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IT化の進展に伴い、新しい企業が続々と誕生している。
一方、後継者の不在を主な原因とする後継者難倒産件数が、2021年に過去最多を更新するなど、日本の事業承継が厳しい局面に立たされていることを、多くのビジネスパーソンは実感しているのではないだろうか。
ところが、社歴100年を超える老舗企業数が40,409社に達したことが、帝国データバンクの「100年経営企業アンケート調査」で判明している。1000年企業も9社あるというから、日本は“老舗大国”でもあるわけだ。
江戸開府以前の創業は152社、明治時代に誕生した企業も2万社以上が確認されるなど、老舗企業の出現率は2.54%である。老舗出現率を都道府県別に見ると、トップが京都府の5.15%で、山形県や新潟県、福井県など日本海側の地域が続いている。一方、老舗企業の出現率が低いのは九州や沖縄地方だ。
また、業種別で見ていくと、トップが貸事務所で酒造、酒小売、建設・建築、服飾関連の老舗出現率が高くなっている。
貸事務所業は、所有する不動産にオフィスビルを建設するなどで、安定した収入を確保することが事業継続につながっている。酒造関連は、酒類製造免許が必要なため、新規参入は難しいことが、老舗出現率が高い背景にあるようだ。
ところで、後継者不在による倒産件数が増加傾向にあるものの、老舗企業は同族が世襲で事業承継するケースが多く、それが安定した経営基盤となっているようだ。いわゆる同族企業やファミリービジネスと呼ばれる形態だ。
同族企業は、どちらかといえば時代遅れとされる企業の形態で、その弊害も数々指摘されている。同族が世襲で事業を継承した割合は全体では40.4%だが、老舗企業ではなんと8割近くにものぼる。
しかも、創業時からの事業をひたすら守り続けるだけでなく、老舗企業の半数以上は、その本業から派生する事業にも積極的に取り組んでいることもわかった。
老舗という看板に甘んじているだけで事業を続けることは難しい時代だが、新たな変化を求め続ける努力を惜しまない老舗企業の姿にこそ、企業の永続性、成長の秘訣がありそうだ。
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