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2023年になっても物価高騰の波が続いている。その一因とされているのが海外から調達している原材料価格や輸送コストの高騰だ。
原材料価格や輸送コストに影響を及ぼしているのは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によるエネルギー価格の高騰などである。資源が乏しい日本では、原材料の調達を海外に頼らざるを得ない状況だ。
しかし、新型コロナのパンデミックでも明らかになったように、原材料の調達が脅かされるような事態となることもある。
また、地政学的リスクも高まっていることから、生産拠点や調達先を国内へ移し、国産品へ切り替える動きがあることが、帝国データバンクの「景気動向調査」(2022年12月調査)でわかった。
調査によると、約3割の企業が原材料を海外から調達し、製品を輸入している。しかし、そのうちの4割が、生産拠点や調達先を国内、または第三国へ移転することを検討、もしくはすでに実施しているという。
拠点や調達先を国内へ回帰・第三国へ移転、または国産品へ変更する理由のトップは、「安定的な調達」の52.7%で、「円安により輸入コストが増大」が44.6%で続いている。
一方、国内回帰・第三国への移転を検討していない理由のトップも、「安定的な調達の継続」が48.9%と約半数にのぼる。2位に続くのが「海外からの調達または輸入品の方が安い」の34.1%で、記録的な円安となった為替相場が落ち着きつつあることも影響しているようだ。
グローバル化とは逆行するようだが、原材料を安定的に国内で調達し、国内で生産ノウハウの蓄積や技術革新が進むことは、国内企業の競争力の強力な武器となるのではないだろうか。
為替の動向にもより、原材料の海外調達が必ずしもコストダウンとはならない状況もある。そのため、拠点や調達先を一国に限定せずに各国に幅広く分散するなどの備えも重要である。日本経済が活気を取り戻すまでには、越えなければならないハードルはまだまだ高いようだ。
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