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少子・高齢化の進行に伴い、労働力人口はますます減少していくことが見込まれています。その打開策の一つと期待されているのが女性の活用です。女性活用については遅れていると言われる日本ですが、積極的に女性の活躍を推進している企業もあります。
今回は、女性が活躍できる環境作りに取り組んでいる企業の事例をご紹介します。
目次【本記事の内容】
女性誌「日経WOMAN」(日経BP社)の2018年6月号に、2018年版「女性が活躍する会社BEST100」が掲載されていました。「働きがい」と「働きやすさ」という2つの観点から、企業における女性社員活用の実態を紹介したものですが、そのベスト10が以下の企業です。
1位 ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ
2位 住友生命保険
3位 JTB
4位 パソナグループ
5位 花王グループ
6位 セブン&アイ・ホールディングス
7位 日本アイ・ビー・エム
8位 イオン
9位 資生堂
10位 リクルートグループ
1位のジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループは、性別、年齢、国籍など、あらゆる多様性を尊重する風土があり、日本法人グループで初めて女性が取締役に就任するなど、女性リーダーが多数活躍している企業です。
また、3位のJTBは、2007年に専任組織を設置し、グループ各社にも専任担当を置き、取り組みの見える化や好事例の表彰、情報共有などでグループ横断的に女性活躍の推進活動を行っています。また、ダイバーシティ推進・働き方改革担当の女性執行役員を配置して、積極的に取り組んでいることが評価され、3位に躍進したと考えられます。
「日経WOMAN」のベスト10に登場するのは大手企業ばかりですが、中小企業でも女性活用に積極的な企業はたくさんあります。厚生労働省の「女性活躍推進取組好事例集」の中から、ピックアップして紹介します。
群馬県にある染色加工の朝倉染布株式会社では、約100人の従業員のおよそ4割が女性で、そのうち女性リーダーが37.5%、管理職が12.5%と、多くの女性が活躍しています。
同社が、女性活躍推進に力を入れているのは、人手不足の中、女性が結婚や出産を経ても働きやすく、活躍できる「女性が一生涯働ける職場づくり」を目指しているからです。
その中で、社員への面談を重ねた結果、生産現場も二交替も厭わない女性が多く存在していることがわかりました。
そこで、二交替勤務の現場に女性を配置し、新たな女性リーダー、課長の育成にも力を入れるため、教育訓練体系図を作成してキャリアアップのための研修プログラムを作成。その結果、「えるぼし」認定を取得し、優秀な人材を確保できるようになったそうです。
また、営業職にも初の女性が採用され、男性メインの職域に女性を登用したことで、男女両方の意識も変わってきたと言います。
名古屋市の金融・保険業のマイコミュニケーション株式会社にとって、女性従業員は大きな戦力です。ところが、能力の高い女性従業員であっても、ある年齢になると退職希望者が増える傾向にありました。
その理由は、「管理職になると、労働時間や業務内容が大変になる」という、イメージを抱いていたからです。そこで、女性の管理職を増やすために、働き方そのものを変える決断をしたそうです。
それは、家庭のある女性が、育児や介護をしながらでも、働く方法がないかと考えた結果の判断です。短時間社員の制度を取り入れたことで、どうしたら効率的に働けるかと本人だけでなく、周りも考えるようになり、会社が勤務時間ではなく、成果に対して評価することが浸透したことで、社員の意識にも大きな変化が出てきたそうです。
女性活躍に積極的に取り組む企業は、女性人材を活用することで、多様な市場ニーズへの対応や、女性ならではの自由な発想から、新しい商品やサービスなどの開発につながることが期待されています。
女性の活躍推進のために必要な、育児介護との両立支援や柔軟に働ける制度など、ワーク・ライフ・バランスの環境整備に取り組む企業と、何もしない企業を比べると、正社員 1 人当たりの1時間当たりの生産性は、 2 倍以上高いといった研究報告もあり、女性活躍推進の重要性は、ますます高まることになるでしょう。
女性が活躍できる環境を整えるには、組織体制、管理職の育成・強化、仕事と家庭との両立サポート、企業内保育所の取組など、さまざまな方法があります。女性の活躍を目指すなら、まず自社の課題(女性が活躍しにくい環境)を把握し、それを打破するためには何が必要かを見つけ出すことです。
女性活躍の推進に取り組んでいる企業については、厚生労働省の「女性が活躍する企業実例集」、「~中小企業の優秀な人材確保のために~ 女性活躍推進の取組 好事例集」、経済産業省の「なでしこ銘柄」で詳細に紹介されているので、参考にしてはいかがでしょうか。
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