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振替休日と代休は、どちらも予め休日と定められていた日に労働し、その分元々の労働日を休日とする制度を指します。しかし、法律的にみると両者の扱いは異なります。
休日労働に対する割増賃金や残業代の取り扱いなど、さまざまな部分で相違点があるため明確に区別して理解する必要があります。この記事ではそれぞれの制度について詳しく説明します。
「振替休日」とは「休日の振り替え」を指し、「予め休日と定められていた日を労働日とし、そのかわりに他の労働日を休日とすること」を言います。事前に労働日と休日を入れ替えることになるため、休日労働をしたことにはならず、休日労働に対する割増賃金の支払義務も発生しません。
一方「代休」とは、「休日労働が行われた場合に、その代償として以後の特定の労働日を休みとするもの」で、すでに行われた休日労働のかわりに、特定の日を休日にする制度なので、休日労働については割増賃金を支払う必要があります。
なお、代休の取得期限は企業側が定めるのが一般的ですが、通常であれば1~3カ月程度で期限を定めることが多いようです。
代休の場合、休日労働について割増賃金を支払う必要がありますが、“休日”はあくまでも法定休日に限られており、法定外休日に労働した場合には割増賃金が発生しないため、振替休日と同じ賃金となります。
法定休日とは、「使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日(ないし4週間に4回以上の休日)を与えなければならない」と労働基準法35条で定められていて、法律上取得することが義務付けられている休日です。もちろん、アルバイトやパートタイマー、派遣社員にも法定休日は与えられるため、後述するように、法定休日に出勤した場合には割増賃金が支給されることとなります。
一方、法定外休日とは、「労使間の取り決めなどによって定めた、法定休日以外の休日」のことを指します。多くの会社は週休2日制を採用しており、法定休日を上回る休日を与えるのが一般的となっています。
前述の通り、法定休日は週に1回与えなければいけないことは法定されていますが、法定休日がいつなのかを特定することまでは求められていません。
そのため、法定休日は会社が自由に定めることができ、就業規則で法定休日を定めている場合には、その規則に従うことになります。
つまり、祝日に関しても、必ず法定休日になるというわけではなく、会社の就業規則によって平日と同様に扱うこともできるのです。
法定休日を就業規則で定めていない企業もあります。その場合、通常であれば1週間(日曜~土曜)のうちもっとも後ろに位置する休日が法定休日となります。
また、法定休日に労働した場合、割増賃金として通常の賃金の1.35倍(35%)を適用した賃金が支払われることになります。これに対して、法定外休日に労働した場合の賃金は、通常の労働日と同じ方法で計算することになるため、雇用契約などで特約がなければ通常の労働日に働くのと同じ賃金が支払われます。
通常の賃金および残業代は以下の計算式で求められます。
・「1日8時間以内・週40時間以内」の範囲内→雇用契約通りの賃金
・「1日8時間以内・週40時間以内」を超える→超える部分については通常の賃金の1.25倍(25%)
もちろん、振替休日や代休を取得した日は無給となります。例えば法定外休日である日曜日に出勤し、代休で水曜日に休みを取得したとしても、賃金は相殺され、通常の勤務と変わらない計算となります。割増賃金率は法定休日と法定外休日とで異なるため、雇用者も労働者もこの違いを十分理解しておく必要があるでしょう。
振替休日や代休の制度は、労働者の精神的、身体的な疲労の回復を図り、まとまった時間労働から解放することで、労働者のライフワークバランスを保ち、社会的、文化的活動への参加を可能にする、非常に重要な意義を有するものです。
企業によって振替休日や代休の制度の在り方は異なりますが、雇用者は労働者を守るため、労働者は自身の権利を守るため、会社の就業規則や雇用契約などで、休日に関してどのような制度になっているかを、確認しておく必要があるでしょう。 ご自身の会社の制度を把握していない方は、労務に確認するなど一度チェックしておくことをお勧めいたします。
■参考サイト
厚生労働省 振替休日と代休の違いは何か。
@DIME 説明できる?「振替休日」と「代休」の違い

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、最新情報や具体的対応は公式情報や専門家にご確認ください。詳細はご利用規約をご覧ください。
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