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いつの世でも、お金が絡むと不正に手を染める人々がいます。
特定の立場を利用して、自分もしくは他者に便宜を図るという行為に、見返りの金銭が関わると、汚職事件として刑事罰の対象になります。これに企業として関わると、その企業のブランドイメージは価値を失うでしょう。
現在、東京オリンピック・パラリンピックをめぐる贈収賄事件では、組織委員会の関係者が逮捕されたほか、ビジネス業界にも波紋が広がりつつあります。
こうした収賄事件と企業との関係を、過去の事件も参考にしながら検証してみましょう。
目次【本記事の内容】
東京五輪のスポンサー契約をめぐっては、いくつかの企業が組織委員会関係者に対して、数千万円という多額の賄賂(わいろ)を渡したことが疑われています。
賄賂を受け取った関係者は、その見返りとしてスポンサー選定に便宜を図ったとされ、さらに便宜を図ったことへの謝礼も受け取ったとみられています。
公正な運営が絶対的に求められるオリンピックにおいて、金銭が絡んだ不正に企業が関わったとすると、その企業のイメージは大きく後退します。しかも今回の事件では、複数の企業が関係していたとみられており、今後さらに捜査の対象が広がる可能性も指摘されています。
贈収賄とは単刀直入にいうと、やってはいけない金銭授受のことです。公務員や政治家が不正に賄賂を受け取ることが収賄で、反対に賄賂を贈ることが贈賄です。基本的に贈収賄罪は公務員が対象で、それが明るみに出ると贈収賄事件として報道されます。
五輪収賄事件では、組織委員会の構成員は「みなし公務員」という扱いになるため、収賄罪が適用されるのです。
こうした収賄の定義が分かったところで、ここからは、過去に起こった収賄事件の歴史を振り返ってみましょう。
現職の政治家が逮捕された収賄事件の代名詞が、1976年に発覚したロッキード事件です。事件の発端は、アメリカの航空機会社ロッキード社が、自社製航空機の受注獲得のために、主要国の政治家に対して働きかけを行ったことにありました。
この事件では、当時首相経験者であった田中角栄氏が受託収賄で逮捕・起訴されました。さらに複数の政治家や、全日空、丸紅という大手企業の関与も明らかになり、政界と産業界を巻き込んだ一大スキャンダルに発展しました。
現代史上で国内最大の汚職事件といわれるのが、1988~89年に世間を騒がせたリクルート事件です。この事件では就職関連大手のリクルートが、その子会社であるリクルートコスモスの未公開株式を複数の政治家に譲渡していました。これは明らかな賄賂に該当します。
賄賂を受け取った政治家には、当時の竹下登首相をはじめ複数の首相経験者が含まれ、最終的にはおよそ100人の政治家の関与が発覚しました。結局政治家のほとんどは不起訴となり、事件は闇に葬られることになりますが、この事件はマスコミによって大々的に報道され、竹下内閣は総辞職に追い込まれました。
2004年の公的年金制度改革にあたっては、それまでの公的年金の使途が詳細に検証される中、本来の用途から外れるさまざまな不正行為が明るみに出ました。一つは年金保険料を使って、必要性のないリゾート施設などを建設したことと、その事業主体が社会保険庁職員の天下り先になっていたことです。
さらにもう一つは、年金保険料を社会保険庁に関わる事務経費や交際費に無断で流用していたことです。この無断流用には、社会保険事務所への金銭登録機の納入も含まれており、その契約時に業者側から社会保険庁職員に賄賂が渡されていたことが判明、最終的には収賄事件へと発展しました。
贈収賄事件を裁く立場にある司法が、事もあろうに自ら汚職事件に手を染めたのが、1981年に発覚した梓ゴルフ場事件です。この事件では、破産した梓ゴルフ場の更生問題をめぐって、担当する裁判官と弁護士との間で金品授受が行われたことが収賄とみなされました。
しかも贈賄側の弁護士と、複数の裁判官や裁判所職員との癒着も問題になり、それぞれに処分を受けましたが、のちになって元の職に復帰するなど、非常に後味の悪い結末を迎えました。
いつの世でも、何らかの権力を手にする人々の周囲には、それを利用しようとする人々が集まります。その双方の間での金品授受は、本来あってはならないことですが、権益の取得が絡むと人間の欲望は抑えきれなくなり、その結果、贈収賄事件は時代を超えて繰り返されることになります。
もしかすると、これまでに発覚した汚職事件は、氷山の一角に過ぎないのかもしれません。法の目が届かないところでは、はるかに多くの収賄事件が行われている可能性もあります。
しかし現在のビジネス環境では、不正なお金の力で業務を開拓した企業は、それが発覚するとブランドイメージの大半を失うことになるでしょう。企業の取引は、あくまでも公正を大前提に進めるべきものなのです。
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