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企業ができる取り組みとは:SDGs目標6『安全な水とトイレを世界中に』

公開日2018/11/14 更新日2019/09/10
企業ができる取り組みとは:SDGs目標6『安全な水とトイレを世界中に』

2017年7月にユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)が発表した資料によると、世界では21億人(世界人口の約3割)が安全な水を自宅で入手できず、45億人(世界人口の約6割)が安全に管理されたトイレを使うことができていない現状があるとのことです。

なかでも、幼い子どもにとって、安全な水や衛生管理のされたトイレを使用できないことのリスクは深刻です。JMP(ユニセフとWHOの共同監査プログラム)では、汚染された水や不衛生な環境がコレラや赤痢、A型肝炎、腸チフスといった感染症の伝染に関連していること、毎年36万人以上の5歳未満児が下痢によって命を落としている状況についても報告されています。

こうした現状を背景に、2015年9月に国連のサミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)では、17の目標のひとつとして『安全な水とトイレを世界中に』というテーマが掲げられています。

今回は、同テーマに関する企業の取り組みの事例を紹介していきます。

国内企業がおこなう「世界のみんなにトイレを」という取り組み

住宅設備機器・建材メーカーの株式会社LIXILでは、開発途上国向けに簡易トイレを開発し、寄付・販売する取り組みをおこなっています。

LIXILでは2017年4月から、一体型シャワートイレが1台購入されるたびに、同社が開発した簡易式トイレ「SATO」1台を開発途上国に寄付するというシステム、「みんなにトイレをプロジェクト」を展開。同プロジェクトでは2017年4月~9月の半年間の実施で20万8805台、2018年4月~9月の実施では20万3454台の「SATO」が開発途上国に寄付されたようです。

ちなみに、このプロジェクトで寄付される簡易トイレ「SATO」は、開発プロジェクトの中心となったデザイナーが実際にバングラデシュに滞在し、現地の人のニーズを把握して開発されたものとのこと。設置が簡単なことに加えて、わずかな水で洗浄ができ、悪臭や虫を防げることが大きな特徴となっています。

なお、LIXILがおこなった2017年度のプロジェクトでは、緊急性が高いとされる、バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプに5000台の「SATO」が寄付されたほか、インドの農村部にあたる、ワグホーリ村のトイレが無い家庭などを対象に寄付がおこなわれました。2018年度のプロジェクトでは、学校を中心に寄付をおこなっていく予定です。

今回、同社が寄付をおこなう先に学校を選んだ背景には、学校にトイレが無いために、生理になった子どもが学校を欠席しなければならなかったり、トイレが無いことを理由に教師が着任したがらなかったりといった理由があります。「トイレが無い」という理由で、子どもたちの学習機会が奪われるのは、開発途上国の深刻な問題と言えるでしょう。

飲食店の無料の水に対する募金が「安全な水」を届ける支援に

一方、「安全な水」を世界の子どもたちに届けることを目的としたプロジェクトとしては、博報堂DYグループが日本ユニセフ協会と共同でおこなった「TAP PROJECT JAPAN」があります。

この「TAP PROJECT」はもともと2007年にニューヨークではじまった取り組みです。無料で提供される飲食店などの水に対して募金をすることで、世界の子どもたちに清潔な水を届けようというプログラムになっています。同プロジェクトの日本版である「TAP PROJECT JAPAN」は、飲食店で提供されるお水やお茶に対して募金されたお金が、マダガスカルでユニセフがおこなっている、水と衛生への取り組みに対する支援に活用されることになっています。

アフリカ南東部の島国であるマダガスカルでは、子どもたちが安全な水を手に入れるために毎日何キロも離れた水源まで水をくみに通っているほか、農村部では住民の3人に1人しか基本的な飲み水を手に入れられない現状があることが報告されています。

2009年に「TAP TOKYO」としてはじまった「TAP PROJECT JAPAN」は、2018年の8月で終了しましたが、10年の実施期間の間に、同プロジェクトには東京・千葉・神奈川など関東の飲食店のほか、北海道のとんかつ店や大阪、京都のカフェやレストランなどが参加しました。なお、「TAP PROJECT」はアメリカや日本以外に、フィンランドやカナダ、ニュージーランドなどでも実施されています。

まとめ

上記以外にも、近年ではコカ・コーラ社が、2020年までにアフリカ全土で少なくとも600万人が安全な水を確保できることを目指すプロジェクト「RAIN」を展開するなどの動きを見せています。しかし、SDGsの目標のなかでも「安全な水とトイレ」に関する具体的な取り組みをおこなっている企業はまだまだ少ないのが実情です。

国内では上記のLIXILが積極的な支援活動を展開していますが、今後こうした動きが他の企業にも広がっていくことが期待されます。

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