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官民あげてDX推進に取り組んでいるが、なかなか進んでいないのが日本の実情である。大企業ではそれなりに取り組まれ、成果をあげているケースもあるが、資金力が乏しい中小企業は、IT人材の不足もDX推進の足かせになっている。
そんな日本の、DX推進のショッキングな現実が、情報処理推進機構(IPA)が日本と米国の企業におけるDXの動向を比較した「DX白書2023」によって明らかにされた。それによると日本企業のデータ利活用は、米国企業に比べて大きな差があるということがわかった。
日本でDXに取り組む企業は69.3%と、2021年度から13.5%ポイント増となっている。前回の調査よりも増加傾向にあり、順調と思いきやそうではない。米国でDXに取り組んでいる企業の割合は89.0%もあり、日本とはかなり開きがある。
DXを推進するIT人材については、米国では73.4%が「充足している」と回答しているが、日本ではわずか10.9%である。日本企業のIT人材不足は深刻な状況といえそうだ。
ITシステム開発技術の活用状況でも、日米ではかなり開きがある。たとえば「SaaS」の活用は日本企業40.4%(米国企業53.4%)、「マイクロサービス/API」は日本21.1%(米国57.5%)、「コンテナ/コンテナ運用自動化」は日本10.5%(米国52.1%)と、技術の活用度合いでも日本は米国に比べ低くなっている。
一方、データを利活用している割合だけをみると、日本企業の55.0%に対して米国企業は52.3%と、わずかながら日本が上回っている。ところが、日本企業のデータ利活用が売り上げ増につながっていないことも明らかになった。
米国企業が「接客サービス」や「コールセンター」など7領域すべてで「成果がある」と回答したのは60~80%だが、日本企業は10~30%にとどまっている。しかも、日本企業のおよそ半数が、7領域すべてで成果を測定していないことも明らかになった。
DX推進を加速していくためには、取り組みの成果を測定し、必要となる戦略を策定し、人材確保やデジタル技術を利活用する具体的な方法を検討していくことが重要となる。日本企業のDX推進についての進捗状況は、ようやく入口に差し掛かったということのようだ。
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