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2022年2月の、負債総額1,000万円以上の倒産件数は459件(東京商工リサーチ調べ)と、1990年の448件に次ぐ低い水準となっている。しかし、倒産件数が少ないのは、決して景気が回復基調にあるからではない。
倒産という最悪の結果に至らないのは、“ゼロゼロ融資”と呼ばれるコロナ関連融資や補助金などの支援策によって、なんとか延命しているという背景もある。しかし、返済が始まれば持ちこたえられない企業が出てくることが、十分に考えられる状況だ。
では、弁護士や税理士など、企業の事業運営にも深く関わることの多い専門家は、コロナ禍における事業運営や事業再生の重要性をどのように見ているのだろうか。
株式会社PMGパートナーズが、弁護士や社会保険労務士、中小企業診断士、税理士、公認会計士などいわゆる士業を対象に実施した「コロナ禍の事業運営の厳しさと事業再生の重要性」に関する調査によると、回答者の8割以上が「倒産に陥る企業は今後増加する」と見ていることがわかった。
中小企業の資金繰りは、コロナ禍の影響でかなりひっ迫した状態にあることは衆目の一致するところであり、それを支えてきたのがコロナ関連融資や補助金などの支援策である。しかし、融資は借金であり、借金はいずれ返済していかなければならない。
返済が始まれば、資金繰りの負担が大きくなることは明らかだ。倒産という最悪の事態を避けるためには、「事業再生に取り組む必要がある」というのが専門家の見解である。コロナ禍以降、事業再生が必要な企業の割合は高くなっているという。
では、事業再生には、どのような方法があるのか。例として、法的再生、私的再生、事業譲渡、M&A、株式譲渡、会社分割、企業再生ファンドなどがある。しかし、手続きには時間がかかり、専門家のサポートも必要となる。
つまり、事業再生は早めに専門家に相談することが重要となるが、調査に回答した専門家の9割以上が、「事業再生に関する相談タイミングが遅い」と感じているとわかった。
専門家が示す相談の適切なタイミングは、「経営の見通しが立たなくなってきたと感じた時」、「赤字決算・累積赤字が発生した時」、「倒産時期が具体化してきた時」である。
相談が遅くなるほど、再生計画も選択肢も少なくなってしまう。会社の経営状態を客観的に判断できるのは、経営者よりも経理・財務担当者かもしれない。
コロナ禍に加え円安など、先を見通せない状況が続いている。事業継続が難しい兆候などあれば、その事実を経営陣に進言することが、経理・財務担当者に求められるのではないだろうか。
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