公開日 /-create_datetime-/

マネジーがお送りする特集「with コロナ時代 エンゲージメントを高める働き方とは」。
第2回目のテーマは、テレワーク中のワークエンゲージメント低下についてです。
前回の記事で触れたとおり、テレワークのデメリット面でワークエンゲージメントが低下し、2022年7月時点でテレワークからオフィスワークに戻す企業が増えています。本記事では、まずワークエンゲージメントとは何か、テレワークで低下している要因や対策について説明します。
「ワークエンゲージメント」は、オランダ・ユトレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリ教授らが提唱した概念です。
厚生労働省の資料「令和元年版 労働経済の分析 厚生労働省 ─人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について─」では、ワークエンゲージメントについて以下のように説明しています。
ワークエンゲージメントが高いということは、仕事に対して前向きな状態ということです。
テレワークの主な目的は働き方改革の推進や労働生産性の向上、ワークライフ・バランスの改善などであり、公私ともに前向きな状態を目指す働き方。しかし、前述のとおり、テレワークのデメリット面によりワークエンゲージメントが低下するという理由で、テレワークからオフィスワークに戻す企業が増えています。
実際、テレワークでワークエンゲージメントは下がっているのでしょうか?
ここでは2つの調査結果をご紹介しましょう。
1つめは、リクルートワークス研究所が全国約5万人の同一個人の就業実態を毎年追跡調査・発表している「全国就業実態パネル調査(JPSED)」から。2019年(コロナ禍前)と2020年(コロナ禍)のワークエンゲージメントを比較したものです。コロナ禍の集計結果が少し古いですが、参考にご覧ください。
|
2019年(コロナ禍前) |
2020年(コロナ禍) |
|
|
男性 |
9.35 |
9.31 |
|
女性 |
9.54 |
9.48 |
|
全体 |
9.43 |
9.38 |
上記のとおり、コロナ禍前に比べてコロナ禍である2020年は全体的にワークエンゲージメントが下がっていることが判明しました。
また、パーソル総合研究所が2020年に発表した「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」のなかから、「テレワーク実施の前後の“変化”について」調べた結果は以下のとおりでした。


上記のとおり、テレワーク実施の前後では「労働時間」や「業務量」が減っていますが、「仕事への意欲・やる気」や「組織へ貢献したい意欲・気持ち」「仕事の満足度」なども低くなっています。仕事の負担が減ると同時に、仕事への前向きな気持ちも大きく低くなっています。
ワークエンゲージメントが下がり、仕事への前向きな気持ちも低くなったのはなぜでしょうか?
内閣府が今年(2022年)7月に発表した「第5回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」では、回答者に「テレワークで不便な点と考えられるものは?」と尋ねています。結果は、最多が「社内での気軽な相談・報告が困難」であり、34.2%。以下「画面を通じた情報のみによるコミュニケーション不足やストレス」30.2%、「取引先等とのやりとりが困難」が24.9%、「セキュリティ面の不安」23.1%、「テレビ通話の質の限界」21.0%、「仕事と生活の境界が曖昧になることによる働き過ぎ」15.7%などと続きました。
テレワークで不便なこと=仕事へ前向きな気持ちが低くなる、ワークエンゲージメントが低下する要因と考えると、その要因は大きく3つがあげられます。
①社内コミュニケーションがとりづらい
情報共有や相談、報告し合うことが難しい。仕事の進捗やトラブルなどの確認がしづらく、従業員同士の交流も少ないため意見交換やストレス発散もしにくい。
②社外コミュニケーションがとりづらい
導入しているITツールの違いや各社の方針の違いなどにより、取引先などとのコミュニケーションがとりづらい。商談や打ち合わせがしづらく、きめ細かな対応も難しい。
③テレワーク生活による負担の大きさ
自宅でテレワークをしていると、仕事とプライベートの切り替えが難しい。仕事の環境がオフィスより悪いので集中しにくく、時間的・金銭的にも負担が増える。
以上の要因から生産性が下がり、ワークエンゲージメントが下がると予想されます。
前項で取り上げた“ワークエンゲージメントの低下に繋がる理由”をもとに、高めるための基本的な対策をご紹介しましょう。
●コミュニケーションの機会を増やす
テレワーク中でも上司と部下や部署メンバー、部署外メンバーなど、社内でのコミュニケーションがとりやすい仕組みをつくりましょう。例えば、朝礼や終礼などを毎日必ず行えば、仕事の進捗や各種情報を共有でき、相談・報告し合えます。また、行動や気持ち面でも仕事とプライベートを切り替えしやすいでしょう。
●テレワークに合った勤怠管理と評価制度にする
仕事とプライベートを切り分け、集中して業務に取り組めるように、テレワークに適した勤怠管理を行う必要があります。主な方法は①勤怠管理ツールを利用 ②メール・チャット・電話などで報告 ③Web会議システムを常に接続、などがあります。また、働き方を裁量労働制にするという手もあります。
評価に関しては、テレワーク中は勤務態度などで判断することが難しいため、成果重視に変更するなど、制度を見直すことが望ましいでしょう。
●最適なITツールを導入する
テレワーク中のコミュニケーションや勤怠・労務管理、データ共有、承認など、さまざまな業務に欠かせないのがITツールです。Web会議や商談で使うビデオチャットツール、ビジネスチャット、勤怠および労務管理システム、ワークフローシステム、データ共有用のオンラインストレージ、電子契約ツール、経費精算ツールなど、その種類は実に多彩。自社の事業や環境に合ったITツールを導入することで、従業員のテレワーク環境が格段に良くなります。
以上が、テレワーク中のワークエンゲージメント低下の要因や対策についてです。
働き方改革や地方創生のために普及推進されてきたテレワークは、コロナ禍で一気に広がりました。しかし、この柔軟で多様な働き方が再び選びにくくなりつつあります。どうすれば持続可能になるのか、改めて考えてみるときではないでしょうか。

従業員エンゲージメント向上のために押さえたい5つのポイント
提供元:株式会社SmartHR
従業員エンゲージメントが高い組織は、従業員が高いモチベーションで仕事に取り組むことができ、売上や生産性が伸びるとされています。資料ではそんな「従業員エンゲージメント」を向上させる取り組みにおいて、必ず押さえておきたい5つのポイントをご紹介しています。>>詳細・ダウンロードはこちら

【早期離職防止・パフォーマンス向上】従業員エンゲージメントを可視化し向上させる 効果的なサーベイとは?
提供元:株式会社アックスコンサルティング
「エンゲージメント」を向上させ、離職防止や生産性の向上につなげていきたいという目的を達成するために、エンゲージメントサーベイ導入は自社に合ったものを選ぶことが重要です。この資料では、導入におけるよくある課題や、解決方法をご紹介しています。>>詳細・ダウンロードはこちら

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
家賃補助と社宅・社員寮、自社に最適な住宅補助制度の選び方
【新卒エンジニア採用】内定承諾の決め手・辞退の本音
「チェックリスト付き」電子契約サービスの失敗しない選び方
法人税対策・実物資産投資の新たな選択肢 最新情報掲載 『日本型オペレーティングリースガイドブック』
シニア雇用時代の健康管理の備えとは? 健康管理見直しどきナビ
実は勘違いしていた?“Z世代”の仕事観とコミュニケーションのポイント│部下との信頼関係を築くコミュニケーション手法
銀行の中小企業等向け貸出 過去最高の384兆円に 中小向け2.8%増、大手向け8.4%増と伸び率に変化
下請法~フリーランス新法との違い~
職場でも起こるブラハラとは?血液型による偏見や差別がハラスメントに!?
営業DXを実現する社内研修・DX人材育成のポイントを解説
土地建物売買契約書の見直し方法と5つのチェックポイント
社宅管理業務の全体像がわかる!社宅管理業務フローガイド
Web請求書の導入にあたり費用対効果を高める方法、お伝えします!
債権管理・入金消込効率化『Victory-ONE/G4』導入事例 ~自動消込照合率が91%まで上昇! 株式会社有隣堂~
簿記の基礎から実務まで!社宅管理の仕訳処理 まるわかりガイド
実は勘違いしていた?“Z世代”の仕事観とコミュニケーションのポイント│いまどきの若手社員”Z世代”の仕事観
給与明細は紙?従業員にも管理者にもやさしい電子保管法
生成AIも対人も「伝わらない」がストレスに、背景には「読み取る力」と「伝える力」 漢検協会
社労士が解説する休職の判断ポイントと傷病手当金
最低賃金の改定、企業の約6割が「給与を変更」 2020年代の1,500円は「対応不可能」が半数
公開日 /-create_datetime-/