっている総資産が、どれくらい利益を生み出しているかを見る指標になります。上のROEと共に、企業の収益性判断によく用いられるものとして重要視されています。
ROI
Return on investmentの略です。和訳すると「投資利益率」になります。投下した資本に対する利益率を表す指標になります。数値が大きければ大きいほど、利益率の良い投資を行ったということになります。
EPS
Earnings per shareとは、「一株当たりの利益」を意味しています。投資した1株当たりどの程度の利益に結びついたかを示しており、株価指標のひとつになります。
PER
Price earnings ratioの略で「株価収益率」を意味しています。株価を1株当たり利益で割ることで求められます。PERが高ければ、企業価値が市場で高く評価されていることを示しています。「ピーイ―アール」と発音されることが多いです。
PBR
Price book-value ratio、つまり「株価純資産倍率」とは、1株当たり純資産の何倍まで株価が買われているのかを見る指標で、株価をその会社の1株当たりの純資産で割って求めます。これもやはり、高ければ高いほど評価されていることになります。傾向としては、新しい企業ほど高く、大企業の方が低くなります。
IRR
Internal rate of return、つまり「内部収益率」とは何でしょうか。投資に対する将来のキャッシュフローの現在価値と、投資額の現在価値とが等しくなる場合の割引率のことを意味しており、運用成績を評価する際の指標として活用されます。「割引率」とは、将来の利益を現在の利益に割り引いて考える率のことを意味しています。
EVA
Economic value addedの略で、「経済的付加価値」と訳されます。米国スタン・スチュアート社が考案した経営指標であり、投資した資本に対してどれだけ利益を生み出したかのかを計るものになります。端的に言えば、税引前営業利益から税金、配当金、金利などの全資本コストを差し引いた場合の利益になります。EVAが高いということは、株主の利益に貢献しているということになります。
NPV
Net present valueの略で、「正味現在価値」を意味しています。Present valueとは、現在価値のことであり、将来獲得するお金を現在の価値に換算した値のことになります。NPVは投資によってどれだけの利益が得られるのかを示す指標のひとつであり、上で説明したIRR とは、NPVがゼロとなる割引率のことになります。経済用語で「Net」とは、「正味の」という意味であり、たとえばお菓子の袋などに、袋やクッション材を取り除いた実際の重さが「NET 80g」といった形で記してあります。そのためNet present valueは「正味現在価値」と訳されています。
WACC
Weighted Average Cost of Capitalの略であり、「加重平均資本コスト」と訳されます。「ワック」と発音されることが多いです。資本コストを示す数値やその計算方法のことを言います。資本コストとは、資本を調達したり、保持したりするために必要な費用のことです。「加重平均」とは、異なる値を複数扱う場合に、それぞれの値の重要性を考慮して平均を出すということであり、これによって正確な資本コストを計ることができるようになります。企業評価の指標のひとつになります。
NOPAT
Net operating profit after taxesの略であり、「税引後営業利益」と訳されます。上で説明したように「Net」とは「正味の」という意味であり、この場合は支払うべき税を取り除いた最も純粋な企業の利益のことを意味しています。企業が生み出した付加価値がどのくらいかを簡潔に示したものになります。
EBITDA
Earnings before interest, taxes, depreciation and amortizationの略であり、「利払い・税引き・償却前利益」と訳されることが多いです。読み方としては、「イービッダー」、「イービットディーエー」などと発音されます。端的に言えば、「税引前利益」と「支払利息」と「減価償却費」を足したものになります。日本の会計基準でいう、「償却前営業利益」とほぼ同じになると考えられています。
どうでしょう、いくつ知っていたでしょうか。今回は簡単に用語を説明しましたが、計算方法や役割を詳しく知るためには、専門的な勉強が必要になります。今回の解説が、なにかのきっかけになれば幸いです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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